日本時間10日深夜にビヨンセとのフィーチャリング曲“Walk On Water”を配信リリースしたエミネムだが、同楽曲でははたして何が歌われているのだろうか?
Eminem - Walk On Water
この曲のタイトルとなっている“Walk On Water”とは、『マタイによる福音書』の一節だ。イエスが「水の上を歩く(“Walk On Water”)」、つまり「奇跡を可能にする」と言った言い回しで使われている。
しかしエミネムによる“Walk On Water”では、「ただの人間である」自身がキッズからラップの「神」と呼ばれ続ける違和感が歌われている。ビヨンセのコーラス部分には「(オーディエンスを)失望させるのが怖くて仕方ない」という歌詞まである。エミネムがデビューして25年、こういった形で自身の弱みを吐露するトラックはこれまでにあっただろうか。
“Walk On Water”は、世間の期待に違わず大ヒットを記録した『ザ・マーシャル・マザーズLP 2』から4年を経たエミネムの、新たな始まりが伺える内容となっていると言える。
本記事ではエミネムの「戻ったぜ!」との一言と共にリリースされた“Walk On Water”で歌われる内容を、歌詞の一部邦訳と共に紹介する。
ビヨンセをフィーチャーしていることでも話題の同楽曲だが、エミネムのヴァースの途中に挟まれるビヨンセのコーラス部分では本楽曲のテーマである、「自分がオーディエンスと同じ人間であること」が以下のように歌われる。
私は奇跡を起こせる/でも神様ってわけじゃない
私は水の上を歩ける/でもそれは水が凍っている時だけ
また3パートに分かれたヴァースの中では、以下のような内容を歌っている部分もある。私はただの人間 あなたと同じ/間違いも犯すの 知らなかった?
私に対する今の考えは捨てるべきかも
だって 失望させるのが怖くて仕方ないから
私が水の上を歩いたら 溺れてしまう
神が俺に与えたもうたこの状況
俺にとってはなんにも変わらないんだ
キッズは俺のことを神だと言うがアホらしい
分かっててくれりゃいいなと思うんだけど
そんなのただの見せかけ 刹那的なもんさ
趣味の悪い話は耳に入れないようにしてる
だがビッチどもが俺の自信を剥ぎ取ろうとしてんだったら
成功だぜ おめでとう
俺は神童なんかじゃないんだ
ナズやラキム、それから2パック、ノトーリアスB.I.G.、LL・クール・Jはそうさ
俺はプリンスじゃないからな……
そして最後のアウトロで、エミネムは飄々と以下のように言ってのけるのだ。
俺はただの男なんだ
だが俺がマイクを持ってる限りは 神みたいなもんさ
だから俺とお前は別物なんだよ
バカ野郎め 俺は“Stan”を書いた人間なんだぜ
「MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード」にて“Walk On Water”のパフォーマンスを初めて披露したエミネムの映像は以下の記事より。