プリンスを演奏するクラプトン

V.A.『クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2019』
発売中
ALBUM
  • V.A. クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2019
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エリック・クラプトンは、1998年にアルコール・薬物依存症患者の治療施設「クロスロード・センター」をカリブ海のアンティグア島に設立。同センターのためのチャリティ・コンサートが昨年、6年ぶりに開催された。『クロスロード・ギター・フェスティヴァル2019』はその記録であり、CDと映像版が発売されている。

テデスキ・トラックス・バンド、ボニー・レイット、トム・ミッシュ、バディ・ガイシェリル・クロウ、カート・ローゼンウィンケル、ジェフ・ベックなどなど。クラプトン中心の催しであるだけにブルースを主体にしてジャズ、カントリー、ソウルをベースにしたミュージシャンが集まっている。ギター・フェスと銘打つ通り、ギタリストが主役でもある。どちらかといえば、お祭り的なにぎやかさよりも、演奏と歌をじっくり聴かせる大人のイベントだ。

選曲として面白いのは、ドイル・ブラムホールIIの“アイ・ウォナ・ビー・ユア・ドッグ”。パンクの源流ともいえるストゥージズの曲を荒々しく披露している。また、近年イーグルスの一員としてツアーに参加しているヴィンス・ギルが、バンドから離れリラックスした姿をみせているのも印象的だ。

そして、クラプトンである。ピーター・フランプトンとともにカバーしたビートルズ“ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス”、ジョン・メイヤーと共演した“いとしのレイラ”、アンコールの最後でジャムを展開した“ハウ・タイム・ウィ・ウェント”など見せ場は多い。注目は“パープル・レイン”だろう。プリンスがぬめりのある声で歌った名曲をクラプトン流に男臭く仕立てている。プリンスをブルースの歴史にあらためて位置づけ直すような演奏で興味深かった。(遠藤利明)



詳細はWarner Music Japanの公式サイトよりご確認ください。

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。


V.A. クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2019
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