1stアルバム『ミカヅキの航海』を携えた全国ツアーを終えたあと、自身初のホールワンマンライブ「夜明けのパラレル実験室2017 ~それぞれの空白編『 』~」を DOME CITY HALLにて大成功させたさユり。現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』2月号では、そのライブの真相に迫るレポートと、独占インタビューを掲載。「空白」を基にして、彼女が伝えたかったこととは何か? そのすべてに迫る必読のテキストとなっている。
文=高橋智樹 撮影=北村勇祐
「空白」ってきっと埋まらないものだって思ってるんですけど。でも「0じゃなくて空白」って認識した時に「」(かぎかっこ)が生まれるじゃないですか。「」って、吹き出しじゃないですか。その人の言葉っていうか。何を言おう、何かしようとする空間が、「空白」って言うことによって生まれるんですよね
夏のツアーの時は、「船」だと思っていて。自分が船に乗って集めてきたものを、待ってるみんなに届けなきゃ、なんとかして陸に辿り着かなきゃ、みたいな闘いの歌を歌ってたと思うんですけど。今回の「パラレル実験室」は「陸」だったんですよね。陸だったから、「ここから広げていく」っていう感覚がありました
それぞれの「空白」は、そのひとりひとりにしか大事にしようがないんですよ、外からは触れられないから。ひとりひとりが自分の中にあるものを大事にして向き合った時に、何かすごいものが生まれるんだなと思うから