現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』3月号にSEKAI NO OWARIが登場!「ツライことがあるけど、セカオワのライブがあるから乗り越えてきた」ってメッセージをもらって。
その期待に応えるためにやらなきゃいけないことをやる、もちろんやりたくないことも。10年やっていくために、そうしなきゃいけなかった(Fukase)
2年ぶりの全国ツアー、そして新曲“Diary”まで――
4人が今、4人の心を語る
インタビュー=小栁大輔 撮影=富永よしえ
現在、2年ぶりの全国ツアーを回っているセカオワ。前号のSCENEでも書いたが、これが本当に素晴らしいツアーで、僕はライブを観ている間、ああこれだから自分はセカオワが好きなのだ、セカオワがこんなセカオワだからこそ深く信頼するのだ、と何度も強く思い至ることになった。きっと多くの人がそうだと思う。「お祝い」のツアーと、4人は語ってくれているが、彼らがデビューからの10年を、つまり、荒唐無稽とも思えるような夢の絵図を描き、一つひとつ実現させながら進んできたその革新の10年を歌いながら、そして何より、無数の経験を重ねてきた「今」の、4人のベストパフォーマンスによってその到達点を更新してみせるような最高の時間を過ごさせてくれる。お祝いという言葉で言うなら、僕たちからしても自分なりに必死に生きてきたこの10年を祝ってもらっているような絶対の肯定が響く、そんな時間になっている。ポップミュージックの確かなひとつの本流がここにあると思う。
今回のインタビューでは、そんなツアーの(詳しくは話してはいないけれども)実感と、今年一発目のシングル『Diary』について語ってもらった。“Diary”はFukaseの淡く澄みきった声から始まる極上のバラード。恋した日々の記憶を日記というモチーフに重ね合わせた繊細な物語を、誰しもの心象風景とシンクロさせてみせる一筆書きのような流麗な歌は今、ここでしか出会うことのできない、まさにFukaseだけの究極の表現だと思う。カップリング“エンドロール”も白昼夢のような覚醒感がビビッドに描きこまれていて、これは見事なセカオワシングルだ。東京に大雪が降った日、4人とじっくり話してきた。(小栁大輔)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年3月号より抜粋)