ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム - All Photos by 加藤千絵[ CAPS ]/ 小松陽祐[ ODD JOB ] / 新澤和久 / 堀卓朗[ ELENORE ]All Photos by 加藤千絵[ CAPS ]/ 小松陽祐[ ODD JOB ] / 新澤和久 / 堀卓朗[ ELENORE ]

まふまふが主催する「ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~」が、まふまふ初のドーム公演「ひきこもりでもLIVEがしたい!〜すーぱーまふまふわーるど2019@メットライフドーム〜」の翌日となる6月23日に開催された。
昨年11月に幕張メッセ国際展示場9・10・11ホールにて2days開催され、両日で3万人近くを動員した同イベント。今回はメットライフドームに35000人のファンが集結し、タイトルも前回の「世界征服前夜」から「世界征服Ⅰ」に前進するだけでなく、ひきフェス初出演のEveとSouを加えるなど、約7ヶ月でその規模を格段に大きくした。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム - 天月 -あまつき- 、佐香智久天月 -あまつき- 、佐香智久

トップバッターで登場したのは天月-あまつき-。“かいしんのいちげき!”ではパワフルかつキュートに、“Ark”ではクールな表情を見せて観客を沸かすと、MONGOL800の“小さな恋のうた”のカバーでは佐香智久が登場。天月がピアノを、佐香がエレアコを担当するというスペシャルパフォーマンスも見せた。天月がステージを去ったあとは、佐香が“あなたが嫌いなあなたを教えて”と、まふまふとの共作曲“不完全モノクローグ”の2曲を披露。「もっともっとみんなの声を聞きたい」と観客のシンガロングを求め、一体感を楽しんでいた。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム - 浦島坂田船浦島坂田船

続いての登場はうらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラによるユニット、浦島坂田船。6月26日にリリースしたニューアルバム『$HUFFLE』にまふまふ、KEYTALKの首藤義勝、PENGUIN RESEARCHの堀江晶太、前山田健一らが楽曲提供したことでも話題になった。“誠-Live for Justice-”の衣装である白い羽織姿でダンサーとともに殺陣パフォーマンスを披露したあとに同曲を歌唱し、“千本桜”のカバーでは積極的に観客を煽る。4人とも歌手活動を始める前から「イケボ」で注目を集めていたこともあり、それらを生かすギミックとして曲中には台詞が多数。観客たちの心を次々に狙い撃ちにし、ラストの“Peacock Epoch”ではセクシーなボーカルアプローチで熱狂させた。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム - Eve、SouEve、Sou

2018年には連名でアルバムをリリースするなど公私ともに交流が深いEveとSouのステージは、まずSouが“愚者のパレード”を、Eveが“ナンセンス文学”をソロで披露する。歌い手から活動をスタートさせた面々のなかでもJ-ROCK的アプローチをする両名。彼らの活躍はシーンに新たな輝きを与えただろう。MCでEveが「(自分たちが出演している)ここだけゆるい時間流れちゃうね」とおっとり語ると、Souが観客に「ゆるゆるタイムをお楽しみください」と呼びかけたり、“明星ギャラクティカ”や“惑星ループ”でお互いを引き立てる調和の取れたハーモニーを聴かせるなど、息の合ったコラボレーションを繰り広げた。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム - XYZXYZ

ひきフェス常連のluz率いるXYZは、luz、あらき、un:c、nqrseの4人に、浦島坂田船のセンラ、スペシャルシークレットゲストとしてめいちゃんを加えた6人編成。luzはヴィジュアル系、あらきはHR/HM、nqrseはラップ、un:cはイラストレーターとしても活躍ーーなど、様々な文化を持つ面々が集結しながらも、高い歌唱力と表現力という共通項がある。ひきフェス直前にこの面々で投稿したばかりの“ Alice in N.Y.”カバーを披露すると、6人が代わる代わるコラボレーションしていくメドレーセクションへ。次々と鮮やかに景色を変えていく様子はまさしくショーステージだ。そのあとは6人でステージに立ち、ラストはまふまふと制作した“ CocktaiL”を届ける。コールやワイパーが起こるなど、会場全体が多幸感で満ちた。

