UVERworld @ Zepp DiverCity

8月24日及び25日のZepp Sapporo2デイズで幕を開けた、全国ライヴ・ハウス・ツアー計12本の4本目。札幌、東京、名古屋、大阪、広島、福岡でそれぞれ2公演ずつが行われ、この東京2日目は序盤からTAKUYA∞(Vo./Prog.)が「昨日以上に狂った夜にしようぜ!」「今までに感じたことのないような、あり得ない、えげつない空間にしようぜ!」と煽り立てていた。こんなふうにUVERworldは、いつでもオーディエンスに挑むようにしながら、驚異的なモチヴェーションの高さを保ち、活動を続けてゆくのだろう。春にアリーナ・ツアーが行われたとはいえ、軽やかにライヴ・ハウス規模のツアーも回ってみせる。思いつきではなくて、それを行うための確かな動機がある。強引なまでにヴォルテージ高いロックでオーディエンスを驚喜させながら、その裏付けとなるものを説明してしっかりと共有させてゆく。なぜUVERworldというバンドが絶大な支持を獲得しているのか、その理由がひしひしと伝わるステージであった。

なにしろツアー序盤ということなので、セット・リストや演出の詳細などには触れずにレポートを進めたいのだが、演奏曲については以下、少々のネタバレがあるのでご注意を。まず、やはり注目すべきなのはこの8/14にリリースされたばかりのニュー・シングル『Fight For Liberty / Wizard CLUB』からの楽曲群だ。パワフルな疾走感の中に彼ららしい多彩な音楽的エッセンスとパンチラインを詰め込み、後悔も自責も抱え込んだまま音楽のエネルギーで開放感へと到達してゆく“Fight For Liberty”はやはり素晴らしい。一方“Wizard CLUB”は、イントロとアウトロで彰(G./Prog.)、克哉(G.)、信人(Ba.)らもパーカッションを打ち鳴らし、アタック感の強いバンド・グルーヴにサックスの旋律も絡んで《遡ることミュージックシーン/4000年の歴史の上半期/その芸術に完成は無いとさ/ならば 書きかけの曲で/さしずめ踊るのも世の習いかい?》といったヴィジョンに人々を巻き込んでゆくナンバー。そして“a LOVELY TONE”は、TAKUYA∞によれば「永遠というものをまだ伝えることが出来なくて、いつか伝えたいという想いが形になった曲かも知れない」という、どこまでも実直なラヴ・ソングで、オーディエンスがゆっくりとクラップを打ち鳴らしながらパフォーマンスに加わるさまも美しかった。ヴァラエティ豊かな3曲が、本編の要所を押さえるように配置される。

TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』のテーマ曲なのに間違いなくUVERworldのロック・ソングでもあるという“Fight For Liberty”には、歌詞のクライマックスに《戦うときはいつだって一人だぞ/でも一人じゃないこともわかるだろ?》というフレーズがある。TAKUYA∞は、このフレーズに繋がるような言葉を幾つも投げ掛けていた。「誰でも彼でも仲良しこよしでいたいなんて思っちゃいねえよ。十代の頃とかは特に、いろんな人を突っぱねて、いろんな人が離れていって。一人でいる時間が長過ぎたのかも知れない。俺はもう、一人でいるのは嫌なんだよ」。また、ある小説を読んで感動し、生まれて初めてファンレターを書いたり、インターネット上で作品についての意見を共有したりしたことについて語りながら「そういうの、いいと思うよ。一人で閉じこもって完結することに、飽きたんだよ」とも告げていた。常に刺激的で幸福なコミュニケーションを求めているからなのだろう、UVERworldはバンド自身が過去のUVERworldを越えようとするし、オーディエンスにもひたすら挑発的に、高いレヴェルのレスポンスを要求する。「俺とお前らで勝負だ。お前らが声を上げれば、それに張り合おうとして自然に俺の声も潰れる。まだピンピンしてんぞ!」「羨ましいんだろう? キラキラしてるだろう? 今日、UVERworld、羨ましいと思ったんだろ? 俺もそっち側で他のバンド観てるときはそう思ってた。金もねえ、夢しかねえ頃から、ニコニコして音楽やってるんだよ!」と彼は語ってみせる。

ライヴ全編がそういうヴォルテージなので、オーディエンスはバンドに食らいつくようにしながら、高らかに歌声を上げ続けていた。真太郎(Dr.)は、「昨日より凄いです。昨日が良くなかったとかじゃなくてね。ほんと素晴らしいです。何がそんなに楽しくて……(笑)このまま行くと、勃起しそうです。男祭り(10/1に予定されている男性限定ライヴ『KING’S SUMMER PARADE 2013』)を待たずに、脱ぐかもしれません」と今回も絶好調の下ネタを飛ばし始める。結局、TAKUYA∞に「お前のMC、10点だ。脱げ」と突っ込まれてその場でタンクトップを脱がされていたが。そして、煽り文句を放った直後に同期サウンドと歌い出しがビシッと決まる“REVERSI”では信人がアップライト・ベースを奏で、緊張感のあるコミュニケーションの先の熱い友愛を歌うナンバー“23ワード”などもプレイされる他、YouTubeにアップされた動画(こちら→http://www.youtube.com/watch?v=P3USTn2LktQ&sns=em)も話題になっているアンダーワールドのカヴァー“Born Slippy”も披露。動画や“Wizard CLUB”と同じく、メンバーのパーカッション乱舞も持ち込まれて最高だ。

会場の凄まじい盛り上がりに満面の笑顔を見せながらなお、TAKUYA∞は「じゃあ今日は、俺の圧勝ってことでいいかな?」と不敵に告げていた。今後も名古屋、大阪、広島、福岡と続くツアーの中で、彼がオーディエンスに打ち負かされる日は来るのだろうか。参加予定の方はどうか全身全霊をもって、UVERworldに挑んで欲しい。(小池宏和)
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