メインには圧倒的にそこで歌ってほしい、しんちゃんがいる。
でも、メインではないけれど、ドラムではできない何かを届けられるーーそれがちょっとだけ自分の武器になってるのは、嬉しいです
Saucy Dogが12月8日に配信リリースした、「Bonus ep『はしやすめ』」。ボーナスEPとは何かというと、サウシーが2ndミニアルバム『サラダデイズ』以降毎作、CD商品にのみ収録してきたボーナストラックを集めたEP、ということである(6枚目のミニアルバム『サニーボトル』分までの5曲を収録)。
ひと口に「ボーナストラック」と言ってもいろいろあるが、サウシーの場合は、Dr・Choのせとゆいかが作詞作曲(3曲目“寝ぐせ”以降の作曲はSaucy Dog表記)とメインボーカルを務める楽曲が収められるのが恒例。つまりこの『はしやすめ』は、Saucy Dogの作品でありつつ、「せとゆいか初の作品集」とも言えるのだ。普段はドラムとしてバンドのリズムを支え、抜群のコーラスワークで石原慎也のボーカルを支え、時にはお姉さん気質な性格(石原曰く)でメンバーを支えてきたせと。そんな彼女がこのEPに『はしやすめ』というタイトルも付けたのもまた「らしい」な、と思ったりするのだが、「CDを買った人だけが聴ける」という限定された場所で、ひっそりと曲を紡いできたせとは、果たしてそこにどんな楽しみを見出し、どんな思いを吐露してきたのか。今回は、JAPANでは初のせとゆいか単独インタビューで、その温かで芯の強い心のうちに触れてみようと思う。
インタビュー=安田季那子 撮影=是永日和
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』2月号のご購入はこちら