JAPAN CIRCUIT vol.47 @ SHIBUYA-AX

JAPAN CIRCUIT vol.47 @ SHIBUYA-AX - SBKSBK
JAPAN CIRCUIT vol.47 @ SHIBUYA-AX - NICO Touches the WallsNICO Touches the Walls
JAPAN CIRCUIT vol.47 @ SHIBUYA-AX - Dragon AshDragon Ash
JAPAN CIRCUIT vol.47 @ SHIBUYA-AX - エレファントカシマシエレファントカシマシ
SBK(スケボーキング)、NICO Touches the Walls、Dragon Ash、エレファントカシマシというメンツで開催したJAPAN CIRCUIT「ひと月早いROCK IN JAPAN FES.前夜祭」、大盛況&大成功の内、終了しました。出演してくれたみなさん、参加してくれたみなさん、本当にありがとうございました。では1バンドずつレヴューです。

SBK(スケボーキング)
昨年復活したSBK、ROCK IN JAPAN FES.への出場は、実に6年ぶり。ちなみに、JAPAN CIRCUITには2度目の登場。一度目は、まだJAPAN CIRCUITが始まったばかりで、今のじゃなくて建替前の赤坂BLITZでやっていた頃です。確か、B-DASHとかLOST IN TIMEが一緒だった気がする。調べてみたら、2002年12月13日のVol.7でした。
復帰以来のサポート・ドラマー、Dragon Ash桜井誠に加え、今回はSHUYAが欠席、Shigeoのユニットthe samosのHitoshi OhisiがDJで参加。そもそも気軽にほいほいライブやれる活動形態のバンドではないし、ステージに立つのは2月の大阪・東京のアルバム・リリースのワンマン以来なので、きっとその時の短縮バージョンになるんだろうな、と思っていたんだけど、きっちり違うネタを仕込んできていて、ちょっとびっくりした。
例えば、4曲目“Devastated”、イントロにケミカル・ブラザーズを2曲ミックスしたトラックが鳴り響くあたり。で、それに合わせてベースのMASHがステージ中央に立ち、謎のポーズを次々とキメるあたり。前者はかっこよさに、後者はその失笑の誘いっぷりに驚いたのでした。
あと、全体に、2月以来のライブとは思えないくらい完成された内容で、それにもびっくりした。と思ったら、実は2日目にSHIBUYA BOXXでのイベントに出たそうです。なんだ。なお、3曲目“Episode ?”にはKjが登場、始まったばかりのこのイベントを一気にヒートさせてくれました。

1.Intro
2.revibubble
3.Episode ? feat.Kj
4.Devastated
5.TOKIO LV
6.Figure it out
7.Sabbath


NICO Touches the Walls
ちょうど1週間前、初の日比谷野音ワンマンを大成功に終わらせたばかりのNICO。人気、知名度、セールス、どれも正に今急上昇中だが、こうして目の当たりにすると「そりゃそうだよなあ」と痛感する、そんな勢いに満ちたステージだった。曲や演奏が勢いに満ちている、というだけではない。なんというか、一時期の五味隆典みたいな、試合の度にどんどん強くなっていく格闘家を観ている感じに、とても近い。まるで階段を1段とばしで駆け上がっていくようなフットワーク。音、言葉、メロディ、リズム、それぞれがいちいち、いわば「熱い鋭利さ」を持って、聴き手に突き刺さってくる。初めて観たの、確か3,4年前なんだけど、明らかにこんなバンドではなかった。バンドって化けるよなあ、勢いに乗るって怖いよなあ、と、すっかりおっさんみたいなことを思いながら観ていたら、あっという間に終わってしまった。来月出るシングルに収録の“ホログラム”“風人”と、先月出たシングル“ビッグフット”を聴けたのもうれしかった。
ただ、終わった後、楽屋に挨拶に行って「最高でした」って伝えたんだけど、光村はあんまり元気がなかった。自分が目指していたほどは場を巻き込めなかった、と感じたらしい。そうかなあ。全然OKじゃん。と思ったが、ということは、この人は、自分たちの倍以上のキャリアのDragon AshやSBKと、そして自分たちの4倍以上のキャリアのエレファントカシマシと、ガチで渡り合おうとしていた、ということでもある。やっぱりすごい奴かも。

