本編の終盤に山中がそう語って、自分の中の疑問が一気に氷解した。「UNOFFICAL DINING TOUR」ファイナル、オーラル初の日本武道館ワンマン。めちゃめちゃ凄いライブだった。最初から最後まで、その「凄さ」の理由を教えてくれ、と思いながら観ていたのである。
大スケールの演出にもかなり力が入っていたのだけれど、それがまったく過剰に見えない。それぐらい、4人のパフォーマンスは豪快で、妖しく、艶かしく、鮮やかで美しい。熱いメッセージもガンガン届けられる。ライブが始まってすぐに、初の武道館公演ということを忘れさせてしまうほどだった。
でも、勢いだけで押し切るわけではないし、自信に満ち溢れながらも細部に至るまで4人の思いが行き届いたパフォーマンスになっている。武道館は通過点にしか過ぎないとしながら、しかし彼らはパーフェクトを目指していた。
その理由が、冒頭で触れた山中の言葉で分かった。他でもなく、武道館公演を楽しみにして集結したファンのために、オーラルはパーフェクトを目指したのである。そんな「初の武道館」があるだろうか。後日公開のライブレポートに、詳しく書きます。（小池宏和）
