11月14日、東京ドーム。その夜その場所には、清々しいほどに熱狂的で、そして優しさにも満ちた空気が流れていた。日本最高クラスの規模を誇るコンサート会場を、胡散臭いデコレーションではなく、人の柔らかさ、親密な温もりと愛が包み込んでいた。確かに火花も散っていたが、それすら温かかった。「VS」と名付けられたこの夜のライブは、しかし「対立」ではなく、人と人は何度でも出会えるということ、何度でも繋がり合えるということを教えてくれた。MY FIRST STORYとONE OK ROCK。「バンド」というコミュニティ表現を突き詰め続ける2組が発した「共生」のメッセージが、そこにはあった。
ことの始まりを遡れば、一応は2022年2月ということになるのだろう。2022年2月10日、マイファスにとって5年ぶりの日本武道館公演となった「We promise, 4 you once again Tour Final at BUDOKAN」のステージ上でHiro(Vo/MY FIRST STORY)は、客席に座っていたTaka(Vo/ONE OK ROCK)に東京ドームでの共演を申し入れ、それをTakaが快諾した。それがこのツーマンライブ「VS」の発端である。(以下、本誌記事に続く)
文=天野史彬 撮影=ONE OK ROCK/JulenPhoto、浜野カズシ、橋本塁 [SOUND SHOOTER] MY FIRST STORY/Taka"nekoze photo"、Daiki Miura、SHOTARO
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋)
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2023.12.28 12:00