昨年10月17日から全国40ヶ所を巡った『GOING NOWHERE TOUR 08-09』も、いよいよ今宵ファイナルを迎える。リキッドルームのロビーは早くからキッズたちの喧噪に沸き、恵比寿駅のロッカーに所持品ブチ込んで、真冬だというのに半袖で会場までダッシュするボーイズの姿も見受けられ、「みんなこの夜を心待ちにしてたんだなあ」としみじみ実感。ツアーで数ヶ所をサポートしたBIGMAMAのメンバーも駆けつけ、開演を待つリキッドは待望感ではち切れんばかりだ。
時刻は午後6時10分。突如場内が暗転すると、押さえていた何かが決壊したように爆発的なハンド・クラップとOiコールが沸き上がった。大歓声のなか、威勢よくメンバーが登場。ステージ前に走り出てKo-01(B/Cho)、両手を振り上げてさらにフロアをアジる。そして「恵比寿リキッドルーム、いきましょうか!?」とのTAKUYA(Vo/G)の呼びかけから、いきなりトップギアで“GET UP”へ。激しいステージ・アクションで前のめり気味に加速していくバンドに、オーディエンスは熱烈なダイブとモッシュで応戦。続く“Endless Summer”では、<♪Summer time, My Endless Summer time〜>のサビ・フレーズにあわせてリキッド中がジャンプ・アップ! 開始早々、ハンパじゃない一体感が生まれている。「いやー、スゴい! なんかスゴい!!」とKo-01も圧倒されるくらいのフィーバーっぷりだ。それというのも、フロント3人が幾度もステージ前に歩み出て積極的にコミュニケーションを図り、「飛べ!」、「暴れようぜ!!」、「まだまだ行くぞ!!!」と要所でオーディエンスを扇動し、ひとりの脱落者も出さずにその先へと引き連れていくバンドの統率力アップに依るところがデカい。40に及ぶステージの積み重ねは、4人を見違えるほどたくましく、パンク・バンドとしてタフに成長させていた。
ひと息ついてTAKUYAがMC。「全国ツアー回って、帰ってきました! たくさん仲間もできたし、ホントいろいろ勉強になったツアーでした。今日はここリキッドルームで全てをブツけて帰ろうと思います! 最後まで楽しんでいこうぜ!!!」。Ko-01も想いの丈を語りかける。「今日は1,000人くらい集まってくれてるんですけど、自分の家族として、大親友としてみんなを見てるので、みんなもウチらのことそういうふうに思って、恥ずかしさとか何もかもなくしましょうよ!」と。そうなのだ、リキッドを満たしていた濃密な空気――それはまるでマブダチの晴れ舞台に駆けつけて共に祝するような、めちゃめちゃフレンドリーで温かいものだったのだ。ここまでフロアと距離の近いバンド、そういないと思う。徹底してキッズ・オリエンティッドな4人だからこそのライブ・ステージに、場内の熱気は終始下落に転じることはなかったのだった。
怒濤の勢いで本編をやり遂げ、アンコールも“Everything”→“Go for break!!”と一気呵成に畳み掛けたGLORY HILL。これでフィニッシュかと思いきや、「まだまだイケるよな!?」とTAKUYA。そしてハンド・マイクでステージ前にダッシュして、もう一丁“Go for break!!”! まさかのゴリゴリ・チューン2連打でリキッドは完全に昇天。「5月にまたツアーがあって、今度はリキッド2デイズなのでまた遊びましょう!!」とTAKUYA。この勢いのままで、どこまで駆け上がることができるか――当分4人から目が離せそうにないッス!(奥村明裕)