トリを飾るのはそらるとまふまふ。ステージにひとりで登場したそらるは“銀の祈誓”を披露したあとに「すげえ景色だな~! 10年活動してきていろんなステージに立ってきたけど、これは……言葉にならない。また最高を更新しました」と語り、感無量と言った様子だ。続いての“ユーリカ”でテクニカル面のトラブルが発生。突如つなぎのトークをすることになると「話すことなんも考えてないよ!(笑)」と言いながらも、これまでパフォーマンスをした面々のステージを振り返り「出演者みんな、ここまで急に来たわけじゃないわけよ。各々が自分たちのライブをやって、自分たちのファンがいて。そのつながりが今日この場所を作ってるんだなと感じます」と穏やかな表情を浮かべた。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム - そらる、まふまふそらる、まふまふ

まふまふがギタリストとして登場し、ステージ上に花火が爆音を立てて打ちあがった“アイフェイクミー”のあと、After the Rainとして2曲を披露。5月に公開した楽曲“恋の始まる方程式”で甘酸っぱい清涼感を作り出し、“桜花ニ月夜ト袖シグレ”は穏やかな空気感を携えつつエネルギッシュに彩る。最後にふたりがハイタッチしたシーンにも、ふたりの結束が見えた。そしてステージにひとりになったまふまふは「まだまだ踊れますよね、みなさん?」と呼びかけ、“曼珠沙華”などを歌唱し、“GHOST”ではnqrseとともにクールかつ妖艶なパフォーマンスで魅せる。ドラキュラ城を彷彿とさせるセットや、噴き出す炎など、楽曲とステージの相性も格別だった。

まふまふは「序盤でいなくなった子を呼び出しましょう」と言うと、トップバッターの天月をステージに呼び込む。天月はまふまふに「いつかこういうところに一緒に立つのが夢だったよね……ってここで感動的なMCをすると泣いちゃうね(笑)」と語り笑わせ、「次にやるのは感動的な曲だから」という壮大な前振りから、昨年のクリスマスに発表したコラボ曲“かまってちょーだい”をムービングステージで歌唱。シュールでキュートな楽曲ならではのパフォーマンスと会場の盛り上がりは、大きなアクセントとなっていた。

浦島坂田船が登場し、まふまふのギター演奏とともにまふまふが提供した新曲“花吹雪”を初披露したあとは、再びそらるとまふまふのふたりがステージに揃う。「最後は僕らで1曲歌わせていただきましょうか」とまふまふが言い、After the Rainの“彗星列車のベルが鳴る”で本編ラストを颯爽と駆け抜けた。

アンコールではまず「そらまふうらさか」名義で発表した“エフピーエス”をまふまふ、そらる、うらたぬき、となりの坂田。で、XYZ名義で発表したまふまふ作詞曲“Secret Answer”をこの日のXYZチームとAfter the Rainの8人でパフォーマンスする。ネット上でしか楽しめないコラボが次々と生披露されていくのは、あらためて夢が現実になるのと同義だと痛感した。そのあとに残りのメンバーがまふまふのグッズの猫帽子を持って登場し、全員がそれを被ってトロッコに乗り込み、“すーぱーぬこになりたい”を歌唱しながらグラウンド内を1周。大きな盛り上がりを生んだ。

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム

再び全員がステージに揃うと、まずはまふまふ以外の13人が一人ひとりこの日に関するコメントを残す。もっと歌を唄いたいと思ったと話す人、感謝の念を表明する人、まふまふが昨日のワンマンで見せた涙について話す人、これからもよろしくと未来を語る人など様々だったが、全員がこの日を特別なものだと感じていたことは間違いない。

