ヤバイTシャツ屋さん/豊洲PIT

ヤバイTシャツ屋さん/豊洲PIT


●セットリスト
1. Tank-top in your heart
2. Tank-top of the world
3. とりあえず噛む
4. ウェイウェイ大学生
5. L・O・V・E タオル
6. DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ
7. メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
8. Universal Serial Bus
9. 喜志駅周辺なんもない
10. DANCE ON TANSU
11. ZIKKA
12. 寝んでもいける
13. 眠いオブザイヤー受賞
14. 気をつけなはれや
15. 天王寺に住んでる女の子
16. 流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い
17. スプラッピ スプラッパ
18. 無線LANばり便利
19. あつまれ!パーティーピーポー
20. ヤバみ
21. ハッピーウェディング前ソング
(アンコール)
EN1. 肩 have a good day
EN2. ネコ飼いたい



uP!!!プレゼンツの無料招待イベントとして企画された「uP!!!NEXT ヤバイTシャツ屋さん~大人が色々頑張ってくれたおかげで無料で出来るライブ~」が、ニューアルバム『Galaxy of the Tank-top』リリース日の前日、つまり店着日・いわゆるフラゲ日である1月9日に、豊洲PITにて行われた。
本編21曲・アンコール2曲の全23曲。『Galaxy of the Tank-top』の13曲からは10曲を披露。「無料とか有料とか関係なく盛り上がれますか? はーじーまーるーよー!」いきなり新曲ー!」というこやまたくや(G・Vo)の雄叫びから、『Galaxy of the Tank-top』のオープニング曲である“Tank-top in your heart”でライブがスタートすると、ステージ後方に「タンクトップ神」がむくむくと登場する(最初はシワシワだけど空気が注入されていってぱんぱんになるのです)。

ヤバイTシャツ屋さん/豊洲PIT
最初のMCでの「大人のみなさんありがとうございます!」を皮切りに、お客全員声を合わせてなんか叫ばせるやつ、この日も何度もあり。リピーターか初めてか、ニューアルバムもう買ったかまだか、最年少は誰で最年長は誰かなど、お客に問うて挙手させるやつもあり。“L・O・V・E タオル”をやる前にみんなにタオルを掲げさせて、ほかのバンドのタオルのお客をいじるやつもあり。
“メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲”で全員しゃがませてジャンプさせるやつも、あり。“喜志駅周辺なんもない”の間奏で、「uP!!!のスタッフめちゃ優しい!」などというコール&レスポンスを繰り返して媚を売るやつも、あり。
アンコールの最後の“ネコ飼いたい”をやる前に「3000人のタンクトップパワーを集めたらもう1曲できるんです」と全員に「タンクトップコール」を求め、その声を浴びて「タンクトップ神」が再びむくむく屹立して曲に突入、後半でお客にスマホ振らせてその光がフロアを埋め尽くし、その光景を見てこやまが「すげー!」と驚喜するやつも、あり──。

ヤバイTシャツ屋さん/豊洲PIT
そのような「ヤバTがいつもライブでやる楽しいやつ」をすべて盛り込みながら、前述のようにいきなり新曲でスタートしたり、ライブであまりやらない曲や今日初めてやる曲を4曲続けたりと(10~13曲目)、そこに新機軸をいくつもぶちこんでいくことにも同時に挑む、楽しくもスリルに満ちたステージだった。

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ただし。たとえば以前なら、“ネコ飼いたい”でお客さんにスマホライトを振らせる時に、「あれやりたいんです、フェスのトリのバンドがようやるやつ!」みたいな、エクスキューズ的な言葉がくっついていたりしたが、そうやってフォロー入れたりする感じがなくなった。
パンクを、ロックを、バンドを、なぜメタ視点で相対化するのか。その視点が、スタンスが、ひいては思想が、自分たちにとってのパンクだからだ。というのがヤバイTシャツ屋さんだが、その姿勢にいっそう確信を持てたから、そうなったのではないか、と感じた。

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圧巻だったのは、中盤の“眠いオブザイヤー受賞”。美しくせつなくドラマチックなメロディと、歌にして人に伝える意味がちょっとどうかと思うほどない詞を持つこの曲の後半で、こやまたくやはマイクを離れ、スポットライトを浴びながら、地声で、アカペラで、サビを歌い続けた。お客さん、最初は笑ったり戸惑ったりしてザワザワしていたが、だんだんこやまに巻き込まれていった。この曲でこの光景。ヤバTがヤバTであることの矜持を見た気がしました。(兵庫慎司)

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