【コラム:菅田将暉】なぜ私たちは彼が気になって仕方ないのか?真の入門テキストでその魅力を完全解説

【コラム:菅田将暉】なぜ私たちは彼が気になって仕方ないのか?真の入門テキストでその魅力を完全解説

映画、ドラマ、バラエティ、CM――テレビを付ければ彼の姿を見ない日はない、そんな今をときめく超絶人気俳優・菅田将暉。実力派と絶賛される俳優業や端正なルックスを活かしたモデル業のみならず、最近では4人組ボーカルグループ「グリーンボーイズ」のリードボーカリストとしてCDデビューまで果たした菅田。そんな彼について知っておいて損することはない! いや、むしろ知っておくなら今しかない!
もはや知っていて当たり前。今さら人には聞けない菅田将暉の魅力と軌跡を、以下項目ごとに辿っていく。

①菅田将暉とは?菅田将暉(すだ まさき)は、大阪府出身の1993年(平成5年)2月21日生まれで、現在24歳。高校1年生の時に応募した、雑誌『JUNON』主催の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」にてファイナリスト12人に選出される。グランプリにはならずとも、このコンテストがきっかけで芸能事務所である「TOP COAT」に所属。そして2009年に仮面ライダーの主演オーディションに偶発的に応募し、2,000人の応募者から見事『仮面ライダーW』の歴代最年少主演の座を勝ち取る。さらに2013年には初の主演映画『共喰い』で、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その抜群の演技力と親しみある人間性も相まって、現在大ブレイク中の超注目俳優だ。

②キャラクターを選ばない演技の振り幅が凄い!(1)『共喰い』『ディストラクション・ベイビーズ』での怪演に息を呑む
性行為中に女性に暴力を振るう父親から受け継いだ血筋を憎む少年・遠馬の沸き上がる欲望との葛藤を演じた菅田はこの『共喰い』で自身初の賞を獲る訳だが、作中の彼の眼力に終始圧倒される。母親を労わる時の少年らしい無垢な目から、父親の愚行をきっかけに殺意を宿した目への豹変っぷりは、まさに「目は口ほどに物を言う」という言葉に尽きる。

映画『共喰い』

さらに『ディストラクション・ベイビーズ』では、一見普通の高校生だが内なる闇を抱え、暴力に魅せられ女性に容赦なく殴り掛かるという狂気的な役柄を演じた。この作品から強烈に感じるのは、菅田は人間の感情の陰陽が切り替わる瞬間の演技が抜群に上手いということだ。

『ディストラクション・ベイビーズ』本予告

(2)『海月姫』での麗しい女装姿に思わずうっとり
そんな二面性の演技力が冴える菅田は、映画『海月姫』では「男女」の二面性にも挑戦することとなったのだが、これが女性顔負けの美しさ! 女装が趣味の政治家の息子・蔵之介を演じ、女性服を着るために2ヶ月に渡り10キロ以上のダイエットをしたという菅田のストイックさの賜物ともいうべきクオリティで、原作マンガのファンをも黙らせる再現率で演じてみせた。原作の再現率でいえば、映画『溺れるナイフ』で演じたミステリアスなキャラクター・コウちゃんこと長谷川航一朗に関しては、放映前のビジュアル発表の段階で百点満点だった。菅田自身が醸す人を惑わすような儚げな雰囲気は、女性が恋い焦がれる少女漫画の主人公にマッチするのだろう。

映画『海月姫』予告篇

(3)総理大臣に、カブトムシ!? 「普通じゃない男の子」の演技が素晴らしい!
そんな癖のある役どころを見事に演じきる菅田だが、NHK・Eテレで放映されていた5分間番組『オレアレ』では、なんと動物になりきるという未踏の領域へ踏み込む! 放映当時に私が実際に観たのはカブトムシになりきる回のみなのだが、シュールでありつつ色気もあり……といった魅惑の雰囲気で、「菅田将暉って本当に何にでもなれるんだな……」と画面の前で感服したことを覚えている。さらに人気ドラマ『民王』では、総理大臣の父親と心が入れ替わるおバカ大学生・翔を演じ、普段の菅田の役どころではあまり見ない怒声を放つ強気な姿も好評だったそう。

(4)『セトウツミ』で演じた「普通の男の子」が普通過ぎて凄い!
これまで彼が演じた奇抜な役柄を紹介してきたが、菅田の演じる「どこにでもいそうな普通の人の役」のクオリティもこれまた凄い。映画『セトウツミ』では、部活を辞めて時間を持て余した大阪の高校生・瀬戸を演じ、同級生の秀才・内海(池松壮亮)と放課後に交わす川辺でのやりとりがただひたすら続くのだが、これが物凄く良い。というより、「分かる! こういう人絶対いる!」という雰囲気を全く違和感なく演じるのだ。言ってしまえば、普通という突起した特徴もない役柄を「演じる」という意識を持った時点で「普通」とは遠ざかるように思えるが、彼はそこの違和感を全く抱かせない。むしろ、そのルックスの良さすら置き去りにする青臭さとナチュラルさで観客のリアルに溶け込むその才能こそ、彼が万人から愛される大きな理由なのではないだろうか。

