開演前から4月とは思えない熱気が立ち込める中、19:05、まずはPOLYSICS登場! のっけから“Beat Flash”のメタル×ニューウェーブな爆音炸裂! “PEACH PIE ON THE BEACH”でのカヨのピッピキピッピッピー絶唱(?)も、“Baby BIAS”の会場一丸となった手拍子も、イントロはハード・ロックなくせにサビにギターがない“Digital Coffee”でハヤシが体操のおにいさんよろしくフロアを煽りまくる図も、すべてが心地好い。すでにこのあたりで、空気が湿気で白く曇り始める。「トイス! これはPOLYSICSが考えた挨拶だよ! ぜひ学校や職場で使ってください! あと、バイト先で……あ、『職場』と一緒か(笑)。the telephonesとは対バンしたかったんで、嬉しいぜー! 『spring tour 2009“mirror ball has come”』渋谷クアトロ、オア、ダーイ!」というハヤシのMCが、オーディエンスのエモーションにさらに火をつける。
ライブ後半でのMCでは、「ポリとthe telephonesには共通点があるんですよ。まず、事務所が一緒! あと、プロデューサーが一緒! 岡野ハジメさんね。あと、キーボードがやせてる! で、フロントマンが声が高くてぽっちゃりしてる(笑)」とフロアを沸かせたハヤシ、そのまま終盤戦に突入。“NEW WAVE JACKET”から、ラストの4つ打ちUKパンクみたいな“Boys & Girls”までノンストップ! 最後に「テレフォンズ、オア、ダーイ!」の絶叫を残して、POLYSICSのアクト終了。
転換の間、片平実のDJタイム。いきなりの超大技“ラジオ体操第一”から“となりのトトロ”ハウス・ヴァージョンに雪崩れ込み、Perfume“Dream Fighter”からドーパン、VOLA、Sparta Localsあたりまでダンス・ロックを畳み掛けた後で9mm“Discommunication”経由でメタルとハードコアに流れ着く……という、衝撃映像集のような選曲。ポリが生み出した超陽性な熱気をさらに天井知らずにヒート・アップさせていく。そして20:23、「紹介していいですか! the telephones!」の片平の声とともに響き渡る、“happiness,happiness,happiness”のSE! いよいよthe telephonesの登場だ。70年代ヒッピー風あるいはSuperfly越智志帆風(?)のコスチュームをまとって髪を長く伸ばした石毛は、いよいよ見た目にはいつの時代の人だかわからなくなっている。
「トーキョー! ウィー・アー・フロム・サイタマ・ジャパン! アー・ユー・ディスコ!」の石毛の絶叫コールとともに、すでにライヴでお馴染みの新曲“D.A.N.C.E. to the telephones!!!”へ。そこからリフものハード・ロック調の“fu〜shit!!!”へ流れ込む頃には、あまりの湿気にクアトロの天井から滴が落ち始める。石毛の「クアトロの床をぶち抜けー!」という煽りを聞くまでもなく、すでに面白いくらいに床が揺れている。「『spring tour 2009 "mirror ball has come"』……ミラーボールとともに回るthe telephonesのツアー……でも、そんなミラーボールぶっ壊せ!」と“clashed mirror ball”に突入したり、「ハッピーな空間になろうぜ!」と超陽性な“Wooo Hoooo”を高らかに鳴らしたり……と、思うままにクアトロの空気を操っている。トランスとハード・ロックとディスコ・ビートが手に手を取って歓喜の果てまで爆走するようなthe telephonesのサウンドの中、石毛のギター・ソロは絶頂を極め、ノブのチープなキーボード・サウンドはオーディエンスの快楽のツボをいちいちピンポイントで刺激してくる。
「POLYSICSと片平さんにでっかい拍手を! ポリはカッコいいね! 日本の宝だと思いますよ。負けずに頑張ります!」という石毛のMCに大きな拍手! だが、「ポリは日本のシーンで道を切り開いてきて……」と続けたところで思いっきり噛む石毛。場内失笑。石毛「……そんなんじゃ勝てないよ!」。そんなMCとは一転、演奏は絶好調。「草食男子、肉食女子に負けるな!」と言って“Beautiful Bitch”をやったり、“HABANERO”“RIOT!!!”“sick rocks”3連打にフロアが壮絶な芋洗い状態になったりしている間に、もう本編ラスト。「ウィー・アー?」「ディスコ!」「トイス?」「トイス!」のコール&レスポンスをばっちりキメた石毛、「バイバイ」の声とともに、the telephonesのすべての快楽要素をぶち込んだような必殺曲“Love&DISCO”! 21:15、本編終了。
アンコールで登場した4人、それぞれ手に小さなミラーボールを持っている……いや、くす玉? 「みなさんにお知らせがあります!」と、1つずつくす玉を割っていく4人。まず、石毛がくす玉を割る。中にあったのは≪the telephones≫の文字。続いてノブ。≪HAPPY・WEDDING≫? 結婚? 誰が? という笑いと戸惑いがフロアに広がる。続いてベース・涼平。≪EMI MUSIC JAPAN≫! おおーっ!という驚きの声。そして最後、ドラム・誠治……≪つきましてはテレフォンカードを発売します≫? 「要は、EMIからテレフォンカードを発売しますっていうこと!」と石毛。なーんだ的な空気が広がりかけたところに、「EMIと結婚しました! メジャー・デビューだおら!」と一大発表。うおおおお!とか、ええええ!とかいう驚きと歓声がフロア中から噴出! 「でもまあ、やりたい放題やろうと思います。甘い甘いラブソングとか、聴きたくないと思うんで」という石毛らしいMCに、安心したような激励の声が飛び交いまくる。
新曲も披露。“Monkey Discooooooo”というタイトル通り、上半身でモンキーダンス踊って腰から下はディスコ・ビートで激しく揺らすみたいな、4つ打ちロックンロールとも直球160kmのディスコ・ロックとも言えるようなエネルギッシュな曲。アンコール3曲の後、ダブル・アンコールで再び登場した4人。「5月6日は何の日か知ってる?」と、彼らがQUATTRO/THE BAWDIES/PILLS EMPIRE/the brixton academyといった新世代バンドと行っている同盟関係的イベント「Kings」の告知をしつつ、石毛が語る。「チャートの音楽が悪いわけじゃないんですよ。俺は好きじゃないけど(笑)。その中で、こういう音楽に触れる場を作っていきたいんですよ!」。カウンターとしてシーンを撃ち抜く攻撃性だけでなく、「じゃあどうやって」ということを、the telephonesは真剣に考えている。今回のメジャー進出だって、あくまでその一環なのだろう。ますます楽しみになってきた。(高橋智樹)
■POLYSICS
1.Beat Flash
2.PEACH PIE ON THE BEACH
3.Baby BIAS
4.Digital Coffee
5.T・RIANGLE
6.人生の灰
7.I My Me Mine
8.NEW WAVE JACKET
9.United
10.Rocket
11.シーラカンス イズ アンドロイド
12.Shout Aloud
13.Boys & Girls
■the telephones
1.D.A.N.C.E. to the telephones(新曲)
2.fu〜shit!!!
3.DaDaDa
4.it’s OK
5.electric girl
6.clashed mirror ball
7.Wooo Hoooo
8.with one
9.Beautiful Bitch
10.HABANERO
11.RIOT!!!
12.sick rocks
13.Love&DISCO
アンコール
14.Monkey Discooooooo(新曲)
15.FREE THROW
16.urban disco
アンコール2
17.Hallelujah, Hallelujah, Hallelujah