曰く、機材の故障だと。お客さんの持っていたワインが、PA卓にかかってしまったのが原因だと。ええー!? だめじゃん、じゃあ。卓ごととっかえないと無理じゃん。でもこんな深夜に、今から卓とっかえるとなると1、2時間ではすまない。ってことは、このままおしまい!? がーん。とか思っていると、スタッフ「えー、あと5分待ってくれ、と言っています」。誰が? 直してる人か。半信半疑のまま待っていたら、ほんとに5分後、音が出ました。偉い。で、SONNY JのDJ、はじまりました。SEなのか、映画『2001年宇宙の旅』のテーマ曲からスタート。ロックもダンスも縦横無尽、というよりも、ダンスもソウルも60年代も縦横無尽、というような、人肌な音が中心のプレイを聴かせてくれた。正直、DJはあんまり上手くない。フロアで鍛えられてきた感じではなく、元々バンドマンだったり、クラブよりも家でトラックを作るところから始まったりしたタイプだったり、とお見受けした。実はこういうタイプの人って、たいがいDJうまくない。例えばSPACE COWBOYもそうだし、もっと言えば最近THE BPAとしてアルバムをリリースしたばかりのノーマン・クックは、おそらく世界で最も有名なDJだけど、はっきり言ってプレイ自体は上手くない、と僕は思っている。大好きだけど。だから、上手くなかろうが関係ないけど。つまり、SONNY Jもそのタイプだ、ということです。ただ、上手かないけど、かける曲の音の質感がとてもよく、気持ちいい。と思っていたら、出た!“今夜はキャント・ストップ”。当然あがりまくるフロア。それはいいんだけど、続いてかけた曲が大笑いだった。REEFの“place your hands”。あっはっは、懐かしいー! これ、90年代末期ぐらいの日本において、そこらじゅうのロック寄りのパーティーやビッグ・ビート寄りのパーティーでかかりまくっていたのです。具体的に言うと、当社の雑誌BUZZ主催のパーティー「BUZZ NIGHT」や、片平実の「GETTING BETTER」や、「CLUB SNOOZER」なんかの、定番キラー・チューンだったわけです。
なんだか、頭の中が一気にタイムスリップしていたら、しばらくしてかかったのはWISEGUYSの“Ooh La La”! これも同様の曲です。まだうちにあるぞ、アルバムもシングルCDもアナログも。同じ穴のムジナだな、おまえ。ちなみに、ラストをしめくくったsugiurumnこと杉浦英治、今やイビザでもプレイする日本を代表するDJだけど、当時はまだDJに本腰を入れたばかりの時期で、BUZZ NIGHTによくゲストDJで来ていた。あと、同じくBUZZ NIGHTのレジデントDJだった、DUCK ROCKも、WAREHOUSEに遊びに来てました。2人とも、数年ぶりに会いました。というのもあって、なんか、えらく気分よくなってしまった一夜でした。新しいアーティストのパーティーで、そんな懐かしい気分にひたっていていいのか、という気がしないでもないが。なお、翌14日(土)は大阪なので、そしてこの人のタイプからいってプレイ内容をガラッと変える確率よりも同じようなプレイをする確率のほうが高いと予測するので、ネタバレを避けるため、大阪が終わるのを待って、アップさせていただきました。ご了承ください。(兵庫慎司)