映画『セトウツミ』予告

③いつからこんなに人気に? ブレイクのきっかけは?そうして数多くの映画やドラマに出演してきた菅田だが、ここまで日本の老若男女に知られるきっかけは一体何だったのか? そのターニングポイントとなったのは、間違いなくauのCMで演じた「鬼ちゃん」だろう。私自身、鬼ちゃんが登場する前から「俳優・菅田将暉」の存在は知っていたが、流行りに疎い親世代やそれ以上の年代の人に「あの映画のあの人だよ!」と説明してもピンと来ていなかった。しかしCMの放送により「ああ、鬼ちゃんね!」と一発理解する程になっていたし、そこからは世代の壁をものともせず人気を掴んでいった。これまで演じてきた役柄によって「奇抜で、本心を掴めない」というイメージが強かった菅田に「かわいい」というワードが加わったのは愛嬌満点の鬼ちゃんのキャラクターはもちろんだが、そこから滲む菅田自身の人懐っこさが大きく影響しているのではないかと思う。

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④そもそも菅田将暉って人としてこんなに魅力的(1)超家族思い! 弟との仲の良さから垣間見えるお兄ちゃんらしさ!
あらゆるバラエティ番組に登場してはほぼ毎回のように話されるのは、現在一緒に住んでいるという弟との話。3人兄弟の長男である菅田は、弟曰く「優しくてしっかり者」の立派なお兄ちゃんだそう。しかしそれ以上に「どこに出しても恥ずかしくない自慢の弟です!」と自分のこと以上に家族の話を楽しそうにする姿や、友人や仲間の良いところを嬉しそうに話すその姿からは、自分よりも相手を立てる気遣いが嫌らしさなく染みついているという長男らしい視野の広さが窺える。

(2)高校時代に下した人生の決断から分かる意志の強さ
多くのスカウトは受けていたが元々俳優になるつもりはなく、親友と共に教師を目指すべく大阪の進学校で勉学に勤しみながらもアメフト部で活躍していたという菅田は、その長身細身なスタイルと端正なルックスから「王子」と囁かれ、うたた寝をする菅田の寝顔を撮影するために廊下一体に女子が張り付いていたとの伝説があるそう。そんな学生生活の最中に俳優の道を歩むことを決め、高校を中退し「この先あれ以上泣くことはない」と振り返るほどの大号泣の末に部活を辞めて上京したというエピソードからは、一度やると決めたら中途半端なことはしないという決断力と真面目さが垣間見える。

⑤俳優、モデル、時々歌手――菅田将暉は才能の宝庫だった!俳優や雑誌の表紙を飾るモデルという「外側に宿る才能」のみならず、菅田の「内側に宿る才能」も計り知れない。服をこよなく愛するお洒落さで、ゲスト出演した関西テレビ『さんまのまんま』では明石家さんまに手作りのスタジャンをプレゼントするという本気っぷり! さらにピアノを習っていた経歴もあり、ギターの腕前も抜群。さだまさし役として初の主演を果たした連続テレビドラマNHK総合『ちゃんぽん食べたか』では、さだまさし本人からお墨付きを貰える程の実力を見せた。

そして音楽的才能と併せてその歌唱力を世に知らしめたのは、映画『キセキ ―あの日のソビト―』。歯科大学生としての身分保持のために顔を隠しながらも、その抜群の楽曲性で大ブレイクした4人組ボーカルグループ・GReeeeNの自伝的作品で、松坂桃李と共に弟・ヒデ役で主演を務めた菅田は、劇中に登場するボーカルグループ「グリーンボーイズ」のひとりとしてシングル『声』でCDデビュー。飾らないその役柄とシンクロするような真っ直ぐで親しみやすい持ち前の歌声が心地好く、大きな話題になった。また、テレビ番組内で忘れらんねえよが好きだと公言したり、初のラジオパーソナリティを務めたニッポン放送『オールナイトニッポンGOLD』でフジファブリックやandymoriの楽曲を流したりと、私生活でもバンドサウンドを聴いている菅田。そんな彼が遂に「歌手」として新たな境地を開拓した訳だが、今作をきっかけに音楽シーンにどのような波を立てるか期待したい。

映画『キセキ ―あの日のソビト―』予告編

⑥話題作が渋滞状態! 今後の活躍にも目が離せない!2017年も引き続き、映画『銀魂』『帝一の國』、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』、さらにアニメーション映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』では声優に初挑戦するなど邁進していく菅田。着実かつ超速で活躍の場を広げていく彼からますます目が離せない!(峯岸利恵)
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