ロック史上でも屈指の「謎」と言われた、フリートウッド・マックの華麗なる転身――「ピーター・グリーンの時代」と「スティーヴィー・ニックスの時代」を繋ぐミッシングリンクが、遂に解き明かされた!

ロック史上でも屈指の「謎」と言われた、フリートウッド・マックの華麗なる転身――「ピーター・グリーンの時代」と「スティーヴィー・ニックスの時代」を繋ぐミッシングリンクが、遂に解き明かされた!

「ヨーロッパでの僕たちの人気は下り坂を転がっていくばかりだった。
だけど、アメリカでは自分たちのオーディエンスが大きく育ち始めていた。それからスティーヴィーとリンジーに出会って、魔法がかった時代が始まったんだよ」


フリートウッド・マックのミック・フリートウッドがバンドの初代ギタリストのピーター・グリーンへの敬意を表して開催した『Mick Fleetwood & Friends Celebrate The Music Of Peter Green And The Early Years Of Fleetwood Mac』。ライブは2020年2月にロンドンで行われ、ピーターが在籍した1967年から70年までのフリートウッド・マックの楽曲をノエル・ギャラガーからピート・タウンゼントなど、多彩なゲスト陣とともに披露するもので、このライブ作品も4月にリリースされた。そして、近年はほぼ隠遁状態にあったピーターは、その後の7月に他界した。

ミックも語っているように、このライブはイギリスのブルース・ロックを体現するギタリストのひとりだったピーターと、彼が率いた初期フリートウッド・マックを世に思い出してもらうためのものだ。

なぜかというと、今のリスナーのほとんどにとってフリートウッド・マックとは、ボーカルのスティーヴィー・ニックスとギターのリンジー・バッキンガムを軸にした極上の楽曲群を誇るポップ・ロック・バンドだからだ。実際、この原稿を書く僕にとってもフリートウッド・マックとはそういう存在で、10代でこのバンドを知った時は、アメリカのウェストコーストに君臨する、右に出る者がいないポップ・ロック・バンドで、現在のバンドもリンジーは不在なものの、これは変わっていない。

このバンドが実は伝説のギタリスト、ピーターを擁するブルース・ロック・バンドだったことを知ったのはそのずっと後のことだった。そして、この両極のイメージはあまりにもかけ離れているため、一般にひとつの断絶として捉えられているはずだ。それはどう考えてもスティーヴィーとリンジーのマックと、ピーターのマックは繋がってこないからだ。

けれども、このバンドの長い歩みをアルバムごとに順繰りに聴いていくと繋がりは確かにある。たとえばピーターがブルース・ロックから離れて“アルバトロス(あほうどり)”で打ち出した特徴的な新しいサウンドは、その後のスティーヴィーとリンジー期のサウンドを先取りしたものだとさえ言えるだろう。そんなバンドの歩みをミックに解き明かしてもらった。(高見展)



フリートウッド・マックのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。


ロック史上でも屈指の「謎」と言われた、フリートウッド・マックの華麗なる転身――「ピーター・グリーンの時代」と「スティーヴィー・ニックスの時代」を繋ぐミッシングリンクが、遂に解き明かされた! - 『rockin'on』2021年6月号『rockin'on』2021年6月号
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