100s @ 両国国技館

アルバム『ALL!!!!!!』のリリース・ツアー『百来来!!!!!!』の最終特別公演、こんなでかいハコでやるのはおそらく武道館以来。で。全14曲だった本編と、2回で計6曲だったアンコールの尺がほぼ同じ(どっちも1時間10分くらい)ってどういうライヴなんだ。今回のツアーは、100sの直後にソロ・アルバムを出したギターのまっちぃこと町田昌弘が1曲、同じくレキシとしてソロ・アルバムをリリースした鍵盤の池田貴史が、1曲ずつそれぞれの曲をやったんだけど、池ちゃんの方が20分くらいあったのです、延々フロアと掛け合いやってて。長い。長すぎるよ池ちゃん。以上クレーム終わり。それ以外はすばらしいライヴだった。

このツアーをご覧になった方は、あるいはロック・イン・ジャパンで100sを観た人はお気づきかと思うが、中村一義のモードが前と変わっている。全曲スタンドマイクでギターを一切持たない。足を大きく開いて仁王立ちで歌う姿や、間奏で暴れている姿が、なんというか、オリジナルなのだ。いや、前もギター置いてマラカス振ったり、スタンドマイクで歌ったりはしていたけど、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーみたいな歌い方(歌そのものじゃなくて歌ってる時のポーズとか態勢が)になったり、オアシスのリアム・ギャラガーを思わせる形になったりしていた。つまり、「あの人がお手本かな」と思わせる存在が感じられたんだけど、今回からそれがなくなって、完全に「中村流」になった気がした。ほら、エレファントカシマシの宮本浩次のステージ・アクションって独特でしょ?誰にも似てないどころか、「ロック・ヴォーカリストって普通こういう動きだよね」っていうマニュアルも無視してるでしょ?あの次元に近づいた気がしました。歌自体は元々そうだったんだけど、動きもそれに追いついたってことです。あと、2002年に100sが結成された時、中村一義以外のメンバーで、ある程度知名度があったのは、池ちゃんとギターの小野眞一(元ショートカット・ミッフィなので)くらいだったけど、今はプレイヤーとして、あるいはプロデューサーやアレンジャーとして、まっちぃもドラムの玉田豊夢もベースの山口寛雄も、あちこちのCDやライヴでしょっちゅう名前を見かける。実はスーパー・バンドなんだよなあ、この人達――ってことを、ステージを観ながら改めて思ったりもしました。(兵庫慎司)
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