現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』3月号 別冊にSUPER BEAVERが登場!いろんなことを経験できた2020年、2021年があったからできた作品だと思ってる。
前作踏まえ、前作の感動踏まえ、今作でそれを超えられたかなって(渋谷)
完全読本『東京』編。
「アイラヴユー」のその先へ――逆境に抗い、「あなた」と対峙し続けた4人が確信を持って届ける最高傑作『東京』。
その本質に迫る3本立て徹底特集!
インタビュー=海津亮 撮影=アミタマリ
昨年末に読んだ渋谷龍太著『都会のラクダ』は、すべての音楽ファンにぜひとも読んでもらいたい一冊だ。東京生まれ東京育ちの4人の高校生がある時出会い、バンドを結成し、コンテストで優勝し、メジャーデビューを果たし、そこで挫折を味わい、あらためて自分たちだけの脚で立つことにして再出発、そこからたくさんの仲間に出会い助けられながら一歩一歩前に進んでいく、という15年間にわたる「愛と感動」の物語が綴られている。世にたくさんあるミュージシャンの自叙伝の中でこの『都会のラクダ』が特別に面白いのは、SUPER BEAVERというバンドが辿ってきた歴史が、どんな小説や映画よりも破格にドラマティックで、破格に感動的なノンフィクションであるからだ。SUPER BEAVERという名の物語に感情移入し、応援せずにいられない。誰をもそういう気持ちにさせるSUPER BEAVERの魅力とは、一体何なのだろう。
彼らのメジャー復帰第2弾アルバム『東京』が完成した。前作からわずか1年というハイスピードでのリリースとなる。前作『アイラヴユー』は、楽曲の強さ、メッセージの強さ、キャッチーさ、その何もかもが完璧で、メジャー復帰第1弾であるならこうあるべき、というお手本のようなアルバムだったと思う。まさに『アイラヴユー』を世に出したことによってSUPER BEAVERという長い物語は、また次の新しい章に華麗に突入していった。
それに続く作品を作り、その物語を更新していくのは並大抵のことではない、と聴き手である自分がプレッシャーを感じてしまうほどでもあったのだが、驚くほど短期間でそれは生み出された。アルバムタイトルが『東京』であると聞いて、音源を聴く前からその完成度の高さを予見できた。彼ら4人はそれぞれ東京で生まれ、東京で出会い、東京で呼吸をし、東京で泣き、東京で笑ってきた。バンド自らのアイデンティティを語るうえで、その舞台・東京は、どこかできちんと向き合うべき相手でもあり、自分たち自身でもあったのだと思う。
11年前、最初のメジャー期との決着をつけるべく作った作品は『SUPER BEAVER』というセルフタイトルだった。今作『東京』は、ある意味、それに続く2作目のセルフタイトル作品なのかもしれない。
JAPANにとって初となるSUPER BEAVERの別冊は、アルバム『東京』をメンバー4人で徹底的に語るロングインタビューとアルバムレビュー、そしてほとんどの楽曲で作詞作曲を手掛ける柳沢亮太の視点からバンドのヒストリーを語るレアなインタビュー、もうひとつの「都会のラクダ」の3本立てでお届けする。
完全読本『東京』編。皆さんにとっての永久保存版になれたら嬉しい。(海津亮)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年3月号より抜粋)