BUMP OF CHICKENが新曲“望遠のマーチ”で歌う「PATHFINDER」の探求の先の物語とは?

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  • BUMP OF CHICKENが新曲“望遠のマーチ”で歌う「PATHFINDER」の探求の先の物語とは? - 『望遠のマーチ』

    『望遠のマーチ』

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BUMP OF CHICKENの新曲“望遠のマーチ”が、本日配信リリースされた。この曲はガンホーのスマートフォン向け新作ゲーム『妖怪ウォッチ ワールド』のCMソングとして起用されているもので、昨年の“リボン”や“記念撮影”もそうであったように、BUMPにとって配信リリースは、音楽シーンのみならず広く世間に話題を提供するような作品が多い。今回の“望遠のマーチ”は、まずイントロのディレイを効かせた奥行きの深い透明感のあるギターサウンドに耳を奪われる。ある意味、BUMPらしい王道のロックサウンドとも言うべき音像、そして疾走感のあるポップなメロディと藤原基央(Vo・G)の確信に満ちた歌声に、現在のBUMPの強さを感じ取る。タイアップ曲という意味を超えて、彼らが今、鳴らすべき音、伝えるべき言葉がここに詰まっているように感じられるからだ。


昨年9月から今年3月にかけて行われたツアー「PATHFINDER」は、彼らが初めてアルバムリリースのタイミングとは関係なく全国をまわるアリーナツアーだった。それゆえに、セットリストはオールタイムの楽曲の中からメンバー自身が「やりたい」と思う曲をピックアップした。その結果、BUMP OF CHICKENが歩んできた20年の中で、純粋に彼らがリスナーに何を伝えようとしていたかが浮き彫りになるような、とても感動的なツアーとなった。初期の曲にも最新の曲にも、そこに滲んでいたのはいつだって、悲しみや、やり切れなさの先にあるはずの希望であり、ツアータイトルの「PATHFINDER」、つまりは「探求者」とは、希望へと続く道を探し求める彼ら自身のことであったと、今改めて振り返ることができる。

そんな、BUMPそのものの本質を描き出したようなツアーの終了後に、この“望遠のマーチ”はできあがったという。そう考えると、やはりこの曲は「PATHFINDER」があってこそ生まれた楽曲であると思うし、どこか原点回帰的でありながら、明らかに最新のBUMPのロックサウンドを感じさせる楽曲でもある。“望遠のマーチ”というタイトルや歌詞の内容は、初期曲“天体観測”への、17年ごしの回答と受け取れるような気もする──というのは私の考えすぎだろうか。かつて、望遠鏡を覗きこみながら《暗闇を照らす様な 微かな光 探したよ》と歌った青年は、“望遠のマーチ”では少し誇らしげに《いこうよ いこうよ/嵐の中も その羽根で飛んできたんだ/いこう いこうよ》と歌う。自分たちが進んできた道のりを、希望も絶望もすべて引っくるめて肯定する強さを、BUMP OF CHICKENが手にしたことを物語るようだ。

他にもリリースこそまだされていないが、「PATHFINDER」ツアー中に藤原が書き上げた“シリウス”と“Spica”も、現在、TVアニメ『重神機パンドーラ』のオープニングとエンディングの主題歌として、すでに聴くことができる。ツアー中に楽曲制作をすることは以前はなかったことだと、現在発売中の『ROCKIN’ON JAPAN』8月号のインタビューで藤原は語っていたが、積極的な曲作りモードになっていたのも、「PATHFINDER」で音楽に対して日々充実した手応えを感じていたからこそだろう。まずはこの“望遠のマーチ”を聴いて、現在のBUMP OF CHICKENの強さを感じてみてほしい。(杉浦美恵)
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