「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ

「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ - Photo by Tsukasa Miyoshi (Showcase)Photo by Tsukasa Miyoshi (Showcase)
「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ - Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]
「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ - Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]

ASIAN KUNG-FU GENERATIONが中心となって2003〜2004年に開催されたストレイテナーとの対バンツアー=「NANA-IRO ELECTRIC TOUR」にELLEGARDENが参加――という形でこの3組の競演が実現してから実に15年。
ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のロックフェス「NANO-MUGEN FES.」で彼らが最後に横浜アリーナの同じステージに立ってからでも11年の時を経た2019年の今、「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」がこの3組によって行われたことは言うまでもなく、僕らにとってはあまりに嬉しい事件そのものだった。

己のロックで時代の混沌と対峙し、ライバルとして/盟友として競い合い支え合ってきた3組が、それぞれのドラマの後に誰ひとり欠けることなく2019年の今なお、いや今こそ強靭なロックの核心そのものを轟かせている――という事実が、満場のオーディエンスの歌声や歓声と響き合い、圧巻の祝祭空間を描き出していた。

■ELLEGARDEN
大阪ではストレイテナー、名古屋ではASIAN KUNG-FU GENERATIONがそれぞれトップバッターを務めてきた「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」。ツアーファイナルの幕開けを飾ったのはELLEGARDEN! 1曲目の“Surfrider Association”に湧き上がる大歓声を「やっちまおうぜ!」の細美武士(Vo・G)の絶叫がいきなりクライマックス級の狂騒へ導き、会場の熱気は“No.13”、“風の日”と楽曲が鳴り渡るごとに刻一刻と高まっていく――。

「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ - Photo by Tsukasa Miyoshi (Showcase)Photo by Tsukasa Miyoshi (Showcase)

演奏されている楽曲はすべて2008年の活動休止前までに発表されたものではあるのだが、横アリ一面に拳を突き上がらせた“Fire Cracker”も、“Salamander”のソリッドな強度も、オーディエンスの情熱ごとロックの彼方へ連れていくような“ジターバグ”の多幸感も、紛れもなく「今、ここ」のダイレクトな訴求力を備えたものだ。“ジターバグ”で歌声を煽る細美に応えて、熱く巻き起こる大合唱――。細美と生形真一(G)/高田雄一(B)/高橋宏貴(Dr)の4人が、それぞれのキャリアを通して培った音楽の果実が、再びELLEGARDENという黄金律を奏でている。アジカン・後藤正文(Vo・G)をゲストに招いて響かせた“虹”も、ラスト2曲“Make A Wish”〜“スターフィッシュ”の会場激震の高揚感も、そのすべてが至上のロックの名場面だった。

「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ - Photo by Tsukasa Miyoshi (Showcase)Photo by Tsukasa Miyoshi (Showcase)

■ストレイテナー
続いての登場はストレイテナー! “Melodic Storm”のエモーショナルな疾走感で横アリの熱気とがっちりギアを合わせたところで、“冬の太陽”から“Braver”にかけてその透徹した音像を広大な空間へとしなやかに繰り広げてみせる。長い道程の中での音楽的な進化を最高の舞台に刻み付けるような“Braver”の劇的な響きと、ストレイテナーのロックの核心を高純度結晶させたような“REMINDER”の清冽なロマンが、ひときわ美しいコントラストを生み出していた。「横浜アリーナは『NANO-MUGEN FES.』の聖地だと思ってます!」というホリエアツシ(Vo・G・Piano)の言葉に、拍手喝采が広がる。

「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ - Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]

ホリエ&ナカヤマシンペイ(Dr)のふたりでスタートしたストレイテナーが、サポートを経て日向秀和(B)をメンバーに迎えたのがちょうど「NANA-IRO ELECTRIC TOUR」当時の2004年。そして、同ツアー参加直後にART-SCHOOLを脱退した大山純(G)は2008年にストレイテナーに加入――。そんなバンドヒストリーも含めた足跡のすべてを「その先」へつなげるような風通しの良さが、“スパイラル”や“吉祥寺”といった最新曲群には確かにあった。ラストの“ROCKSTEADY”では細美武士がオンステージ、Wボーカル熱唱に横アリが揺れる!

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■ASIAN KUNG-FU GENERATION
ツアー3公演のフィナーレを担ったのはASIAN KUNG-FU GENERATION。後藤、喜多建介(G・Vo)、山田貴洋(B・Vo)、伊地知潔(Dr)にサポート=シモリョーこと下村亮介(Key)を加えた5人編成で、最新アルバム『ホームタウン』の“クロックワーク”の雄大なサウンドスケープを会場の熱気を抱きしめるように繰り広げていく。そして、“君という花”(2003年)&“リライト”(2004年)のアンセム2連発が「3組がしのぎを削っていた時代」のリアリティとともにダイナミックに鳴り渡り、オーディエンスを一面のシンガロングへと誘っていく。続いて披露された“Easter”が、復活を遂げたELLEGARDENへの何よりのオマージュとして胸に響いた。

「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ - Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]

「細美くんもELLEGARDENも、俺にとっては太陽みたいな存在」、「ストレイテナーは、まるで月みたい――ずっと隣にいてくれて、闇を照らしてくれる月」と盟友2バンドへの想いを語った後藤が、ストレイテナー・ホリエを呼び込んでともに歌ったのは、後藤作詞&ホリエ作曲による“廃墟の記憶”。弾むような旋律と真摯な言葉が、自由闊達なロックの風を横アリの大空間に吹かせていった。
「俺たちの人生は、未来に向かってしか広がってなくて。まだまだこれからも3バンドとも、いろんな街のライブハウスで演奏してるから」――そんな後藤の言葉そのままに、格段にアップデートされた“Re:Re:”のアンサンブルも、“ボーイズ&ガールズ”の《まだ はじまったばかり/We've got nothing》のフレーズも、ひたむきなロックのドライブ感に満ちていた。

「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」/横浜アリーナ - Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER]

アンコールでは、かつてのART-SCHOOLメンバー=日向&大山に加え、現ギタリスト=戸高賢史もゲストとして登場、“FADE TO BLACK”のカバーを鮮烈に響かせてみせた。そして、細美武士&ホリエアツシを迎えての“遥か彼方”で横アリ一面の歌声を突き上がらせて大団円! 「また5年後ぐらいに、このツアーやれたらいいね」と後藤は語っていた。ロックバンドのシビアな生き様と、そこから生まれた信頼関係が、長い時間を超えて今この時代のロックの希望へと繋がっていく――そんな3組だからこそ実現し得た、奇跡の一夜だった。(高橋智樹)


●セットリスト
<ELLEGARDEN>
01.Surfrider Association
02.No.13
03.風の日
04.Fire Cracker
05.Space Sonic
06.Salamander
07.Supernova
08.ジターバグ
09.虹(w/後藤正文)
10.Make A Wish
11.スターフィッシュ

<ストレイテナー>
01.Melodic Storm
02.冬の太陽
03.Braver
04.REMINDER
05.灯り
06.スパイラル
07.吉祥寺
08.シーグラス
09.ROCKSTEADY(w/細美武士)

<ASIAN KUNG-FU GENERATION>
01.クロックワーク
02.君という花
03.リライト
04.Easter
05.廃墟の記憶(w/ホリエアツシ)
06.Re:Re:
07.スタンダード
08.ボーイズ&ガールズ
(アンコール)
EN1.FADE TO BLACK(w/日向秀和、大山純、戸高賢史)
EN2.遥か彼方(w/細美武士、ホリエアツシ)


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