四人囃子×SOIL&“PIMP”SESSIONS @ SHIBUYA-AX

以前このコーナーでも速レポした「四人囃子×フジファブリック」という新旧サイケデリックな組み合わせの対バン(2008年7月10日)は、日本が誇る70年代プログレッシブ・ロック・レジェンド=四人囃子のライブ企画「色彩探索」の第1回として行われたわけだが、その第2弾となる今回の相手は異色も異色、爆音デス・ジャズ6人衆=SOIL&“PIMP”SESSIONS!

組み合わせも異色なら、会場のセッティングも異色だ。まずはステージ。舞台上手(向かって右)から、四人囃子・坂下のキーボード・セット/佐久間のベース&ギター機材/SOIL・みどりんのドラム/秋田ゴールドマンのベース機材/四人囃子・岡井のドラム・セット/森園のギター機材/SOIL・丈青のキーボード・セット……という順番で、中央のSOIL・社長のマイクを取り囲むようにセッティングされた機材群。そしてフロア。1F席の真ん中にプログレ・リスナー向け(?)の椅子席が用意され、それを両脇から挟むようにスタンディング・エリアが設けられ、そこからキッズが拳を掲げている。「こういうAXは……新鮮ですね」と社長が漏らしたのも無理はない。すべてがこの、ロック・レジェンドと若きジャズ侍たちの一夜限りのガチンコ共演を形にするためのスペシャル・セットだったわけだ。

そんな特別な一夜だけに、先攻=SOILの気迫は半端じゃなかった。終始座ったままの椅子席プログレ・オーディエンスに戸惑いつつも、AX全部まとめて強引にアゲるべく“A.I.E”“COME ON BABY”などで序盤から煽り倒す。“マクロケ”の70年代レアグルーヴ風のリズムから“マシロケ”の切迫疾走ジャズへ流れ込むお馴染みの流れも、「2セット出てるところでやれるってのはどういうことかわかるか? ものすごく貴重な体験です。めちゃめちゃ気合い入ってます! だから、もっとみんなの声が聞きたい!」という社長の声も、いつものふてぶてしいまでに堂々としたSOILとはひと味違った、「挑戦者」の蒼臭いまでの荒々しさに満ちていた。そして……SOILの最後の曲“THE SLAUGHTER SUITE”で、いよいよ四人囃子の森園/佐久間/坂下/岡井の4人が登場! 6人のアンサンブルの隙間に森園のディストーション・ギターが染み込んだり、岡井×みどりんのドラム・バトルが展開されたり、と衝撃的瞬間だらけの演奏と「SOIL! SOIL!」のコールと熱気を残して、SOILの出番は終了。

一度全員が引っ込んだ後で、後攻=四人囃子のステージへ。もう、1曲目の“おまつり”から、ねっとりとしたプログレッシブ・ブルースがステージからあふれ出して、さっきまでのささくれまくった熱気を一気にリセットして別世界を描き出す。宇宙的・幻想的アンサンブルが印象的な“空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ”といい、激しく展開する水底のブルース“泳ぐなネッシー”といい、4人のサウンドを媒介にして、その向こう側から何か異世界がもりもりとわき出してくるような逆らい難い妖気を、彼らの音楽は持っている。さらに、今度は四人囃子のステージにSOILの6人が登場。佐久間がベースをギターに持ち替えたところで“I’m In Action”へ突入! 佐久間・坂下・岡井のコーラスが響き、岡井は「SOIL! SOIL!」とフロアを煽っていたずらっぽく笑ってみせる。続く“CHAOS”も全員で披露した後、最後は再び4人でハード・エッジな“一触即発”の圧倒的なスケールのサウンドを聴かせて……本編終了。

アンコールではまたもや全員が集結。「今日だけのスペシャル・セッションをやりたいと思います! このおじさんたちが生きてるうちに一緒にやれて嬉しかった!」と笑う社長の声にも微妙に緊張が混じっている。が、ラスト・ナンバー=SOILの“SATSURIKUニューウェーヴ”が10人の最強アンサンブルで炸裂し、高揚の渦に巻き込まれていくフロアを見た途端、SOILの6人の緊張感も気負いも何もかもがでっかい歓喜に塗り替わっていくのがよくわかる。感極まった社長の「最後に言わせてくれ! WE ARE 『十人囃子』!」という絶叫が、特別な夜のフィナーレを飾っていた。(高橋智樹)
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