ボブ・ディランの名曲に登場する実在の殺人犯が死去

ボブ・ディランの“The Lonesome Death Of Hattie Carroll”に登場する実在の殺人犯が死亡したことが明らかになった。

ビリー・ザントジンガーというその男は、メリーランド州の裕福な煙草農家に育ち、1963年2月に殺人(殺意あり)の容疑(その後、故殺【殺意なし、衝動的】と暴行に減刑)で起訴された。

当時24歳だったビリーは事件当日、ハティ・キャロルという当時51歳だった黒人のウェイトレスを、飲み物が来るのが遅いという理由で杖で暴行を加えたという。彼女は、のちその損傷によって死亡した。

裁判所では、ビリーは酔っていてハティに暴行を加えたことすら覚えていないと言い張り、6ヶ月の収監で免れたという。

この事件に憤慨したディランは、1963年10月に、ニューヨークにある24時間営業のコーヒーショップにて“The Lonesome Death Of Hattie Carroll”を書き上げた。裁判沙汰を避けるため、歌詞中に登場するビリーの名前を“ウィリアム・ザンジンガー”と微妙に変えている。

この曲は、ボブ・ディランの作品の中でも名曲中の名曲とされており、今でも積極的にライブなどで披露されているが、ディランのバイオグアファーのハワード・ソウンスにビリーが2001年に語ったところによると、この曲は「俺の人生に何の影響も及ぼしていない」とのこと。

また、同じインタビューでビリーは、この曲は「まったくの嘘だ」と言い、ボブ・ディランに対する怒りの言葉や、「訴えて刑務所送りにすればよかった」などと語っている。

The Timesによると、ザントジンガーは1月3日、69歳で死去。

(c) NME.COM / IPC Media 2008/ 2009
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