会場に足を踏み入れると、アリーナと客席をびっしりと埋め尽くす人、人、人! 年齢層も、メンバーよりも年上に見受けられる人から子供まで、幅広い。開演時間を過ぎたところでSEが流れ出し、真っ青に染まるステージ。そしてメンバーが登場! 「エブリバディ!」という挨拶から鳴らし出したのは、“Sky is blue”。バックにはでっかいスクリーンが現れ、始まりを告げるような太陽が映し出される。しょっぱなから繰り出される新鮮な演出の数々に、今日は今日しかないスペシャルライヴなんだ、と改めて実感する。
「今日はさいたまスーパーアリーナへようこそ! 今日が元旦みたいなもんだ。一緒に“新しい季節へキミと”!」。ここからは金原千恵子ストリングスが加わり、アリーナならではのゴージャスな演奏を聴かせてくれる。さらには「今日は思ったよりいっぱい人入ってくれて驚いています。ありがとう。何とも豪華にやってきたぜ!」とホーン隊が加わり、“今はここが真ん中さ!”へ。この後は終盤まで、ストリングス隊とホーン隊が入れ替わり立ち替わり現れ、名曲を際立たせるようにバックアップしていった。「たくさん練習してきたんでね、たくさん曲があるんだよ」なんて言いながらも「昔、大宮フリークスっていうライヴハウスがありましてね……」と、曲の前振りでも何でもないMCを始めてしまう宮本。思わず客席からは笑いが零れる。その後も、ストリングスとホーンのビシッと揃った演奏が何とも色っぽかった“ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ”、ストリングスの女性二人をフロントに迎えての“Darling”と、しっかり魅せるところは魅せつつも、“シャララ”では石森にこの曲を22年前にレコーディングしたと聞き、「もうちょっとマシな男になってるかと思ったら、何にも変わんないの。驚きました」と言ってみせる……いやいや、何年経とうと、どんなステージでも、揺るがないからこそ、信頼できるのだと思う。
再びゴージャスなステージ編成となった“男餓鬼道空っ風”では、驚きの展開が。曲中で宮本が「エレファントカシマシと歌おう、のコーナーがやってきました」と、コール&レスポンスを挟みこんだのだ! ♪ヘーイヘイヘイヘーイヘイと、“学園天国”のメロディを全力で返すオーディエンスに、「どういうことだ!? エブリバディ、ありがとう!」と、慣れないことに戸惑いながらも笑顔を見せる宮本。そして、宮本と蔦谷とヒラマが3人で披露した“風に吹かれて”と“傷だらけの夜明け”、また、戻ってきたメンバーとストリングスを従えて花道で歌った“あなたへ”といった楽曲からは、宮本の感謝を感じ取ることができた。「去年の今頃のことを考えると、信じられない」という言葉が、真っ直ぐ過ぎて染み入った。最後は、その場の全ての人のために呼び掛けているように見えた“俺たちの明日”を歌い終えると、投げキスしてステージを降りていった。
セットリスト
第一部
Sky is blue
奴隷天国
悲しみの果て
新しい季節へキミと
今はここが真ん中さ!
彼女は買い物の帰り道
リッスントゥザミュージック
ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ
Darling
シャララ
ココロをノックしてくれ
未来の生命体
デーデ
達者であれよ
今をかきならせ
やさしさ
珍奇男
男餓鬼道空っ風
風に吹かれて(ピアノバージョン)
傷だらけの夜明け
あなたへ
ハナウタ~遠い昔からの物語~
ズレてる方がいい
俺たちの明日
第二部
今宵の月のように
さらば青春
昔の侍
旅
桜の花、舞い上がる道を
笑顔の未来へ
あなたのやさしさをオレは何に例えよう
so many people
生命賛歌
ガストロンジャー
ファイティングマン
アンコール
男は行く
待つ男