現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』1月号にSEKAI NO OWARIが登場!10年やって手に入れてきたものって、次のステップに行くために荷物になることが多くて。
だから、今までやってきたものを、全部捨てなきゃいけない(Fukase)
2号連続ロングインタビュー前編
セカオワの冬が今年もまたやってくる――
新たな名バラード“silent”誕生、そのすべてを4人で語る
インタビュー=小栁大輔 撮影=オノツトム
セカオワが放つ、もう何度目かの、冬の名曲が、今年もまた僕たちのもとに届けられた。その名は“silent”。クリスマスソングとして書き下ろされた、極上の冬の名バラードである。
穢れなく気高く伸びていくFukaseの歌声と、遠くの街で鳴らされた鐘の音が静かに聞こえてくるような、澄み切った世界。真っ白な輪郭をともなって生まれる吐息の形、厳かに優しく連なっていくピアノの調べ。そして、ひとりきりのクリスマスを過ごす苦さと焦りを、甘くドラマチックな切なさに変えていくエレキギターの歪みーー。5分9秒、どの瞬間を切り取っても、セカオワにしか描くことのできない、真っ白く凛と佇む冬の景色を味わうことができるだろう。音楽と世界観を等しく結び、メロディと物語をダイレクトにつないでみせる、その表現の仕方をセカオワの魔法なのだとするなら、“silent”は4人が見せてくれるもっとも新しくて、限りなく透明に近い純度にまで濾過された結晶のような楽曲だと思う。静かで確かな革新の音だ。
今回はそんな新たな名曲“silent”のすべてを語ってもらい、次号はカップリングも含めた作品としての『silent』、そして2020年を総括してのロングインタビューをさせてもらう。(小栁大輔)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2021年1月号より抜粋)