TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - くるり all pics by ©Metrock 2013くるり all pics by ©Metrock 2013
東京湾埠頭に位置し、お台場や東京ディズニーリゾートを間近に控えた江東区新木場・若洲公園。昨年開通した東京ゲートブリッジの絶景ポイントでもあり、大都市=東京の「今」をダイナミックに体現するこのエリアで、今年新たなロック・フェス=TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL(通称・METROCK)が立ち上げられた。今日はその記念すべき初回開催の2日目。初日(レポートはこちら→http://ro69.jp/live/detail/82797)に引き続き、恵まれた好天の下で、新鋭からシーンを引っ張るトップランナーまで計16アーティストが一堂に会した一日の模様をレポートする。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - サンボマスターサンボマスター
公園のシンボルといえる風力発電用の巨大風車がどっしりと構えるメイン・ステージ=WINDMILL FIELDのトップバッターは、サンボマスター。正午ちょうどに“青春狂騒曲”で開幕の狼煙を上げると、「お前らMETROCKに何しに来たんだ? 踊りに来たんだろ!?」「宇宙一のライヴやるべー!」と、のっけから熱のこもったアジテーションを繰り出してフィールドを揺らしていく。「女の子なんか、もう眉毛なくなっちゃってるね。でも、そんな子のほうがグラビアアイドルより可愛いと俺は思ってるんだ」「お前たちがどのバンドのファンとかどうでもいいことだ。ロックンロールを愛してくれてありがとなー!」という、熱量全開の山口の言葉もオーディエンス一人一人の心に熱い火を灯していく。そのままラストの“できっこないを やらなくちゃ”まで、凄まじいテンションで駆け抜けたステージ。フェス開幕直後で体力温存を考える観客を一人たりとも許さないとでも言わんばかりの、気迫のこもった最高のオープニングだった。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - FLiPFLiP
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - OKAMOTO'SOKAMOTO'S
期待の新鋭が集う小規模ステージ=NEW BEAT SQUAREでは、沖縄発のガールズ4ピース・FLiPが男勝りのラウドなサウンドで豪快なスタートダッシュ。キラー・チューン“カートニアゴ”から6月にリリースを控えたニュー・アルバムからの新曲まで飛び出して、オーディエンスの拳を無尽蔵に突き上げていた。そして、東京ゲートブリッジを間近に望む芝生エリアに設けられたSEASIDE PARKには、OKAMOTO'Sが登場。極彩色のサウンドが飛び跳ねた“ラブソング”、青い焦燥感をスパークさせた“マジメになったら涙が出るぜ”など、ロックへの敬愛も大好きなあの子への愛情やリビドーも臆面なく解き放った雑味なしのサウンドが、爽やかな潮風に乗ってフィールドに広がっていく。ラスト“まじないの唄”では、「Say、METROCK!」のコール&レスポンスを豪快に決めてフィニッシュ!

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - UNISON SQUARE GARDENUNISON SQUARE GARDEN
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - Cure RubbishCure Rubbish
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - FLOWER FLOWERFLOWER FLOWER
再びWINDMILL FIELDへ戻ると、ガッチリと組み合った三位一体のアンサンブルを伸び伸びとドライヴさせていたのはUNISON SQUARE GARDEN。そのスコーンと突き抜けたサウンドを受けて、フィールドではステージ背後の巨大風車に負けないぐらいの勢いでぐるぐる回る巨大なサークルモッシュがあちこちで形成されている。斎藤宏介(Vo/G)のハイトーン・ヴォイスが映えるスロー・チューンも披露して、最も暑い時間を迎えた新木場に涼やかな風を吹かせていた。一方、ハスキーな歌声と優しく包容力のあるサウンドを木々に囲まれたフィールドいっぱいに広げていたのはCure Rubbish。さらにFLOWER FLOWERは、星の欠片を音に変えたような神秘的なアンサンブルを奏でてSEASIDE PARKを宇宙の果てへと導いていた。ときにディープで、ときにメルヘンチックな空気をまとったサウンドは、ひとたび外気に触れたら一瞬で崩れて無くなってしまいそうな繊細さ。なのに心のコアを抉るような鋭さと強さをも同時に感じられるのは、ステージの真ん中で透明な歌声を放つyuiの凛とした存在感ゆえだ。その孤高の音世界にいつまでも身を委ねたくなるような、至福の時間だった。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - PerfumePerfume
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - STOROBOYSTOROBOY
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - WHITE ASHWHITE ASH
ライムイエロー×ショッキングピンクの鮮やかな衣装をまとってステージに颯爽と現れたのは、Perfume。5月22日にリリースされたばかりの新曲“Magic of Love”を挟みつつ、“Spring of Life”や“チョコレイト・ディスコ”などキラー・チューン乱れ打ちの展開でアゲまくる。「男子ー! 女子ー! 上の歯ー! 下の歯ー! 前歯ー! 奥歯ー!」というあ~ちゃんのお馴染みのアジテートも炸裂し、フェス巧者っぷりを存分に見せつけてくれた3人なのであった。それにしても、高いピンヒールを履いて笑顔を絶やさず一糸乱れぬダンスを繰り出す3人の健気な姿には、何度観ても胸を熱くさせられてしまう。一方、NEW BEAT SQUAREではSTOROBOYがファッショナブルでセクシーなダンス・ロックを轟かせ、SEASIDE PARKでは新曲“Velocity”でメジャー・デビューを飾ったばかりのWHITE ASHが青くざらついたギター・ロックを叩きつけ、日中の暑さが和らいだ新木場の空気をさらにピンと張りつめたものに変えていた。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - PUFFYPUFFY
