軽快なエレキギターのカッティングで始まる新曲“SCRAP BOOOO”。2番のAメロはスポークンワードだし2番の途中で盛大なディストーションギターが鳴り響くし、よっしゃ秋山黄色が帰ってきた感満載の曲である。ほんとよかった、安心した。性格も人格も全部まるごと一新できればいちばん楽なんですけどね。
人の人生に関与するアルバムを出してるのに、俺だけ楽になってしまってはいけないから
楽曲制作的に歯車が回り始めたと同じく、ライブにおいても秋山黄色の全力疾走は始まっている。ヒリヒリした痛みを伴った3月のひとりだけのツアー「MY COLOR」に比べて夏のフェスではスピード感も温度も上がっていたし、10月から12月にかけての今回の「走光性の鳴り方TOUR」は熱も濃さも強さもMAXで過去最高だった。
痛みを強さに変えて走り始めた秋山黄色、その才能が本当に開花するのはここからじゃないか、そんな気がしてならない。
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=太田好治
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋)
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