[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール

[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール
●セットリスト
1.ムーンソング
2.Burger Queen
3.For Freedom
4.Kaiju
5.Claw
6.Girl A
7.Kick&Spin
8.O2
※『O2』の「2」は下付きの「2」
9.Aoyama
10.Feel like
11.The & Tokyo 2pm 36 Floor
12.Buzz Off!
13.Stimulator
14.言え
15.Waitress, Waitress!
16.クソッタレな貴様らへ
17.今まで君が泣いた分取り戻そう 〜 サテライト
18.Swan
19.Run Away
20.Starrrrrrr
21.NEW WALL
22.Adventure

(Encore1)
23.ワタリドリ(Acoustic)
24.SNOW SOUND
25.かえりみち(川上洋平弾き語り)
26.Dracula La

(Encore2)
27.Kaiju(Acoustic)
28.You're So Sweet & I Love You
29.city

「最高のオーディエンスです! 本当に幸せ者です、[Alexandros]は!」。熱気あふれる幕張メッセを見渡して叫ぶ川上洋平(Vo・G)の、ツアー完走の感慨と今この瞬間の充実感が入り混じった言葉に応えて、会場を埋め尽くした2万人の観客の拍手喝采が広がっていく――。

香港/韓国/台湾の海外公演も含め、昨年11月から半年間・計32公演にわたって開催されてきた「Tour 2016~2017 ~We Come In Peace~」も、いよいよこの幕張メッセ2Days公演をもって終幕。そのグランドフィナーレとなる幕張2日目、実に3時間に及ぶアグレッシブなアクトは、彼らのロックが繰り広げる表現空間のスケールとダイナミズムを改めて鮮烈に物語るものだった。

[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール
スタンディングエリア中央に長く伸びた花道と舞台後方に、バンド名にちなんだ「[ ]」のオブジェがいくつも設置された中、川上洋平/白井眞輝(G)/磯部寛之(B・Cho)/庄村聡泰(Dr)とサポートキーボード:ROSÉが登場。
[Alexandros]のライブのオープニング定番曲“Burger Queen”――の前に、彼らがこの日最初に響かせたのは、最新アルバム『EXIST!』の幕開けを飾る“ムーンソング”だった。燃え盛る衝動とバイタリティを、凛と澄み切ったサウンドスケープと極上のメロディへと昇華したこの曲が、幕張メッセの広大な空間をいきなり高揚の異次元へと導いていく。

[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール
“Burger Queen”から“For Freedom”へ、といった1stアルバム『Where's My Potato?』の曲の流れを経て、“Kaiju”のヘヴィネス渦巻くインダストリアルロック的音像がフロア一面のハイジャンプを呼び起こていく。
さらに“Claw”“Girl A”と『EXIST!』の楽曲を次々に連射! 白井のソリッドなギターワーク、磯部&サトヤスのパワフルなリズム、洋平のハイトーン熱唱がせめぎ合い響き合いながら、[Alexandros]最新型のハイパーな覚醒感を高らかに鳴り渡らせていく。

[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール
麗しのファルセットが熱気を震わせた壮大なバラード“O2”(※『O2』の「2」は下付きの「2」)の透明感。クール&ポップな“Aoyama”でステージを降りアリーナの柵に登って煽りまくる洋平の姿に沸き起こる大歓声。ダンサーチーム「[A]-Girls」とともにメッセを祝祭感で包んでみせた“Feel like”……といった『EXIST!』の楽曲群と、“Kick&Spin”“Stimulator”“言え”といったインディーズ時代からのアンセム群が幾重にも織り重なった熱演が、会場の熱気と歓喜を刻一刻と高めてみせる。

[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール
“言え”のイントロでサトヤスがうっかり次の“Waitress, Waitress!”のリズムを叩き始めたのを「長いことやってるとね、わかんなくなるんですよ!(笑)」と磯部がフォローしたり、終始開放的なモードで行われていたこの日のアクト。
2015年に初めて幕張メッセで行ったワンマンライブとは異なり、この巨大な会場でのアクトをすっかり血肉化し、あたかもホームのライブハウスの如く楽しんでいることが、4人の躍動感あふれる佇まいからも伝わってくる。

[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール
“今まで君が泣いた分取り戻そう”のアウトロからピアノをバックに“サテライト”へつないでみせたり、“Swan”から“Run Away”“Starrrrrrr”へ流れ込んで至上の熱狂空間を生み出してみせたり、といった圧巻の本編を締め括ったのは、村田泰子(Violin)率いる8人編成のストリングスチーム「村田一族」とともに総勢13名で響かせた“NEW WALL”、そして“Adventure”。
2015年の幕張で、まだタイトルもない状態で披露されていた“NEW WALL”は、格段に強靭でしなやかな音の肉体美をもって2万人のシンガロングと共鳴していたし、“Adventure”は彼らの終わりなきロックの冒険の凱歌として晴れやかに広がっていった。

アンコールではメンバーが会場最後方から登場、アリーナ中央のサブステージから「お客さんもメンバーとして迎え入れたいと思います!」と呼びかけながらアコースティックスタイルで演奏した“ワタリドリ”が、観客の情熱をさらに力強く煽っていく。
さらに、銀紙が雪のように降り注ぐ中で“SNOW SOUND”を披露した後、「2001年、結成した当時のことを思い出しました」と洋平が語る。大学に入って「世界一になるバンドを結成するぞ」と野望を胸に始動するも、1週間でメンバーがみんないなくなったこと。そこから磯部が加わり、白井が加わり、CDデビュー後にサトヤスが加わったこと。そして、「最高のメンバーを持ったと思います!」という感謝の言葉とともに弾き語りで歌い上げた“かえりみち”が、満場のクラップとともに響き渡った。

[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール
全員がステージに戻って“Dracula La”を爆演、「愛してるぜ幕張!」の洋平のコールを残して大団円――と思いきやメンバーが三たび登場、洋平&サトヤスがアコースティック編成で奏でた“Kaiju”から、2万人大合唱状態の“You're So Sweet & I Love You”、ソリッドな疾走感に満ちた“city”の熱量が、ロングツアーの終幕を美しく彩っていた。
すべての音が止んだ後、花道に進み出てお互いを労うように肩を組む4人。オフマイクで再び「愛してるぜ幕張!」と突き上げた洋平のシャウトに、惜しみない歓声と拍手の嵐が沸き起こっていった。

[Alexandros]/幕張メッセ国際展示場9-11ホール

終演後のビジョンでは、ファン感謝祭的ワンマンライブ「Premium V.I.P. Party」を2017年7月2日(日)に名古屋・日本ガイシホールにて開催することも発表した[Alexandros]。彼らが体現する進化の加速度をそのまま形にしたような、最高のロックアクトだった。(高橋智樹)

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