ヤングオオハラ/渋谷Star lounge

ヤングオオハラ/渋谷Star lounge - All Photo by 知衿All Photo by 知衿


●セットリスト
01.サマタイ
02.グッドバイバイバイ
03.MAGIC
04.TV girl
05.ハセスとココロ
06.アイラ・ビュー
07.中南海
08.HANBUN
09.新
10.美しい
11.キラキラ
(アンコール)
EN01.決勝戦



ヤングオオハラ/渋谷Star lounge

「本当にこのツアーで、みんなに笑顔をもらって、いろんな気持ちをもらって。自分ひとりでやったら、音楽って楽しくないんだなって……みんなでやりたい音楽なんだって気づかせてもらいました。ありがとう!」
ライブ終盤、あふれる想いとともに呼びかけるハローユキトモ(Vo・G)の言葉が、12月の渋谷のフロアを熱く奮い立たせていく――。

昨年夏の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」や「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO」、「BAYCAMP 2018」といった大型フェスのオーディションを次々に制し出演を果たしてきた沖縄発4ピース新鋭・ヤングオオハラ
2019年2月の「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2019」(w/ tetoHump Back2)を経て、6月には初の東名阪&沖縄ツアーを敢行。そして、最新2ndミニアルバム『YOUNG☆TONE』を携えて、10月からは自身初の全国ツアーとなる「OOHARA EXPRESS 2019秋」を計12都市で開催――と破竹の勢いで快進撃を続けている彼ら。その歌と音楽が放つ、でっかい包容力とダイレクトな訴求力の根源を、ツアーのセミファイナル=渋谷Star lounge公演は確かに伝えていた。

ヤングオオハラ/渋谷Star lounge
ヤングオオハラ/渋谷Star lounge

前日の名古屋公演と同じくツアーをサポートしたゲストアクト:Makiの熱演に続き、ヴィレッジ・ピープルの“Y.M.C.A.”に乗って軽やかに登場したヤングオオハラ。「遊んでこうぜ渋谷!」というユキトモの快活なコールから突入した“サマタイ”で、フロアはミラーボールきらめくダンス空間へと塗り替わっていく。
ソリッドな4ピース編成ながら、パンクもポップスもダンスロックも自在に繰り出す、ヨウヘイギマ(G)/ミツキング(B)/ノリバルカン(Dr)の伸びやかなバンドアンサンブル。ハイエナジーな開放感に満ちたユキトモの歌が体現する、野性的なまでに自然体なロックの躍動感。《生きた音楽が全方位から/君を飲み込んでゆく/魔法のようだな》――『YOUNG☆TONE』から披露した“MAGIC”のフレーズが、ヤングオオハラの音楽そのものを言い当てるように、頭と心を震わせていく。

「今日はいろんなところでカッコいいバンドマンがライブしてるはずなんだよ。それなのに、俺らのことを選んでくれた……もう間違いないって! みんなでいい夜作りましょう。どうぞよろしく!」
そんなユキトモの言葉とともに、『YOUNG☆TONE』の楽曲を立て続けに演奏していく。“TV girl”ではバグルスの“ラジオスターの悲劇”にも通じるシニカルな世界観を痛快なリフの脈打つポップナンバーとして響かせ、“アイラ・ビュー”では弾き語りのイントロからレゲエのリズム、さらには高らかに弾み回るビートのサビへ、と刻一刻と表情を変えていく。ハートフルなメロディが光る“ハセスとココロ”、メランコリックな気だるさの先に音の海を描き出す“中南海”、といったミディアムナンバーも、彼らの非凡なポテンシャルを十分に物語るものだ。
本人たちは「なんか緊張してる」、「MCがスベってる」としきりに気にしていたようだが、1曲また1曲とライブが進むごとに、フロアの多幸感が目に見えて高まっていくのがわかる。そして、パワフルなキメから流れ込んだ“HANBUN”の、雄大な歌&サウンドとスリリングな疾走ビートが波のように寄せては返す展開が、観る者を灼熱の高揚感の真っ只中へと導いていく。

ヤングオオハラ/渋谷Star lounge

「東京という街には、俺らの友達もいっぱい夢を見に――沖縄から飛行機に乗って、こっちに住んでる人もいっぱいいます」……終盤のMCで、ユキトモはそんなふうに語っていた。《東京という街の地面はね 夢破れた奴らの屍で出来てる》というMOROHA“三文銭”の歌詞を引用しつつ、「俺らの音楽があれば、屍に聴かせてやったら踊っちゃうんじゃないかなって。俺は今、最高の音楽をやれてると思います」と「今」の充実感を明かす一方で、彼は「これね、俺らだけじゃできないのよ」と続ける。
「ひとりでカッコいいことをやるのは誰でもできる、自分さえ持っていれば。でも、みんなで楽しいことをするってことが、すごく難しいことなんだなって――ツアー11本回って、めっちゃみんなに気づかされてます」――ひと言ひと言噛みしめるように語るユキトモの言葉に、惜しみない拍手が広がる。

ヤングオオハラ/渋谷Star lounge
ヤングオオハラ/渋谷Star lounge

「始まりは自分勝手な音楽だった。それは間違いない! 自分が楽しければよかった。でも、今は違う! 言い切れるよ。お前らがいるから楽しいよ、音楽が。この夢見る東京で、お前らがいるからできる音楽を、ずーっとずーっとやっていこうと思います!」
そんな宣誓のようなユキトモの叫びとともに鳴り渡らせたのは“美しい”。ギターを下ろしてハンドマイクで、全身でメロディと共鳴するようなユキトモの歌が、会場一丸のシンガロングを呼び起こし、拳を突き上がらせていく。そんなフロアの熱量をそのまま“キラキラ”の《太陽にタッチして》の目映いフレーズに注ぎ込み、Star loungeにひときわ熱い歌声を巻き起こす。ユキトモは一度構えたギターを投げ捨て、再びマイクを手に観客の歌を煽っていく。最高のエンディングだった。

ヤングオオハラ/渋谷Star lounge

アンコールでは「嫌だなあ、終わっちゃうの。寂しいよ……みんなでここで泊まる? 終電みんなで逃すごっこする?」と言いながら、ユキトモがフロア中央にマイクスタンドごと移動。“決勝戦”で濃密な歌と音楽の輪を生み出してみせた。2020年代のさらなる躍進への期待感を抑え難くかき立てる、輝きに満ちたステージだった。(高橋智樹)

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