今年2月にリリースしたニュー・アルバム『サインズ』を引っ張げ行った来日公演も大盛況だったテデスキ・トラックス・バンド。
『ロッキング・オン』8月号では、来日公演時にメンバーにしてバンドの核となるデレク・トラックスに行ったインタビューを掲載している。
インタビューでは、アルバムのリリース日に他界した、キーボードやフルートなどを担当したバンド・メンバー、コフィ・バーブリッジについて触れられている。彼との思い出を、デレクは以下のように語った。
コフィと俺は22年間、ずっと一緒にやってきた仲だったから。オールマン・ブラザーズ・バンドやエリック(・クラプトン)、あるいはほかのアーティストと共演した時以外は、コフィは必ず俺とステージにいたんだから、やっぱりそのことが、バンドのみんなにも直接響いてくるんだよ。
だから、このアルバムがこういうテーマで制作されて、リリースされた日にコフィが息を引き取ったっていうのは、あまりにも不思議な巡りあわせだよね(笑)。笑いごとじゃないけど、ちょっと信じられないような出来事だったから。だから、俺たちにとっては、これまでのアルバムとはちょっと違う作品なんだ。
また、コフィへの想いのほか、同アルバムにはデレクが在籍したオールマン・ブラザーズ・バンドのグレッグ・オールマンや、デレクの叔父、ブッチ・トラックスなどが亡くなったことも影響しているという。
アルバムを作ってた時はまさにそのことを考えてたから。そういう人たちとは一緒に演奏もしてきたし、ずっと続いてる絆みたいなものがあったから。
なんか、B.B.キングが亡くなった時と感じが似てたんだよ。たまたま耳に入った音楽がどれだけひどいもんだったとしても、とりあえずB.B.キングがまだ生きてるんだから、それでよしとしなきゃって思えてたっていう(笑)。
(中略)B.B.キングとは個人的にも付き合いができて、友達と呼べる間柄になったんだけど、ブルースとブッチとグレッグとなると、家族に限りなく近い存在だったからね。こういう人たちは、自分がレコードを作ったり、どこかで演奏した時、どう思ってくれるかなって気にする人たちだから。なにかを言ってくれる人たちがもういなくなってしまったわけで、より自分の直感だけを信じるしかなくなるんだよね。
インタビューではこの他、現在のアメリカやヨーロッパなど世界を取り巻く政治や環境問題がいかにアルバムに影響をもたらしたかなどについても答えている。
亡き友への想い、そしてミュージシャンとしての使命が溢れ出たデレク・トラックスの心揺さぶられるインタビューの全容は、撮りおろしの写真と共に、ぜひ『ロッキング・オン』8月号にて確認してもらいたい。
テデスキ・トラックス・バンドの関連記事は現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。