ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーがプロデュースを手がけたソウル・ウィリアムズのニュー・アルバム『The　Inevitable Rise And Liberation Of Niggy Tardust』を無料でダウンロード・リリースすることを、ナイン・インチ・ネイルズの公式サイト（10月25日付）で発表した。ダウンロードは11月１日からスタートする。

ソウル・ウィリアムズは、詩人、俳優、牧師、と多数の顔を持つ才能溢れるNY出身のアーティスト。ミュージシャンとしても活躍しており、2001年にアルバム『アメシスト・ロック・スター』でデビュー、2004年にはセルフ・タイトルの２ndアルバムを発表するなどしているが、ポエトリー・リーディング的なスタイルのMCが特徴的。ミュージシャンのファンも多く、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのザック・デ・ラ・ロッチャやシステム・オブ・ア・ダウンのサージ・タンキアン、ザ・フージーズ、ブラッカリシャスなど様々なジャンルのアーティストとの共演も果たしている。

トレントはかつてマリリン・マンソンの1996年のヒット・アルバム『アンチクライスト・スーパースター』をプロデュースしているが、この新作はトレントいわく「ナイン・インチ・ネイルズ以外で『アンチクライスト・スーパースター』以来、最も没頭したプロジェクト」なのだという。

ここ１ヶ月近く、レディオヘッドの新作のリリース方式について、音楽メディアのみならず、経済／IT系のメディアでも話題を呼んでいるが、このトレントとソウル・ウィリアムズによるこのアルバムもユニークなリリース方法をとる。

このアルバムのリリースは、レディオヘッドの新作と同様、特設の公式サイトから直接ユーザーに届けられる。特設サイトは、www.niggytardust.comで、すでに予約の受付が開始している。

なお、この『The Inevitable Rise And Liberation Of Niggy Tardust』は値段の設定もユニークで、２タイプの料金設定がなされている。「作品に対しアーティストをダイレクトにサポートしたい」人向けの５ドル（約570円）という料金設定が一つ。もう一つは「そんなことどうでもいい、ただ音楽が聴きたいだけ」人向けの０ドル（0円）。どちらかユーザーが好きな方を選ぶことができる。

トレントは、自身の記述で、レディオヘッドの新作リリースとの類似点を認めている。そして考え抜いたすえ「消費者にさらなるメリットがあるようにした」のだという。加えて、「レディオヘッドとの大きな違いのひとつは、レディオヘッドは（すでに）有名だが、ソウル（・ウィリアムス）はそうじゃない。それは君らのサポートがより重要だということを意味している。聴いたものが気に入ったら、是非噂を広めて欲しい」とコメントしている。