現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』1月号にback numberのインタビューとライブレポートを掲載!
back number、初の一般配信ライブ「back number live film 2020 “ASH”」
特別な一夜を3人で振り返る
文=高橋智樹 撮影=佐藤祐介
「この配信ライブっていうものを『こういう時だから仕方なく』とか『実際に観てもらうライブの代わり』とか、そういうことじゃなくて……きちんと、特別なひとつにしたくて」――360度カメラに囲まれた舞台の上で、清水依与吏は「この日」の決意を真っ向から語っていた。
2020年10月25日、back numberが開催した無観客の配信ライブ「back number live film 2020 “ASH”」。前述の清水の言葉の通り、ライブ感と映像美を高次元で融合させた今回のアクトは、「誰もが知っているback numberの音楽」の真価を、誰も体験したことのない強度をもって、あらためて鮮明に提示するものだった。
終わりの見えない新型コロナウイルス感染拡大の状況の中、back numberが開催した配信ライブ「live film 2020 “ASH”」。9月にはファンクラブ会員限定の配信アコースティックライブ「live film 2020 “MAHOGANY”」を行っているが、バンドスタイルでの配信ライブは、back numberにとって今回が初の試みとなる。
開演時間にオープニング映像として流れてきたのは、会場となる幕張メッセのホール内でのステージ設営風景。幾多のLEDビジョンが、鉄骨など障害物のないフラットな舞台の背景を取り囲む……という独特のセッティングが、「この日ならでは」のライブを実現しようとするバンドの意欲を配信画面越しに伝えてくる。そして――。
清水依与吏、小島和也、栗原寿とサポートメンバー=村田昭(Key)/藤田顕(G)/矢澤壮太(G・Cho)の姿が舞台上に映し出され、1曲目の“SISTER”へ。後のMCで清水自身も「なんか緊張したなあ、すごく緊張した」と開演の瞬間を振り返っていたように、オーディエンス不在の環境を前にして、やや張り詰めた空気感の中で演奏はスタートした。が、他でもない楽曲とアンサンブルそのものの伸びやかな高揚感、そして突き抜けるようなイマジネーションを歌い上げる清水の熱唱が、大空間に飛び交う無数の光の筋と乱反射し合いながら、無観客の幕張メッセを紛れもない「back numberのライブ空間」へと塗り替えていく。(以下、本誌記事に続く)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2021年1月号より抜粋)
【JAPAN最新号】back number、初の一般配信ライブ「back number live film 2020 “ASH”」。特別な一夜を3人で振り返る
2020.12.01 17:00