electraglide presents Warp20 @ 幕張メッセ

Warp Records20周年イベントの日本版として、4年ぶりに開催されたelectraglide。4年ぶりなのでちょっと説明が必要か。
えーと、レーベルであり、イベンターであり、マネージメントでもあるのか、などを手がけるbeatinkが企画制作する、レイヴというかダンス・フェスティバルで、2000年11月24日に幕張メッセで、第1回目がスタート。以降、毎年開催され、2003年の3回目からは大阪でも行われたが、2005年の6回目が最後になっていた。それが、Warpの20周年と手を組んで、4年ぶりに行われたわけです。

なお、4年前までは、毎回1組「今年の顔」みたいなビッグ・アーティストが出演していた。
2000年はアンダーワールド。2001年はファットボーイ・スリム。2002年はクラフトワーク。2003年はまたアンダーワールド。2004年はプロディジー。2005年はまたまたアンダーワールド。
1年目には公式発表17,000人(幕張)だった動員は、2005年には24,000人になった。って公式サイトから書き写していて気づいた。皆勤賞だ、俺。

というのと比べると、今年はちょっとカラーが異なる。
「Warpの20周年」というテーマのせいか、他の事情なのかわからないが、そういう「今年はこの人たちが来ます!」みたいな、わかりやすい目玉アーティストが、いないのだ。
今年のタイムテーブルを書き写しますね。ステージは、「Room9」と「Room11」の2つ。単に、幕張メッセ国際展示場のホール9・10・11で行われたので、そのまま9と11を名前にしたと思われます。ホール10は、物販・休憩用のテーブル&椅子・クロークの場所になっていました。あと、ずうっと映画やってました。


Room9
21:00-22:30 DJ Yogurt
22:30-23:15 Hudson Mohawke
23:15-00:15 !!!
00:15-01:15 Steve Beckett
01:15-02:30 Battles
02:30-03:15 O.N.O
03:15-04:15 Chris Cunningham Live
04:15-05:00 rei harakami
05:00-06:00 LFO

Room11
21:45-22:30 dot it/o
22:30-00:30 Fumiya Tanaka
00:30-01:30 Clark
01:30-04:00 Andrew Weatherall
04:00-05:15 Flying Lotus


という、全14アクト。どうでしょう。過去でいうとアンダーワールドやファットボーイ・スリムにあたるのは、!!!か? バトルスじゃないしなあ。アンディ・ウェザウォールでも、クリス・カニンガムでもないよなあ。と、悩むところでしょう。エイフェックス・ツインでも来れば、わかりやすかったんだけど。
って、別に文句をつけているわけではありません。個人的には「誰が来るかに関係なく、あれば行く」イベントなので。ただ、「ちゃんと人集まるのかなあ」と心配していたのでした。大きなお世話ですが。

しかし。最初こそ出足は鈍かったが(ってこういうイベントはそういうもんですが)、0時を回る頃にはしっかり埋まっていて、安心した。Warpの神通力も大きいだろうけど、エレグラ自体に対する客の信頼度が、4年のブランクがあっても消えていなかったってことだ。よかった。

ちなみに、私が観た限りでは、最も多くのお客を集めていたトップ3は、次のとおりです。

1位 Chris Cunningham Live
2位 Battles
3位 !!!

ちょっと意外。でも、内容的には意外じゃなかった。クリス・カニンガム、細部にわたるまで、音と映像のリンクのしかたがすごくて、スクリーンから目が離せませんでした。ふらっと観に来た人がそのまま釘付けになって、その後ろにまたふらっと来た人が……と、どんどん増えて、ホールの出入り口からはみだして、通行不能になっていました。
バトルスもまた、「ああ名前は知っている、ちょっと観てみようか」って人を、捕まえて逃さないライブ・パフォーマンス。人力である利点を最大に生かした、地肩の強いグルーヴで、オーディエンスをどんどん引き込んでいた。
なお、!!! が意外に低いのは、時間が早かったせいだと思います。ライブ自体はとてもよかった。モロにダブ、ではないのに、「ああ、ルーツはダブなんだなあ」と思わせる(ってほんとにそうなのかどうか知らないけど)、不穏でどっかシリアスなダンス・ビートが、大変に心地よかった。

その「わかりやすいメインアクト」がいないこと以外にも、今年のエレグラは、過去と違う点があった。過去は「とにかく汗かいて踊りまくれる」というアクトが主体で、エレクトロニカ系とかはサブ的な感じだったけど、今年はそうではなかったこと。まあ、Warpというレーベル自体がそうなんだけど。!!!、バトルスといったバンドものが、メインっぽいポジションにいた、というのも過去にはなかった。
が、そうした差異は、このイベントのバリエーションのひとつとして、何の違和感もなく、オーディエンスに受け入れられていた。みんな、あたりまえにこの場を楽しんでいた。「このアクト目当てです!」というがっついた空気がない分、むしろ過去よりも、フェスとしての成熟度は上がっていたかもしれない。

エレグラ側とオーディエンス側、双方の、ブランクを感じさせない信頼関係が、いいなあ、と、しみじみ思った一夜でした。楽しかった。来年もあるといいなと思う。

以上、個別のアクトについてあんまり書いていませんが、それに関しては、私のブログ「兵庫慎司のロック走馬灯」の、11月21日夜から11月22日朝までのあたりを、ご覧ください。それぞれのひとことレビューみたいなのを、現場で観ながら自分のブログにアップしたのが残っています。(兵庫慎司)
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