2日間で実に5万人が集結した巨大なライブ空間を、ホール一面をステージとLEDスクリーンで埋め尽くした舞台設定と、大会場ならではの特効や演出効果を駆使したステージングと、何より最新アルバム『The World's On Fire』にこめられたシリアスなメッセージ性をこの大空間いっぱいに撃ち放っていくようなダイナミックなサウンドと歌が、オーディエンスの情熱と真っ向から響き合って、一音ごとに魂が沸き立つようなエモーショナルな時間を生み出していた。
人間の根源的な「七つの大罪」と向き合うストイシズムを、雄大なロックのサウンドスケープと重ね合わせて轟かせた“Seven Deadly Sins”。カミカゼ・ボーイ(B・Cho)&スペア・リブ(Dr)のビートの躍動感、ジャン・ケンのアグレッシブなギターワークとDJサンタモニカ(Dj/Sampling)のスクラッチが鋭利に交錯する音像、トーキョー・タナカ(Vo)の熱い歌声が渾然一体となって炸裂し、2万5千人の大合唱が轟くメッセ激震の激烈祝祭空間を繰り広げてみせた“Raise your flag”—―。
まさに「On Fire」な世界に生きる我々の危機感と、それでも未来の希望を渇望する想いを強烈に体現する『The World's On Fire』の楽曲が、“FLY AGAIN”など鉄壁のマンウィズ・アンセム群と絡み合いながら、大会場を至上の高揚感へと導いていく。
熱気に満ちたオーディエンスに向かって、終盤のMCでジャン・ケンはひと言ひと言、静かに語りかけていた。「大したことはできないかもしれませんけども、私は祈り続けることにしました。『理想』と『現実』っていうものは、いつも反対語で使われてますけども、理想と現実がかけ離れていないってことを、見せつけてやりましょう。よろしくお願いします」……そんな真摯な言葉に、惜しみない歓声と拍手が広がっていく。
「悲しみと戦争の炎ではなく、希望の炎が世界中に灯りますように」—―3月のツアー当初からジャン・ケンが呼びかけていたメッセージが、ライブハウスとアリーナという差異など関係ない純粋さと、アリーナのスケール感と一体となった迫力をもって、どこまでも強く、深く心に焼き付いてきた。
ロック突然変異体的な存在としてシーンに登場してから6年。国内も海外も駆け巡りながらシーン最前線を爆走し続けるマンウィズは、揺るぎない理想を胸にロックと世界の「その先」を見つめていることを、この日の熱演は明確に伝えてくるものだった。ツアー次回公演は2016年11月3日(木・祝)・ポートメッセなごや1号館にて!(高橋智樹)
※MC部分は編集部で日本語訳しています