1965年の大英帝国勲章叙勲の際、ザ・ビートルズのメンバーがバッキンガム宮殿まで乗って行ったことで有名なジョン・レノンのロールス・ロイス。
サイケデリックなペイントが施され、内装も大幅にカスタマイズされたこのロールス・ロイスは1964年にジョン・レノンが購入してから紆余曲折を経て、現在はカナダの起業家であるジミー・パティソンに所有権が渡っている。
ジョン・レノンはこのロールス・ロイスを、1970年代前半に拠点を移したアメリカにも持って行き使い続けていたという。
その間にはボブ・ディランやザ・ローリング・ストーンズなどに貸していたこともあるというが、税金の問題などがあり、最終的にはニューヨークのクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館に寄贈していた。
しかしこの度、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の発売から50周年を機にこのロールス・ロイスがイギリスへ返還され、「ロールス・ロイス・ファントム」シリーズの新型、「ファントムⅧ」の発表会「The Great Eight Phantoms」で展示されるという。
自動車シリーズとして世界で最も長い歴史を持つロールス・ロイスだが、広報担当者は「ジョン・レノンのファントムⅤの美しさはそのカスタムメイドによって決定づけられています。ここまでアイコニックなロールス・ロイスは他にありません。(中略)それがカスタムメイドの醍醐味なんです。あなたがどう思うかでもなく、私がどう思うかでもなく、ジョン・レノンが何を求めたか、それがすべてなんです。彼が求めたものは、すべてこのロールス・ロイスに表れています。そしてそれが、ロールス・ロイスという車が持つ美の所以でもあるのです」と話しているという。
ちなみに、今ではよく見かける車の窓に貼るスモークフィルムだが、これを最初に始めたのはジョン・レノンで、このロールス・ロイスに貼ったのが最初なのだとか。
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