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - BABYMETALBABYMETAL
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - 電気グルーヴ電気グルーヴ
「一年ぶりのステージということで、ここからが再始動です。今年5月13日で17周年を迎えます!」というMCで、どよめきにも似た歓声を誘ったのは、由美の出産に伴う活動休止から復活したばかりのPUFFY。“HiHi”“愛のしるし”“渚にまつわるエトセトラ”などのアンセム連打のセットリストに、復活第一弾シングル“脱ディストピア”もキッチリ入れ込んだ展開で、再始動を祝う盛大なパーティーを作り上げる。ラスト“アジアの純真”でフィールド中の手のひらがヒラヒラと揺れた瞬間は、この日のハイライトのひとつだった。そして、入場規制がかかるほどの観客をNEW BEAT SQUAREに呼び込んだのは、「ヘヴィメタ」と「アイドル」の垣根を颯爽と飛び越える3人娘=BABYMETAL。1曲目の“ド・キ・ド・キ☆モーニング”からハードなメタルサウンドとキュートな歌声を炸裂させて、満場のオイコールとヘッド・バンキングの波を生み出していた。曲の合間に「ぅおーーー!」とメンバーが放つ、可愛らしいビジュアルとはギャップありすぎの絶叫も最高。さらに、車イスに乗って点滴スタンドを引いた卓球&それを押す瀧という、悪ノリ感満載の登場シーンからSEASIDE PARKを沸かせたのは、電気グルーヴ。“The Big Shirts”“SHAMEFUL”など最新アルバムのナンバーを筆頭に、“Shangri-La”“N.O.”など鉄板曲をノンストップで繋げた展開で押しまくる。何より、全編にわたって歌いまくり踊りまくりの卓球&瀧の姿がめちゃくちゃ格好いい。MCはほとんどなかったが、サウンドの力のみで未曾有の快楽空間を生み出してしまった、貫禄のアクトだった。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - SEKAI NO OWARISEKAI NO OWARI
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - きのこ帝国きのこ帝国
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - andropandrop
レーザー光線やシャボン玉が入り乱れる巨大なイリュージョンの世界を生み出したのは、2年ぶりの野外フェス出演となるSEKAI NO OWARI。ガンジーやヒトラーの言葉をモニターに映し出したシリアスな演出が定番となった“Love the warz”などのメランコリックなナンバーも披露して、巨大なフィールドを濃密なエモーションが駆け巡るセカオワ・ワールドを築いていく。終盤はメンバーそっくりのダンサーが現れた“RPG”、凄まじいハンドクラップが沸き起こった“インスタントラジオ”で大団円! そして、2日間に及んだMETROCKもいよいよ佳境。NEW BEAT SQAREのトリを飾るのは、サウンド・チェックの段階から本番さながらの轟音を響かせていた、きのこ帝国。甘美なメロディと密やかに鳴るノイズによって、すっかり暗くなったフィールドの磁場がゆっくりと歪められていくさまは圧巻の一言。佐藤(Vo/G)の妖気に満ちた歌声も相まって、「ここではない何処か」へと観客を連れ去る濃密なコミュニケーションが形成されていた。そんなきのこ帝国のアクトに後ろ髪を引かれながらSEASIDE PARKへ足を運ぶと、「今からやる曲をミュージックビデオにしたいと思います!」と叫んでいたのは、andropの内澤崇仁(Vo/G)。なんと新曲のPV撮影をこの場で一発撮りするということで、色とりどりのレーザー光線とともに眩いほどの明るさに満ちたダイナミックなサウンドが放たれる。グルーヴィーな音塊が押し寄せた“Colorful”も、浮遊する歌声とレーザーの波が幻想的な景色を生み出した“World.Words.Lights.”も、andropが描き出す壮大なスペクタクルの1ページとなって鮮やかに輝く。ラスト“MirrorDance”に至るまで、「ひとつになりたい」という純粋無垢な想いが鮮烈な音となって溢れた、SEASIDE PARKのトリを飾るにふさわしいアクトだった。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013(2日目) @ 新木場 若洲公園 - くるりくるり
そして――記念すべきメトロック第一回目のクローザーとして、いよいよWINDMILL FIELDにくるりが登場である。 先日、吉田省念の脱退を発表したばかりの彼ら。そんな不安要素(?)を払拭せんばかりに、ギタリスト・山本幹宗(The Cigavettes)/ドラマー・よっちのサポート・メンバーを加えた5人編成で放たれたのは、ひたすらアグレッシヴで骨太なギター・ロック。“ワンダーフォーゲル”“ロックンロール”などの必殺曲はもとより、“トレイン・ロック・フェスティバル”や“Morning Paper”などライヴ映えするアップ・チューンも連打していく。ライトアップされた東京ゲートブリッジや、羽田空港を発着する飛行機の軌道を「きれいだね」と眺めながら、“ばらの花”や“Baby I Love You”などのスロー・チューンを奏でる岸田や佐藤も、とにかく気持ちよさそう。本編ラストで“東京”を披露すると、アンコールでは“お祭りわっしょい”をブチかまして2日間にわたったフェスティバルを盛大に締め括った。フェス仕様の豪華セットは勿論のこと、この場所でしか触れられない極上の空気や風景をも演出のひとつに変えて、唯一無二の祝祭空間を作り上げたくるり。その手腕に改めて感服するとともに、こうして華々しい産声を上げたMETROCKの今後の成長に思いを馳せてしまいたくなるような、至福のフィナーレだった。来年は、どんな名演が繰り広げられるのか。今から楽しみで仕方ない。(齋藤美穂)
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