1.Broken Youth
2.THE BUNGY
3.ホログラム
4.泥んこドビー
5.風人
6.ビッグフット


Dragon Ash
こちらもツアー終わったばかりですが、まず、このセットリスト。もはや卑怯とすら言っていいメニュー。フェス前夜祭というより、ただ単に、もうフェス・シーズンがスタートしている、そういうステージでした。
プレイも、もうとにかく圧倒的。6月半ばに終わったDragon Ashのツアーは大型ライブハウスを回るそれであり、東京はZeppやここAXだったんだけど、今日こうして観ると、はっきり言って、ハコのサイズとバンドの持つスケール感が、全っ然合っていない。むちゃくちゃなたとえだが、日本代表がフットサルのコートで試合をしているような感じ。AXの天井が吹き飛びそうな、ものすごいエネルギー。ものすごい高揚感。ものすごい歓喜。日本有数の「GRASS STAGEのキャパにふさわしいバンド」だと、改めて思った。
このバンドが、自らのミクスチャー・ロックにラテンを取り入れ始めてからアルバム数枚分が経過したが、作品を重ねる度に、その楽曲がどんどんポップで開かれた方向に突き進んでいることを、証明するようなライブでもあった。これは伝わる。もう充分に伝わっているとも言えるが、これからさらにもっともっと伝わるはずだとも思う。
7曲目“Episode6”ではSBKのShigeoとSHUNが登場、フロアをさらにアゲて、さっきのお返しをしていました。
あと、これまで何度も観て来たバンドだけど、プレイしながらKjが笑顔を見せる瞬間が、とても多かった気がする。それも、なんだかよかった。ただ、「こんばんは、アンジェリーナ・ジョリーです」という第一声の挨拶は、意味不明でした。思わず、終わったあとマネージャーに「あれ、最近よく言ってるんですか?」ときいてしまった。言ってないそうです。

1.Freedom
2.Ivory
3.for divers area
4.繋がりSUNSET
5.Velvet Touch
6.La bamba
7.Episode6 feat.Shun,Shigeo
8.Fantasista
9.運命共同体


エレファントカシマシ
ROCK IN JAPAN FES.には3日目に出場のエレカシ、なんだかいつもよりも音がでかかった。そして、これは「いつもよりも」じゃなく「いつも」だけど、ものすごいテンションと気合いだった。いつも観てるのに、今日もまた、びびるくらいだった。アンコールまでの全14曲を、まるで最後の1曲みたいな勢いで歌いきってました、宮本浩次。もし今日初めて観た人がいたら、相当なインパクトだったと思う。その夜、寝られなかったかもしれない。うなされたかもしれない。赤ちゃんだったら確実に夜泣きすると思う。
エレカシが今、二度目の大きな上昇気流の中にあることは多くの人がご存知だろうが、さっきのNICOじゃないけど、それとの相乗効果で、どんどんバンドの勢いが加速している感じ。デビュー21年にして、こんな状態を迎えているバンドって、ちょっとありえない。再結成したら、かつての全盛期以上にすごいライブをやるバンドになっていた、今のユニコーンに次ぐ、いわば「日本2大ありえないベテランバンド」だと思う。
宮本だけではない。蔦谷好位置(キーボード)とヒラマミキオ(ギター)が加わった、この6人編成でのライブが定番になってからしばらく経つが、今日のライブでは、石くん、成ちゃん、トミの3人の音が、目に見えて太く強くなった気がした。
なお、ご覧のように、過去の代表曲と最近のシングルなどを織り交ぜた、これもまた「既にフェスシーズンスタート」みたいなセットリストだった。本編ラスト前、“ガストロンジャー”での、そしてアンコール最後の“ファイティングマン”での、ステージ上とフロアから放たれる熱量は、ちょっとすごいもんでした。

1.Sky is blue
2.悲しみの果て
3.おかみさん
4.BLUE DAYS
5.風に吹かれて
6.ジョニーの彷徨
7.月と歩いた
8.ハナウタ〜遠い昔からの物語〜
9.笑顔の未来へ
10.ガストロンジャー
11.FLYER

アンコール
12.今宵の月のように
13.さよならパーティー
14.ファイティングマン


なお、ROCK IN JAPAN FES.への出場は、SBKは3日目の8月2日、NICOも8月2日、Dragon Ashは2日目の8月1日、エレファントカシマシは8月2日です。みなさん、次はひたちなかで。(文=兵庫慎司/撮影=スズキメグミ)
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