すごい、すごい生命力だ! チャットモンチー07/08「生命力みなぎりTOUR」初日公演。3人の演奏がダイナミックになっていて驚いたが、それに負けず劣らず客席の盛り上がりがすごい。オリコン初登場2位に輝いた2ndアルバム『生命力』、その生まれたての曲たちをみんなで祝福しよう!という熱い空気に会場全体が包まれていた。オープニングから数曲が過ぎた最初のMCの瞬間、弾けたように騒ぎ出す客席を見ているだけで、なんだかわくわくしてきた。
そもそも新作『生命力』は、「3人でライヴで演奏できる曲とサウンド」という大きなテーマがあった。そんな新曲たちを搭載したライヴは、意図したとおりとてもパワフルで、かつあっという間に会場を熱くする。それに、前回のツアー最終日、渋谷AX以降、日々谷野外音楽堂や夏フェスなどを通してより逞しくスキルアップした過去の楽曲が加わるのだから最強だ。アルバムの1曲目“親知らず”のザクザクしたギター・イントロを生で聴くと、チャットモンチーが新しい世界へと踏み込んでいくのを実感する。
ツアー初日なので具体的な曲名や演出は控えるが、過去のささくれだったリアルなラヴ・ソングが、新曲の中に配置されるとひときわ際立っていて、自分だけの心の奥深くの闇が、宇宙規模のスペクタクルへと広がっていく様子には本当に鳥肌が立った。そして逆に、普遍的なナンバーがより普遍的な歌として響いていくのも素晴らしかった。
いつものリラックス・ムードながら、「お台場の砂場でお城を作って、川を作って、お団子を作って、砂を深く掘っていったら急にヘドロの匂いがしてきた」という橋本絵莉子(Vo&G)らしい逸話や、カマキリやゴキブリといったMCもまた、なんだか生命力という三文字を感じさせるものだった。
最後に、みんなへのプレゼントとして発表されたのは、なんと「3月31日、4月1日、武道館2DAYSが決まりました!!」というニュース。客席は割れるような歓声に包まれた。11月23日でデビュー2周年を迎えるチャットモンチー、わずか2年で夢のような場所へと到達する3人の姿は、まるでロックの夢物語としてみんなをわくわくさせる。晃子「どうですか?リーダー」、絵莉子「すばらしい」という素朴なやりとりが微笑ましかった。
18ヶ所、23公演という長いツアーはここから始まる。逞しい足取りが「これから」を期待させる、祝福に満ちた旅立ちの夜だった。(井上貴子)
チャットモンチー @ ZEPP TOKYO
2007.11.16