ザ・ローリング・ストーンズの長年のマネージャー、ローウェンスタインが他界

ザ・ローリング・ストーンズの長年のマネージャー、ローウェンスタインが他界

ザ・ローリング・ストーンズのマネージャーを長く務めたプリンス・ルパート・ローウェンスタインが80歳で他界した。長い闘病を経て5月20日に息を引き取ったとビルボード誌が伝えている。

ローウェンスタインは2007年にストーンズのマネージャーを辞するまで40年近くバンドのマネジメントと財務面を切り回してきたが、13年に出版した自身の回想記では「ストーンズの音楽、もしくはロックンロール一般について好きだったことはなかった」と振り返っているという。

ローウェンスタインはドイツの傑出した貴族の一門であるヴィッテルスバッハ家の流れを汲むレーヴェンシュタイン=ヴェルトハイム=フロイデンベルク候の嫡流で、1933年にスペインのマジョルカ島で出生。教育はイギリスで受け、オックスフォード大学を出た後、ロンドンのシティで為替ディーラーとして活躍し、68年にミック・ジャガーと出会ったという。この時期、バンドは65年からマネジメントを託していたアレン・クラインにデッカ・レコードで制作した全ストーンズ作品の著作権を乗っ取られていた経緯があり、ミックはクラインに深い疑念を抱いていたといわれている。

「ロック最強の儲け屋」とも謳われたローウェンスタインは、ストーンズをロック史上でも最も成功したバンドの一つへと導いたが、大物興行業者マイケル・コールとストーンズを引き合わせたことでも知られていて、コールはストーンズの1989年のスティール・ホイールズ・ツアーから05年のア・ビガー・バン・ツアーまでの大掛かりなストーンズのツアーを手がけることになった。

また、1970年代、税の支払いのため破産に追い込まれそうになったストーンズにイギリスをいったん捨てることをバンドに進言したのもローウェンスタインで、バンドはロック史上初の税金逃れの亡命バンドとなった。72年の『Exiles on Main St.』の「Exiles」とは本来、そんな自分たちを言い表した自虐タイトルだった。
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