ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール

登場順に、ゆず、氣志團、トータス松本、エレファントカシマシ、スキマスイッチ、ASIAN KUNG-FU GENERATION、そしてDREAMS COME TRUEと、日本の音楽シーンを代表する一級のアーティストが揃い踏みした、何しろ豪華絢爛なイベントだった。そう、7月21日発売号をもって惜しまれながら休刊してしまった情報誌「ぴあ」の、39年にもわたった歴史を盛大に祝するイベント『ぴあ 39th FAREWELL“39 -THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~』のお話。真っ昼間の12時からスタートした熱演を、ダイジェストでレポートしたいと思います!

ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - ゆずゆず
午前11時半すぎに現地入りすると、「P」「I」「A」と3つにブロック分けされたメッセ内部は早くも熱気ムンムン(なんでもこの日は、老若男女2万人のオーディエンスが集まったそう!)。定刻の12時になると場内が暗転し、2つの大型モニターに「トップバッター・ゆず」の文字が。瞬時に大歓声が沸き上がり、「最後まで楽しんでいってください! 幕張~!!」と北川が叫んで、オープニング・ナンバー「ストーリー」からメッセ中にハンド・クラップ! 客席から「結婚おめでとう!」の祝福が飛び交う場面もあり、「みんなに感謝の気持ちを届けたいなと思ってたら、(新曲が)出来まして(笑)。まだ人前でやったことないんですけど、初めて演奏します!」(北川)と、11月30日リリースとなる「翔」(「しょう」と読みます)を本邦初披露。全ての人、あるいは大切なただ一人のあなたへ向けた切実なメッセージが胸に迫る、力強いミドル・チューンにさっそく場内が沸き、「結構、いい曲でしょ?(笑)」との北川の問いかけに満場一致の大喝采! 最後は「夏色」「栄光の架橋」の2連発でステージを締めくくり、ネクスト・アクト:氣志團は、「この錚々たるメンツの中でやれるのか? 行け、氣志團ちゃん! 氣志團ちゃんだ~Z!」とのナレーションから「ゴッド・スピード・ユー!」でメッセに殴り込み! フロアは超ノリノリの人と何事かと凝視している人と完全に2分された状態だが、んなこたカンケーなく、時速120kmで突っ走る氣志團(時おり、お客さんを置いてく勢いで・笑)。「ホント、『ぴあ』にはお世話んなったぜ! 初めて出たイベントが『ぴあ』の新人イベントだったよ。寂しい気持ちはあるけど、みんなで笑って送り出そうぜ!」と翔やんも「ぴあ」に感謝を届け、終盤のキラー・チューン「One Night Carnival」では、「みんなも知ってるだろ? 俺たちにはこの曲しかないって……。だから、この曲歌ってくれなきゃお終いなんじゃ! 歌ってくれないと、ドリカムの吉田美和さん家のポストに、すごく弱った鳩を2羽入れます!」と半ば強引に大合唱を巻き起こし(笑)、ピリオドの向こうへと走り去った氣志團だった。
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - 氣志團氣志團

ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - トータス松本トータス松本
転換中のスクリーンには歴代の「ぴあ」表紙ギャラリーが流されてオーディエンスを楽しませる中、午後2時10分、3番手として魂揺さぶる歌唄い:トータス松本が登場! アコギで「明星」を掻き鳴らしながら、「イェーー!」と声を限りにシャウトすれば、場内の血流が音を立てて巡り出したような躍動が広がり、「ええねん」、「バンザイ~好きでよかった~」など鉄板のウルフル・ナンバーでも場内大合唱。2万人を丸ごと鼓舞するような、この人の雄弁かつ勇猛な歌声はやっぱ元気出るッス! 最後は「ガッツだぜ!!」で一体感はもう最高潮! 

ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - エレファントカシマシエレファントカシマシ
その熱演を受けて4番手・エレファントカシマシは、「イェーイ、エブリバデー! 聴いてください!」(宮本)と、いきなりの名曲「悲しみの果て」投下! 「みんな楽しみにしてた今日がやってきたなエブリバデー! 生きてんだよ!」とMCでもオーディエンスを焚き付けて、「風に吹かれて」「俺たちの明日」と代表曲で畳み掛ける。中盤には「俺たちのいちばん新しい曲です。宣伝です。11月16日リリース。まぁ歌ってることは一緒なんですけど(場内爆笑!)」と、「ワインディングロード」「東京からまんまで宇宙」と新曲を連発し、「みんな輝いてるぜエブリバデー!」と最後は「今宵の月のように」を、まるで親友に語りかけるような優しさで届けてフィニッシュ。4人の身を削るような熱演は、きっと幕張のエブリバデーひとり一人の魂に触れたに違いない。


ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - スキマスイッチスキマスイッチ
約1時間ほどのインターバル(休憩)の後、イベントは後半戦に突入。午後5時ジャストに、大橋卓弥、常田真太郎のスキマスイッチがオンステージ! オープニングの「ガラナ」から盛大な手拍子が広がり、ブレイクでは「表紙の絵の時と、若干髪型が違いますけど(笑)、うれしかったね。描いてもらって」(常田)、「デフォルメされて、僕、めちゃめちゃ小さかったんですよ!」(大橋)、「アフロに取り込まれてね(笑)」(常田)といった軽妙なトークでも場内を湧かせる。「デビュー当初に『ぴあ』さんのイベントに出させてもらって。その時のこと、すごいよく覚えてて。なので、今日はその時もやったデビュー曲をやりたいと思います!」(大橋)とアップ・ビートな「view」も情熱的にプレイ。そして、「知ってる人は一緒に歌ってください!」と終盤は「全力少年」、「虹のレシピ」でメッセの隅々にまでピースフルな空間を広げ、続く“アジカン”ことASIAN KUNG-FU GENERATIONにバトン・タッチ。喜多のギターが「リライト」を奏でれば「わーーっ!」とフロアが勢い沸き立ち、「ループ&ループ」のタイトかつ弾むようなアンサンブルでさらに熱狂値は急上昇! 「『ぴあ』には、いろんな思い出がありまして。初めて載った時はね、感動したね。『ぴあ』に名前が載ることで世界から忘れられてないっていう勇気をもらいました」とのゴッチのMCにも大きな拍手が沸いた。中盤には「新曲やります!」と、11月30日に発売となる1年半ぶりのシングル「マーチングバンド」もプレイ! ラストの「君という花」まで、堂々たる演奏で大舞台を全うしたアジカンだった。
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - ASIAN KUNG-FU GENERATIONASIAN KUNG-FU GENERATION

ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
ぴあ 39th FAREWELL "39-THANK YOU-”~車輪小僧の大回転~ @ 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - DREAMS COME TRUE DREAMS COME TRUE
時刻は午後7時15分。最終アクト・DREAMS COME TRUE登場前には、メッセから溢れるほどの観衆が集まり、一種異様な雰囲気に。そんな中、吉田美和、中村正人の2人がバックバンドを引き連れてオンステージ! 高らかなファンファーレと共に、「いよいよ最後だー! まだみんな大丈夫かー!? カモン!」と美和が呼びかけ、オープニングの「何度でも」で、いきなりこの日最大級の大合唱が! 「みんな疲れてると思いますけど、構わずブッ飛ばして行きます!(笑)」(美和)と、大所帯のバックバンド+ダンサー(合わせて15人以上!?)と共に“史上最強の移動遊園地”=『DREAMS COME TRUE WONDERLAND』のスペシャル・ダイジェスト・バージョンが目くるめく展開。個人的に初めての生ドリカムだったんですが、吉田美和って人、マジですごかった。驚異的な歌唱力、声量、全身で感情をスパークさせるパフォーマンス、もう全部が全部。心から楽しそうな表情の裏には、ここにいる全員を、私たちの歌で何がなんでもハッピーにするんだ!という意地のようなものも感じられて、観ていて圧倒されるほどだった。また、曲によっては相方・中村の6弦ベースの他にもう一人ベーシストがいて、ツイン・ベース体制でプレイ。で、これがまたエラいグルーヴィで、お客さん揺らす!揺らす! それは、ドリカム、バックバンド、ダンサー、そしてフロアが一体となった、異次元のエンターテインメント・ショーだった。

アンコールの「LOVE LOVE LOVE」では2万人の歓喜のビッグ・コーラスが轟き、最後は「ぴあ」に愛と感謝を込めて「サンキュ.」を精一杯に届けてイベントは大団円となった。終演後のスクリーンには、こんな宣言が――「情報誌『ぴあ』はその役目を終えましたが、『ぴあ』のDNAはこれからもみなさんの中に生き続けていきます。『全ての人に感動のライフラインを』――私たちは『ぴあ』らしく、『ぴあ』にしかできないことで、これからのために動き始めます」と。僕らのエンタメ・ライフをさらに豊かにしてくれるであろう、次世代の「ぴあ」に期待したい。(奥村明裕)
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