MAN WITH A MISSION / pic by Nobuyuki Kobayashi年に一回、全国のCDショップ店員の投票によって決定するCDショップ大賞。この3月6日には、第6回CDショップ大賞2014大賞となるマキシマム ザ ホルモン『予襲復讐』や、KANA-BOONの大賞史上初となる4冠(『僕がCDを出したら』『DOPPEL』がそれぞれ最優秀新人賞とニューブラッド賞を獲得)、さらに部門ごとの受賞作品が発表された(詳細はこちらのニュース記事をご覧ください→
http://ro69.jp/news/detail/98375)。日中のZepp Tokyoではホルモンらを迎えての授賞式が行われ、そして夜には歴代の大賞アーティストなど4組によるスペシャル・ライヴが開催。出演は、THE BAWDIES、MAN WITH A MISSION、キュウソネコカミ、Charisma.comという強力かつ事件性たっぷりの顔ぶれである。そのライヴの模様をレポートしたい。
■Charisma.com
Charisma.com
Charisma.comトップを飾るのはこの女子2人組。第6回CDショップ大賞2014の、全国を9つのブロックに分割してそれぞれに発表されたブロック賞のうち、関東ブロック賞を受賞したのがCharisma.comの『アイ アイ シンドローム』だ。筆者も、彼女たちのデビュー前にその鮮烈なパフォーマンスを目の当たりにし、作品リリースと同時にCDショップに走った一人である。暗転したステージのDJブースに収まるDJゴンチと、ビートに乗って姿を見せるなり威勢良く煽り立てるMCいつか。共にOLとして働きながらデビューしたことも話題となったが、大バコ対応型の強い低音でぶっ放されるエレクトロニック・ビートと、それを乗りこなすキレッキレのラップは、大勢のオーディエンスにもまったく物怖じしない。ゴンチは全身を使って楽しそうにクラップを誘い、バウンスさせてしまう。「あらためまして、ごきげんよう。Charisma.comです」「最後まで、よろしくどうぞー」と、お馴染みの口上に続いて披露された音源未発表の一曲“TrainHELL”は、歪んだシンセ・サウンドから立ち上るトリップ感がヤバい。リリックに至っては中毒性どころか毒しかない、みたいないつかのラップだが、画一的な可愛さ/カッコ良さの価値観を徹底して攻撃するという点で、彼女の言葉はアートの本質そのものを射抜いている。そこからノンストップで“メンヘラブス”へと繋ぎ、ゴンチのスクラッチングも冴え渡っていた。トドメとばかりに繰り出されるファスト・ラップは“HATE”。わずか5曲ではあったが、きっちりとオーディエンスを沸かせる姿はやはりカッコ良かった。
■キュウソネコカミ
キュウソネコカミ
キュウソネコカミ サウンドチェックに登場するなりホルモンのお株を奪う「恋のおまじない」を敢行したり、本番の登場SEに“あまちゃん オープニングテーマ”を用いてメンバー全員で天野アキ流ジャンプをかましたり。第6回CDショップ大賞2014では、『ウィーアーインディーズバンド!!』がKANA-BOONと並ぶニューブラッド賞を見事受賞したキュウソだが、「ようわからんけど呼んでくれてありがとう!」と“サブカル女子”をけたたましく鳴り響かせる。毒っ気ではこちらも負けてはいない。自爆上等のメンタリティを描き出す楽曲の急展開と、それをがっちり支えてしまうバンドの地力に何度も唸らされ、時代の病理を暴く“ファントムヴァイブレーション”は実は至極真っ当なポップ・ソングとして威力を発揮する。「おい今、雑踏の中でまあまあいいぞ、って言った奴おるやろ(ヤマサキ セイヤ・Vo./G.)」「なかなか高評価でよかったね(ヨコタ シンノスケ・Key./Vo.)」とオーディエンスに噛み付くことも忘れないが、ロック・サウンドと切ないディスコ・グルーヴの往復ビンタによる“DQNなりたい。40代で死にたい”では、フロア前線に乗り込んでオーディエンスの頭上でシンガロングを求めるヤマサキであった。限られた持ち時間でありながら、今回も「社会のしがらみ」段ボール箱が持ち込まれ、妬み嫉みや被害妄想混じりでありつつもKANA-BOONやホルモンらの受賞を祝福する。「キュウソはこれからも、強い奴に食らいついてくぜー!!」という姿勢表明も残して、ヤマサキはこの日も「社会のしがらみ」に向けて渾身のダイヴを見舞うのであった。
■THE BAWDIES
THE BAWDIES
THE BAWDIESさて、第2回CDショップ大賞2010に、メジャー・デビュー・アルバム『THIS IS MY STORY』が選出されたという縁でTHE BAWDIESが登場だ。“1-2-3”から“IT’S TOO LATE”というスタート・ダッシュで痛快なロックンロールの時間を切り出してくれる。ひたむきに、ピュアなロックを鳴らし続けることこそTHE BAWDIESの真髄なわけだが、それでもやはり、メジャー・デビュー当時の彼らと今の彼らとではひと味もふた味も違う。4人のアンサンブルは一層筋肉質に引き締まり、ROY(Vo./B.)の喉はスピード感の中でも味わい深いタメを効かせて濁点付きのソウルフルなシャウトをぶっ放してくれる。ロックンロールが鋭利さも痛快さも損なわず、リッチな響きになっているのである。最高だ。「でも我々、いつも言ってることなんですが、No.1になろうとか、天下取ってやろうとか、思っておりません。ロックンロールってこんなに楽しいんだよ、ということをお伝えするために、ロックンロール・バンドをやらせて頂いております」。そうROYは語る。前日3月5日にリリースされたカヴァー・アルバム『GOING BACK HOME』からは、“SHAKE A TAIL FEATHER”をプレイ。オリジナルはThe Five Du-Tonesというヴォーカル・グループによるもので、THE BAWDIES流の味付けを加えながらも、コーラスの広がりをそのまま活かしたアレンジが楽しいダンス・ナンバーだ。その直後に甘酸っぱく、ロマンチックなムードでオーディエンスを包み込む“LEMONADE”を繰り出してしまうのも心憎い。終盤にはまるで『THIS IS MY STORY』を振り返るように“EMOTION POTION”や“YOU GOTTA DANCE”を配置し、去り際のお約束であるTAXMAN(G./Vo.)の「ワッショーイ!」コールは、今回なんとMARCY(Dr)の生声に委ねられる、というレアなおまけまで付いていた。
■MAN WITH A MISSION
MAN WITH A MISSION / pic by Nobuyuki Kobayashiさあ、トリを務めるのは、アルバム『MASH UP THE WORLD』が第5回CDショップ大賞2013を受賞したマンウィズだ。初っ端の“distance”からしてDJサンタモニカがフロアに突入してしまうヴォルテージだったのだが、短い時間でありながらも感動的なライヴだった。まず、3月12日にリリースされる新作『Tales of Purefly』収録の、ライヴ初披露となる新曲“higher”。芯の強いメロディが、まさに触れる者すべてを高みへと運んで鼓舞するような素晴らしい楽曲になっている。トーキョー・タナカ(Vo.)とジャン・ケン・ジョニー(G./Vo./Raps)という、マンウィズが誇る2連砲ヴォーカルの魅力をたっぷりと味わうことが出来るのも重要なポイントだ。そしてパンキッシュなサウンドにこちらも熱いメッセージを迸らせる“your way”を披露すると、ジョニーのMC。読み難くなりそうなので、部分的に通常の仮名表記にします。「去年の受賞は本当に嬉しかったですし、今年も、マキシマム ザ ホルモン、大好きなアーティストが受賞して嬉しいです。最近はダウンロードとか(笑)、時代なのかも知れませんけれども、我々アーティストはものすごい情熱を注ぎ込んで作品を作っておりますので、それを実際に売ってくれるショップの皆さんが推してくれるのは励みになりますし、何よりそれを買ってくれる皆さんがね、一枚、買ってくれるということが、ああ、作って良かった、と思える瞬間です。これからも、CDをよろしくお願いします……ジャア、マダマダ行ケルノカ、人間ノ野郎ドモ!!」。傾れ込む本編クライマックスも“evils fall”、“Emotions”という新作曲で完全燃焼である。更に「ヤキニク」コールに応えてダメ押しの“FLY AGAIN”と、新作に込めた思いの強さ・大きさ、新作ツアーへと向かう意気込みがひしひしと伝わる、見事なステージであった。(小池宏和)
セットリスト
■Charisma.com
1 GEORGE
2 歪LOVE
3 TrainHELL
4 メンヘラブス
5 HATE
■キュウソネコカミ
1 サブカル女子
2 ウィーアーインディーズバンド
3 良いDJ
4 ファントムヴァイブレーション
4 DQNなりたい。40代で死にたい
6 困った
■THE BAWDIES
1 1-2-3
2 IT’S TOO LATE
3 SHAKE A TAIL FEATHER
4 LEMONADE
5 EMOTION POTION
6 HOT DOG
7 YOU GOTTA DANCE
■MAN WITH A MISSION
1 distance
2 database
3 higher
4 Get Off of My Way
5 your way
6 evils fall
7 Emotions
EN FLY AGAIN