deronderonderon@下北沢SHELTER

deronderonderon@下北沢SHELTER - all pics by umihayatoall pics by umihayato
RO69JACK 2014優勝の「小悪魔系ダンスロックバンド」deronderonderon。5月13日にリリースされた、初の全国流通盤であり1stミニアルバム『DIE SUKI』を引っ提げて行われた「DIE感謝祭ツアー」ファイナル、下北沢SHELTER公演。首謀者であるさわいかん(Vo・G)の世の中に対する怒りやストレス(「DIE SUKI」という言葉の通り、それは翻ってある種の「愛情」でもある)をシニカルな歌詞や鋭いギターリフに乗せ、観る者の胸を突き刺す「確信犯」、それがderonderonderon――なのだが、リリースから2ヶ月半、大型のサーキットイベントも含め数々のライヴを行い「実戦形式」でその腕を磨いてきた彼らのステージはこの日、さわいの「確信」や「思惑」の域を超えた5人ひとかたまりの「バンド」としての、肉体的なパワーを発揮する素晴らしいものだった。

deronderonderon@下北沢SHELTER
deronderonderon@下北沢SHELTER
deronderonderon@下北沢SHELTER
「お前らが好きなderonが選んだバンドやぞ! 楽しみましょうよ!」(塔山忠臣)と0.8秒と衝撃。が、そのパンクもダンスもごちゃまぜにしたハチゲキ流ロックで盛り上げ、「この話が来たとき、売れるやつらには恩を売っておいた方がいいと思いまして。deronderonderonは売れたら必ず俺たちをフックアップするように」(沢田チャレンジ/Vo・G)とザ・チャレンジが冗談交じりの激励を送る――先輩2組の力強くも温かいアクトに送られ、「DIE感謝祭」の主催者=deronderonderonのステージが幕を開けた。

deronderonderon@下北沢SHELTER
deronderonderon@下北沢SHELTER
deronderonderon@下北沢SHELTER
ステージが明滅し、彼らのロゴを模した揃いの青い衣装でステージに現れたさわいかん/マチルダちえこ(B・Cho)/もりもとのぞみ(Dr)/木越アイ(Syn・Cho)/ばっしー(G・Cho)。「お待たせしました、下北沢SHELTER!」とさわいが叫び、“bassssshoy”でライヴスタート。RO69JACK優勝曲“NO SHIKO”に続き、「みなさん、花金イヴ楽しんでますかー!? ガンガン行きましょうよ!」と煽って“451014”へ。さわいがフロアへと身を乗り出すと、観客もハンドクラップでそれに応え、激しく体を揺らしてその音像に身を委ねていく。「451014」つまり「思考停止」。こうなったらもう、deronのことしか考えられない。マチルダの「みんな、だいすき!」を合図に“I HATE YOU”“Vampire! Love!”と高めのBPMで攻める楽曲を続けると、ここでトーンを緩やかに落とし、ラブソング“wall off”でSHELTERに一筋の風を呼び込んでゆく。木越の透き通るコーラスが心地よい。たとえば“I HATE YOU”の《お前が本当に嫌いだ。》のように攻撃的な言葉で私たちの胸を突くのは彼らの得意技だが、《愛が廃ってく 感覚にぶる/ぼくらは上ばかり見てる》と小さな擦り傷を残すような表現方法もまたderonの顔のひとつ。とにもかくにも「本質の言葉」でもって「心」をしっかり狙ってくる、その一本筋の通った姿勢が彼らの信用できるところだ。出演バンド、そしてお客さんへの感謝を述べたあと、ライヴはいよいよラストスパートへ。ぐつぐつと煮えたぎるように響くローな音像の中、木越が鋭い眼光で高々と拳を突き上げた“niburu”、そして本編最後は“D.E.R.O.N”。「deron すごい」「deron やばい」のコール&レスポンスから、いよいよ最後の盛り上がりへ――と思ったところで、メンバー全員が音と動きを止める。……いや、止まっているわけではなく、動きが速すぎて止まっているように見えるだけらしい(笑)。その状態からさわいによるメンバー紹介を経て、再び鳴り始めた爆音の中――本編終了。

deronderonderon@下北沢SHELTER
deronderonderon@下北沢SHELTER
deronderonderon@下北沢SHELTER
アンコールを求める拍手に呼ばれてステージに戻ってきた5人。先ほどの沢田チャレンジのMCに触れ、さわいは言う。「さっき僕らが売れたら引っぱってってくれって言ってくれたんですけど……引っぱります」。シニカルで、やたら攻撃的で、でもそれぞれのキャラクターは愛らしくって、何より5人がばっちり噛み合ったパワフルなステージを見せてくれた今だからこそ、力強く響く言葉が嬉しい。“akstnhmyrw”から再び“bassssshoy”でライヴは終了。刺激と高揚感を見る人の胸に刻み付け、「deronderonderonここにあり!」とでも言うような熱いステージだった。これからも彼らの進化に期待したい。(安田季那子)

deronderonderon@下北沢SHELTER

●セットリスト

00. ジングル
01. bassssshoy
02. NO SHIKO
03. 451014
04. I HATE YOU
05. Vampire! Love!
06. wall off
07. あなたまで
08. niburu
09. D.E.R.O.N.
(encore)
10. akstnhmyrw
11. bassssshoy
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする