『★』のベーシスト、ティム・ルフェーヴル、デヴィッド・ボウイを偲ぶ。「新作制作中の彼は力に満ちていた」

『★』のベーシスト、ティム・ルフェーヴル、デヴィッド・ボウイを偲ぶ。「新作制作中の彼は力に満ちていた」 - デヴィッド・ボウイ『★』(ブラックスター)デヴィッド・ボウイ『★』(ブラックスター)

28作目となる新作スタジオ・アルバム『★』(ブラックスター)のリリース直後、1月10日に急逝したデヴィッド・ボウイ。同作にベースで参加したティム・ルフェーヴルは、ローリング・ストーン誌のインタヴューで次のようにデヴィッドを偲んでいる。

「今となっては『★』がどういうアルバムなのかよくわかるよね。ぼくはデヴィッドが病気なのはわかってたけど、これほどまでとは思ってなかったんだ。弱っていることは本人から知らされてたんだ。でも、ぼくたちは気づいてなかったよ。いったん歌えば、演奏すれば、力に満ちていたし、表現にパンチがあったからね。だから、ショックを受けてるんだ」

「デヴィッドはもう死ぬんだとわかっていながらこのアルバムを作って、最後までそのことを明らかにしなかった。この作品はデヴィッドの遺言であって、デヴィッドの遺産の最後を標すもので、ぼくたち全員への贈り物なんだ。このあまりにも巨大なアーティストのこのやさしさがわかる? ぼくたちはしばしば自分のことばかりを憐れんだりするものなのに、その間、デヴィッドは仕事に精を出し、自分のすべてを注ぎこんで微笑んでいたんだよ、自分が病に冒されていたにもかかわらずね。

『★』の全曲を聴いて今気づいたのは、"ダラー・デイズ"が自分の死を告げるものだったということなんだ。この曲のとてつもない悲しさについてはレコーディングの時から感じていたんだ。デヴィッドの声と歌詞は、『ぼくは倒れていく』『死ぬほどこうしたい』などと、涙に溢れ、希望に満ちて、痛みと孤独にもまみれていたんだ。それと同時に、生き残ることへの最後の試みでもあり、生き続けられないであろうことを受け入れていくことでもあったんだ」

「まるでデヴィッドが自分の宇宙船にぼくたちを乗せて、大気圏から地球を見せてもらったようなものなんだよ。そうやって『英雄夢語り(ヒーローズ)』ではベルリンの壁について語り、"★"(ブラックスター)もそうなんだ。重層的で政治的な曲で、今もぼくはまだその意味について探っているところなんだけど。デヴィッドからは、そのとてつもない想像力と驚異的な語り口でもって、あまりにも多くのことを学んだよ。この目で自分自身を変えていく姿も見たからね、女性になりきったかと思うと、突拍子のない頭のおかしなキャラクターに豹変したりするんだよ」
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