BIGMAMA@Zepp Tokyo

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「母の日にZepp Tokyo、BIGMAMAのライブハウスを選んでしまう、親孝行なみなさん!」――ライブ序盤から歓喜と熱狂で沸き返る満場のフロアが、金井政人(Vo・G)の言葉でさらに天井知らずの高揚感に包まれていく。2016年:デビュー10周年記念&2017年:現メンバー10周年記念のアニバーサリーイヤーに突入したBIGMAMAのワンマンライブ「The BestMAMA's DAY 2016」。BIGMAMA自身にとってもファンにとっても特別な瞬間を数多く描き出してきた恒例の「母の日ライブ」には、バンドと観客が一丸となって情熱の最高記録を更新していくような、圧巻の祝祭感が吹き荒れていた。

すでに公式サイトで予告されていた通り、「FastMAMA(ファストママ)」「LoudMAMA(ラウドママ)」「PartyMAMA(パーティーママ)」「RomanticMAMA(ロマンティックママ)」「SingalongMAMA(シンガロングママ)」の5タイプの「母」が登場、というコンセプトのもとに、それぞれのテーマに沿った楽曲が披露されたこの日のアクト。開演早々、母の日にちなんでカーネーションが飾られたステージの背後のビジョンに「LoudMAMA」のメタル風ロゴが浮かび上がり、“No Way Out”“Ghost Writer”とラウドナンバー連射に割れんばかりのシンガロングが湧き起こる! 続く“Paper-craft”で響き合う東出真緒(Violin)の壮麗な旋律とエモーショナルなアンサンブルが、オーディエンスを次々とクラウドサーフへと駆り立てていく――。

BIGMAMA@Zepp Tokyo
「いつもよりちょっと多めに用意してきました! みなさん親孝行して帰ってくださいね、我々BIGMAMAに対して――『親孝行』っていうのは、全力で遊んで帰ってね!っていうことです」という金井のコールに続けて“Zoo at 2 a.m.”から流れ込んだのは「PartyMAMA」コーナー。ベートーヴェン『交響曲第9番「歓喜の歌」』をフィーチャーした“No.9”でひときわ熱い大合唱を呼び起こし、モータウン調の“母に贈る歌”のビートをハンドマイクで乗りこなす金井に、フロアが軽快に揺れる。「しかし『LoudMAMA』から『PartyMAMA』の振り幅ったら……みんなよく付いてこれるな(笑)。いろんな曲が好きで、作っちゃって、気づいたら10年経ってました!」と笑う金井に応えて、会場に拍手喝采が広がっていく。

その後も“かくれんぼ”“A KITE”など濃密なセンチメントとロマンを凝縮した「RomanticMAMA」、さらに“HAPPY SUNDAY”“#DIV/0!”などを擁した「FastMAMA」へと続く中、「FastMAMA」コーナーの最後で「宇宙初披露の新曲持ってきました!」と演奏したのは新曲。リアド偉武(Dr)&安井英人(B)の疾走ビートと柿沼広也(G・Vo)のアグレッシブなギターワークの果てに晴れやかな高揚感が広がる痛快な楽曲に、フロアの温度がなおも高まっていく。「この曲のヴァージンはみなさんに捧げたので、大切にしてあげてください!」と呼びかける金井の表情も満足げだ。

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そして、「今まで聴いた中で一番でかい、一番美しい声が聴きたいです!」という金井のシャウトとともに“Mr. & Mrs. Balloon”で幕を開けた「SingalongMAMA」パートでは、ここまでのシンガロングをあっさり凌駕する怒濤の大合唱が噴き上がる! “神様も言う通りに”から最新シングル曲“SPECIALS”、「今日の声はすごいね! みんなも絶好調だね。ただ、まだその『向こう側』があったら見せてください、聴かせてください!」という言葉に導かれて響き渡った“Lovers in a Suitcase”では、キャパ2700人の会場とはとても思えない、体感レベルではスタジアム級の一大コーラスが轟き、Zepp Tokyoの熱気を歓喜で震わせていく。

「最高にBIGMAMAというバンドは幸せ者だと、ずっと思いながら歌ってました。『BIGMAMAのストロングポイントはどこですか』って難しいこと訊かれた時に、『いや、お客さんです』って本当に言っちゃうんだけどさ。心からそう思ってます」と金井が語りかける。「まだ、みんなの知らない、聴いたことのないすごい曲が、ここに入ってます(と自分の頭を指差しながら)。伝えたいことが、ここにまだ渋滞してます。この5人で成し遂げたいことや、見たい景色が、まだたくさん残ってます。どうかみなさん、心配は要りません。ずっと期待だけしていてください。我々、行くところまで行こうと思うんで」……BIGMAMAの「これから」への決意を語る言葉に、惜しみない拍手が広がる。

BIGMAMA@Zepp Tokyo
自らの多彩な音楽性を「ファスト」「ラウド」「パーティー」「ロマンティック」「シンガロング」という5つのキーワードで因数分解してみせたこの日のアクトは同時に、それらの要素が分かち難く絡み合いせめぎ合いながら、BIGMAMAというロックのユートピアを作り上げていることの何よりの証明でもあった。そんな意欲的なアクトを締め括る終盤のクライマックスはその名も「BestMAMA」! “荒狂曲"シンセカイ"”“秘密”“Sweet Dreams”“Mutopia”……といった具合に、全曲アンセム状態のBIGMAMAの音楽の中でも特に輝度とスケール感に満ちた楽曲群が、フロアを激しく揺さぶり高らかな歌声を巻き起こしながら、最高の一夜の終わりを美しく彩っていく。


トータル30曲に及んだライブのラストは、バンド初期からの重要曲“CPX”とシンガロングとダンスとクラウドサーフが入り乱れる珠玉の大団円! デビュー10周年/現メンバー10周年アニバーサリーイヤーの祝砲をステージ&フロア一丸となってぶっ放すようなこの日のアクトは、BIGMAMAの「その先」への期待感を抑え難く沸き立たせてくれるものだった。(高橋智樹)
BIGMAMA@Zepp Tokyo

●セットリスト
LoudMAMA
1.No Way Out
2.Ghost Writer
3.Paper-craft
4.アリギリス
5.Swan Song

PartyMAMA
6.Zoo at 2 a.m.
7.Why You Refrigerate Me?
8.No.9
9.テレーゼのため息
10.母に贈る歌

RomanticMAMA
11.Royalize
12.かくれんぼ
13.君想う、故に我在り
14.A KITE
15.ダイヤモンドリング

FastMAMA
16.Overture
17.HAPPY SUNDAY
18.Lucy
19.#DIV/0!
20. ※新曲

SingalongMAMA
21.Mr. & Mrs. Balloon
22.神様も言う通りに
23.SPECIALS
24.Lovers in a Suitcase
25.I Don't Need a Time Machine

BestMAMA
26.荒狂曲"シンセカイ"
27.秘密
28.Sweet Dreems
29.Mutopia
30.CPX
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