まふまふはまず「今日は楽しめましたか!?」と観客に呼びかけ、「このメンバーに声を掛けたのには大きな理由があります」と、今日の出演者の一人ひとりの魅力や尊敬しているところを順々に話し始める。それぞれに異なる個性があることを表しつつも、その内容は13人全員がネットシーンを切り拓いた存在であることを物語っていた。「この14人は、この界隈をもっと広げること、もっと先に行くことを志しています。僕の考える最強の14人です」と言うと、彼は「革命は成った! 最高だろ!? 世界だって征服できるな!?」と高らかに叫び、今後の発展を力強く宣言。同時に“ワールドドミネイション”のイントロが鳴り始め、14人全員でマイクを持ち最後の熱演を繰り広げた。

歌い手シーンは音楽のジャンルではなく、活動形態や活動場所での括りのみゆえ、それぞれの個性や人間性、音楽志向が自由に発揮できる場である。ひきフェスはそれを高水準で再確認できる場所だった。生配信の活動をきっかけに歌い手の活動を開始した人間もいれば、歌い手の活動からシンガーソングライターの活動をする人間もいる。はたまた声優、舞台、イラストレーターなど、音楽以外のクリエイティブな世界に挑戦する人々もいる。だがどれも野心や向上心がなければ成し遂げられないことだ。そんな心意気を象徴するのが、この「ワールドドミネイション=世界征服」という言葉なのだろう。

ひきフェスの発展以上に、14人それぞれが今後どんな活動をしていくのかに期待が煽られたのは、全員が信念をもって活動をしていることがステージパフォーマンスから伝わってきたからだ。このライブでお互いのリスペクトとライバル意識がより強固になったのではないだろうか。単なるお祭りや馴れ合いではない本気のぶつかり合い。ひきフェスもまだまだ進化しそうだ。(沖さやこ)

ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~/メットライフドーム


●セットリスト
1. かいしんのいちげき!(天月-あまつき-)
2. Ark(天月-あまつき-)
3. 小さな恋のうた(天月-あまつき-/佐香智久)
4. あなたが嫌いなあなたを教えて(佐香智久)
5. 不完全モノクローグ(佐香智久)

6. 誠-Live for Justice-(浦島坂田船)
7. 千本桜(浦島坂田船)
8. 花鳥風月(浦島坂田船)
9. 合戦(浦島坂田船)
10. Peacock Epoch(浦島坂田船)

11. 愚者のパレード(Sou)
12. ナンセンス文学(Eve)
13. アンドロメダアンドロメダ(Eve/Sou)
14. 明星ギャラクティカ(Eve/Sou)
15. 惑星ループ(Eve/Sou)

16. Alice in N.Y.(あらき/un:c/センラ/nqrse/めいちゃん/luz)
17. エイリアンエイリアン(un:c/めいちゃん)
  ワールズエンド・ダンスホール(un:c/あらき)
  ECHO(あらき)
  キャットアイメイク(luz/センラ)
  メリーバッドエンド(luz)
  ハローディストピア(あらき/nqrse)
  パラサイト(luz/nqrse)
  U.S.A(あらき/un:c/センラ/めいちゃん)
18. ギガンティックO.T.N(あらき/un:c/センラ/nqrse/めいちゃん/luz)
19. デリヘル呼んだら君が来た - XYZ arranged ver.(あらき/un:c/センラ/nqrse/めいちゃん/luz)
20. CocktaiL(あらき/un:c/センラ/nqrse/めいちゃん/luz)

21. 銀の祈誓(そらる)
22. ユーリカ(そらる)
23. アイフェイクミー(そらる/まふまふ・G)
24. 恋の始まる方程式(After the Rain)
25. 桜花ニ月夜ト袖シグレ(After the Rain)

26. 曼珠沙華(まふまふ)
27. 忍びのすゝめ(まふまふ)
28. GHOST(まふまふ/nqrse)
29. かまってちょーだい(まふまふ/天月-あまつき-)
30. 花吹雪(浦島坂田船/まふまふ・G)
31. 彗星列車のベルが鳴る(After the Rain)

(アンコール)
32. エフピーエス(まふまふ/そらる/うらたぬき/となりの坂田。)
33. Secret Answer(まふまふ/そらる/あらき/un:c/センラ/nqrse/めいちゃん/luz)
34. すーぱーぬこになりたい(全員)
35. ワールドドミネイション(全員)
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