現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』3月号にSCANDALが登場！自分たちの癖を愛せる瞬間と、だからダメなんだなって思っちゃう時があって。でもそこを超越して、自分たちにしかできない自分たちの音楽をつくろうって思った（RINA）
今こそ語り合う、ありのままの「ヒーロー」像、
そして4人の素顔
インタビュー＝小栁大輔 撮影＝永瀬沙世
結成15周年を迎えたSCANDALが作り上げた10枚目のアルバム『MIRROR』。この何年も4人がアルバムを完成させるたびにインタビューをさせてもらってきたが、『MIRROR』は過去のどのアルバムよりも、日々を一生懸命生きている4人がそのまま書かれていて、歌われていて、これこそが等身大の4人の息遣いであり、10曲を聴き終わると静かな余韻に包まれながら、彼女たちの生活模様や心のうちを知ってしまったような淡い実感が手元に残る、つまりは日記のような作品になっている。いつだってキラキラと眩しい輝きを纏いながら華やかな光を浴びてきたSCANDALが綴った、まさに鏡越しに見える本当の4人の姿なのだと思う。メロディもアレンジも親しみやすく、4人それぞれが歌う歌もまたとても親しいものだ。僕が、SCANDALってどんな人たち？と聞かれたらこのアルバムを差し出すだろう。長い年月をかけて自分たちだけの、記名性の高い音楽にたどり着いた4人。なんだか妙に、おめでとうと言いたくなるような作品でもある。
そして、この実直な私小説的アルバムを経て再び訪れるであろう、みんなが知っているキラキラ眩しいSCANDALを爆発させる季節への期待もまた確かに高めてくれる。今、この時代の空気の中で、自分たちだけの世界を描き、ここからまた新しい季節を進んでいこうと歌った4人はとても正しいし、かっこいいと思う。（小栁大輔）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2022年3月号より抜粋）
『ROCKIN'ON JAPAN』2022年3月号
別冊SUPER BEAVER
