【コラム】衝撃の年内解散宣言――己の道を突き進んできたFACT、その足跡を思う

【コラム】衝撃の年内解散宣言――己の道を突き進んできたFACT、その足跡を思う

今年のゴールデンウイーク直前。目を疑うニュースが飛び込んできた。「FACTは、年内で解散する事になりました。」――嘘だろ⁉ 3月にアルバム『KTHEAT』をリリースしたばかりじゃないか!……しかし、冷静になって考えてみると、『KTHEAT』は、総決算のようなアルバムだった。約9年ぶりのセルフプロデュースで生み出されたのは、すぐにライヴが思い浮かべられるハードコアサウンド。いつも彼らの新譜で感じる驚きよりは、こんなFACTが聴きたかったという喜びの方が大きかった。でも、ここから再び始まると思っていたのになあ……だって、彼らは常に前進を続け、常に変わり続けてきたから、終わるなんて想像できるはずもなかった。

FACTが結成されたのは1999年。ラウドロックがこんなにもオーバーグラウンドに駆け上がることになろうとは、想像もつかなかった頃だ。メロディックパンクや青春パンク、エモなど、キッズが盛り上がる主流は移り変わる中で、彼らはひたすらに己の道を突き進んでいる印象だった。転機は結成10周年となった2009年。アルバム『FACT』で、海外デビューと国内メジャーデビューを果たしたのだ。アンダーグラウンドで確固たる地位を築いていた彼らが、大舞台に打って出たことは衝撃的だったし、ヴィジュアルも能面を被るようになってある意味キャッチーで、それもまた衝撃的だった。そして彼らの実力は、あれよあれよという間にキッズに、そして世界に広まっていく。

ラウドロックを鳴らすバンドも続々と現れ、隆盛を極めたフェスカルチャーでも大きな存在感を発揮するようになった。その流れを作り上げた重要バンドのひとつでありながら、彼ら自身はそんな立ち位置に安住することなく、音楽的な挑戦を続け、エレクトロサイドを発揮した別名義co3で活動したり、イギリス人のAdamをヴォーカル&ギターとして迎えトリプルギター体制が復活したりと、やっぱり己の道を突き進んできた。

そんな中での、解散宣言。
正直言って、彼らは様々なラウドロックのバンドの中で、歴史も、実力も、志もずば抜けているように見えて、異端であり、憧れだった。そんな彼らがいなくなってしまうことは、ひとつの時代の終焉と思わざるを得ない。不安になるほど切ないけれど、彼らのことだから、この決断も正しいのだろう。この夏はROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015をはじめとしたフェスにも出演、秋からは初めての(!)ワンマンツアーや主催イベント「ROCK-O-RAMA」も控えている。とは言え、あっという間に期限である年末になってしまいそうだけれど……それまでは、名曲“a fact of life”の歌詞を噛み締めながら、心の準備をしたい。(高橋美穂)

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