スネオヘアー@恵比寿リキッドルーム

スネオヘアー@恵比寿リキッドルーム
スネオヘアー@恵比寿リキッドルーム
スネオヘアー@恵比寿リキッドルーム
スネオヘアー@恵比寿リキッドルーム
スネオヘアー@恵比寿リキッドルーム - All pics by 石井亜希All pics by 石井亜希
昨年はレコード会社移籍を経て『逆様ブリッジ』『赤いコート』の2枚のミニアルバムをリリース。また、音楽活動に留まらず映画『アブラクサスの祭』では初主演を務めるなど、心機一転新たな出発を切ったスネオヘアー。故郷である新潟からスタートした今回のツアーは『スネオヘアー・ファーストツアー』というタイトルの下、東京、大阪と3箇所を回る。「短いツアーでございました。ありがとうございました」と言っていたけど、久々のツアーを回ることの歓びをかみ締めるように、気持ちも新たにすごく引き締まったライブを見せてくれた。今日はスネオ曰く「折り返し」地点なので詳しいセットリストは載せられないが、新旧織り交ぜた楽曲を次々とプレイしていった。

今ツアーはサポートメンバーとして松江潤(G)、永田範正(B)、田中大介(Key)、朝倉真司(Dr)を引き連れた5人編成で届けられた。タイトなバンドアンサンブルに乗って、時に甘く、時に激しくギターをかき鳴らしながら歌う。歌モノとしての軽やかなメロディーや、アコースティック調の柔らかな響きを共有していくということは、もちろんスネオヘアーのライブに欠かせない要素だが、今日は研ぎ澄まされたバンド・サウンドとともに、その場の感情を爆発させていくという激しい面が多かったように感じる。“トキメキシュナイダー”では歌詞を忘れて「ラララ~」と歌うという場面があったけど、「歌詞なんて関係ねぇーー!」と叫んで、直感のままライブ感をむき出しにし、映画『アブラクサスの祭』の中で歌っている“因果”では後半に向けて天井を突き破るような爆音とともに広大なサウンドスケープが描いていく。ギターを最大限に歪ませ一心不乱にノイズを生み出していく“劣化”の破壊力は本当に圧巻だった。

「いろんな環境が変わりまして、今お世話になっているキングレコードから6月、12月にミニアルバムをリリースして。いろんなことを気持ちだけでやってくれているという…それほど怖いものはないですが(苦笑)。マネジメントも「情熱」という事務所を立ち上げました。ゼロスタートして、よりすっきりした気持ちでツアーを迎えられています。今日は暇な連中が集まってくれて本当にありがとう! (戦場カメラマン・渡部陽一風に)ほんとうに…ありがとう…ございます」とスネオらしい、真っ直ぐなのか捻くれているのか解らない照れ隠しを含んだ感謝の言葉を告げる。事務所の名前である「情熱」はおそらく彼がサニーデイ・サービス田中貴と小島一浩との3人でやっているバンド名から来ているものだと思うが、スネオヘアーのイメージからは一見程遠い言葉だ。しかし、浮き沈みする感情の中で揺れ動いていくスネオヘアーが、唯一情熱を注ぐことができることこそが音楽であり、いつだって音楽に対して真摯なスネオヘアーの本気を見せた決意表明なのだと思う。「頑張っていくっていう気持ちを歌った歌をやります」といってプレイされた“ロデオ”はこれからの新たなスタートとして高らかと鳴り響いた。

「CDが売れないとか言われてるけど、うっせー! KARAがどうとか、うっせー! これからも温かく見守ってください!」と、なりふり構わずスネオヘアーはスネオヘアーでやっていくと言わんばかりの意気込みで、屈折した感情も捻くれた情念も、音楽を通して直球ストレートにアウトプットしていく。いつだって「ファーストツアー」に臨むようなつもりでいくという、その心意気が感じられたという意味でも、今日のライブを観た価値はあると思った。

アンコールでは、なんと東京03の角田晃広がゲストとして登場! 昨年、J-WAVEの番組内の企画でスネオヘアーとともにその場限りのスペシャルユニット「鉋(カンナ)」を組み、楽曲を制作し披露。その後、映画『アブラクサスの祭』の上映後に2度目のミニライブを行い、今日で3度目のライブだそう。スネオヘアーとの饒舌なトークで場を盛り上げると、角田は「キングオブコント」優勝時の賞金で買ったというギブソンのアコギとハーモニカを携え、スネオヘアーとともに“サヨナラ東京”を熱く歌い上げた。
そして、ダブルアンコールでは、インディーズ時代の名曲“冬の翼”が聴けた。久々に聴く初期の楽曲に背筋も伸びるような想いで、ただただ歌と向き合い耳を傾けるオーディエンス。ゼロスタートで始まったスネオヘアーの清々しい出発は、オーディエンスの、スネオヘアーの音楽との向き合い方もゼロに戻してくれたような感覚だった。今後の動きはまだ決まっていないそうだが、新たな出発点から歩き出したスネオヘアーの今後を見守っていきたいと素直に思える一夜だった。(阿部英理子)

セットリスト

1.スカート
2.逆様ブリッジ
3.トキメキシュナイダー
4.Walk & Joy
5.赤いコート
6.因果
7.アイボリー
8.beep yeah
9.劣化
10.バースデー
11.ホームタウン
12.ロデオ
13.メールして
14.共犯者
15.セイコウトウテイ
16.空も忙しい
17.さらり
(アンコール)
さよなら東京
ハレルヤ
冬の翼
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする