前日の雨も止み、最高にホットなロック日和の中、いよいよ開演! 「みなさんにとっても、この『京都大作戦』の2日間がとてもとても素晴らしいものでありますように!」と選手宣誓のような笠原のMCとともに“SUMMER”の珠玉のメロディと疾走ビートで歓喜のクライマックスを描き出したNorthern19。「京都、いきますか!」というJESSEの声から“KAMI”“PARADOX体操”に新曲2曲を畳み掛け、“heiwa”では満場のフィールドをピースサインの海に変えてみせたRIZE。「今日はいいバンドがいっぱい出るんで、体力を温存して……ってここで温存されても困るんで、ガンガンいきます!」とメタル寸前の超音圧ギターをかましながら、“NOT ALONE”“WAY IT IS”などの名曲劇場を珍しい3ピース編成で披露していたLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS。「10-FEETに捧げます!」と“Your Song”で噴火のようなロック大放出っぷりを見せていたACIDMAN。出産後初ライブとなるMINMIは「何度でもイキたい女の子! 何度でもイカせたい男の子! MINMIは何度でもイカせたるでえ!」という言葉通り“サマータイム!!”“シャナナ☆”のパワフルなパフォーマンスで一面タオルぶん回しの超高気圧的絶頂感を与えてくれた。一方、チャットモンチーは「浮かれず1曲1曲ビシッとやりきる」という方法論でロックへの/『京都大作戦』への誠意をアピールしつつ“シャングリラ”ではしっかりフィールドを揺らしてみせた。Dragon Ashはいきなり“La Bamba”でレッドゾーンに突入したり、「10-FEETに感謝です! 死ぬ思いして運営してんだろ? 下げたくない頭いっぱい下げてフェスを作ってると思うんで。みんなも死ぬ思いで楽しんでください!」というKjの感動のMCがあったり、ラッパ我リヤを迎えての“DEEP IMPACT”(!)があったり、《宇治川に咲いたFreedom》と“運命共同体”の歌詞をアレンジしてみせたり……と、その熱風のような音楽をメッセージ性も快楽性も120%全開で響かせていた。
昨年同様メイン・ステージ「源氏ノ舞台」と、ニュー・カマー・ステージ「牛若ノ舞台」の2ステージでの開催となる『京都大作戦』だが、「牛若の舞台」も昼間から熱かった! L.A.SQUASH/cinema staff/KGM/Fat Prop/CHOCOLATE SOLDIER/EGG BRAIN/FUNKISTという、ジャンルも音楽的方法論もバラバラの、しかし「音楽の力を信じている」という一点においてはビシッと1つにつながっている(そして、その点においては「源氏」のバンドたちとまったく同様の)アーティストが凌ぎを削っていた。
ちなみに。「源氏ノ舞台」では、「魂の盟友」たちの歴史的名演の数々に触発されてか、TAKUMAは幾度となくステージに姿を見せ(時にはJESSEらも一緒に)、踊り、歌い、煽りまくっていた。というか、10-FEET自身を除くメイン・ステージ7組のアクトのうち4ステージにオーガナイザーが乱入してくるフェスなんて、観たことがない。
そんな調子だから、トリの10-FEETのアクトはもう大変なことになっていた。2万人のオーディエンスが大集結したフィールドに向けて「ここまでの流れわかってんな? いくぞ悪ガキどもー!」とTAKUMA、気合い一閃! “STONE COLD BREAK”で大ジャンプ! “VIBES BY VIBES”でタオルぶん回し大竜巻!と面白いようにアガりまくるキッズを「ここでイカんで、どこでイクんや!」とまだまだ煽り倒す! さらに、“super stomper”でRIZEのJESSE&KenKen/ACIDMAN大木/MINMIがステージに姿を見せたのに加え、“RIVER”ではDragon Ashチームまで大挙して登場。思わずTAKUMAが「たぶんここ今、日本でいちばん贅沢!」と笑うほどの豪華ステージが実現するに至った。アンコール“CHERRY BLOSSOM”の後、「作戦大成功!」と主催者を差し置いてJESSEが美味しいところをかっさらって絶叫していたのまで含め、すべてが熱いロックの中にあった1日だった。
2日目も、ここ京都からレポートします。(高橋智樹)