3月に行われる「ビクターロック祭り2017」の前哨戦的イベント「MUSIC TAGS vol.4~カロリー高め!東西ガチモリ燃焼系ナイト~」が開催された。2月16日に開催された大阪編も盛況に終わったとのことだが、今回レポートするのは、その2日前、新木場STUDIO COASTで行われた東京編。噛みつくような闘志をステージ上に刻みつけたオープニングアクト・Ivy to Fraudulent Gameの演奏を経て、本編へ突入だ。
一番手は、前週に全国ツアーを終えたばかりのgo!go!vanillas。「俺たちのパーティーで騒いでいけ!」という牧 達弥(Vo・G)の叫びを皮切りに1曲目“ヒンキーディンキーパーティークルー”へ突入していく。以降、イベントタイトルを意識してか、彼らのディスコグラフィの中でもとりわけハイテンションな曲が主に演奏されていく。とはいえ、ミラーボールが回るフロアへ自由なダンスビートを解き放った“エマ”、4人順番にボーカルをとりつつオーディエンスからの歌声も求めた “デッドマンズチェイス”などフロアの昂らせ方は多彩。オーディエンスも跳んだり歌ったり叫んだりと自由に楽しんでいる様子だった。そんな中、ラストに演奏されたのは最新曲“おはようカルチャー”。ツアーを通してバンドの武器=「声」を再確認できた、というMCもあったが、そうして無数の共鳴を呼び起こしながら、今後、もっと多くの人の元へ届く音楽を彼らは育てていってくれることだろう。明るい未来を導き出すような、爽やかなラストシーンだった。
この日が2017年初ライブだったというKEYTALKだが、“MATSURI BAYASHI”イントロ、4人の息の合ったユニゾンを聴いた瞬間、ブランクなどは一切ないのだということを悟らされる。むしろバンドは渇望感を増しているし、オーディエンスもこの日を楽しみに待っていたことが初っ端からよく伝わってくる。心底楽しそうに演奏するメンバーの熱量がフロアにも伝播し、オーディエンスがこぞって盆踊り風の振り付けを楽しむまでには時間がかからなかった。MCでは髪に赤色のメッシュを入れた寺中友将(Vo・G)に小野武正(G・MC・Cho)がチャチャを入れたり、バンドの宣伝担当スタッフのモノマネをメンバーが順々にし始めたり、「身内をイジるのが大好き」というキャラを存分に発揮。さらに3月リリースの新譜にまつわる嬉しい告知(詳しくはこちら→http://ro69.jp/news/detail/156218)を挟みながら、「お祭り番長」としてのKEYTALKの側面を存分に引き出す演奏でフロアを沸騰させ続けたのだった。
「絶対客層変わったろ! さっきまで黄色い声援飛んでたのに」「ビクターの人から『女の子はちょっと帰っちゃったみたい』と言われたんですけど」と山口隆(唄とギター)は冗談めかしていたが、トリのサンボマスターは、「恥知らず!」コールとともに突入した1曲目から早速、サンボマスター初体験と思われる人さえも速攻で巻き込み、一斉に笑顔にさせる。脇目も振らない3ピースサウンドは聴き手の血を沸き上がらせ続けたが、一転、地元・福島への想いと目の前のオーディエンスに対する想いとを重ね合わせながら大切に奏でられた“ラブソング”がこの日のハイライトだろう。「孤独と不安を終わらせに来たんだよ。終わらなかったらまたライブハウスに来るんだよ! 笑うんだよ!」と叫びながら陽性のサウンドを轟かせる姿は、タイトル通り全体的に明るい温度感となったこのイベント自体を、そして先に演奏した後輩バンドのステージをも肯定し、背負うかのよう。「また一緒に生きてくれー!」(山口)と鳴らされた “可能性”まで全7曲、泣きながら笑いたくなるような、最上級のラブ&ピースをこの日も彼らは伝えてくれた。(蜂須賀ちなみ)
●セットリスト
・go!go!vanillas
1. ヒンキーディンキーパーティークルー
2. ニューゲーム
3. バイリンガール
4. エマ
5. デッドマンズチェイス
6. カウンターアクション
7. おはようカルチャー
・KEYTALK
1. MATSURI BAYASHI
2. sympathy
3. ASTRO
4. a picture book
5. YURAMEKI SUMMER
6. MONSTER DANCE
7. Love me
・サンボマスター
1. ミラクルをキミとおこしたいんです
2. 世界をかえさせておくれよ
3. 光のロック
4. ラブソング
5. できっこないを やらなくちゃ
6. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
(encore)
7. 可能性