スティーヴ・アルビニがソニック・ユースをオルタナティヴ・ロックを貶めたと糾弾

スティーヴ・アルビニがソニック・ユースをオルタナティヴ・ロックを貶めたと糾弾

ニルヴァーナの『イン・ユーテロ』のプロデュースを始め、インディー・スピリットを飽くまでもストイックに追求するプロデューサー/アーティストとして有名なスティーヴ・アルビニ。なんと『GQ』のインタビューに答えているのだが、ソニック・ユースが90年にインディーからゲフィンへメジャー移籍したことを恥ずべき行為だったと糾弾している。

「当時のソニック・ユースの状況がどういうものだったまでは知らないから、間違ってたとまでは言いたくないんだよ。でも、メインストリームに移籍してからバンドが関わったさまざまなことがぼくにはすごく悪趣味だったと思えたな。しかも、ああいうバンドがメインストリーム・ミュージックと関わっていったことで、スター量産システムに関わっている連中の思惑がとんでもないことになっていろんなことを巻き起こしたと思う。その時期に目撃したもののいろんなものすべてに腹が立ったし、それは完璧に元気で活気に溢れていたインディー・シーンが金に心を売って腐敗していく姿だったと思うよ」

「ソニック・ユースはメインストリーム・カルチャーの仲間入りすることを選択し、メインストリーム・カルチャーのために奉仕する一兵卒となって、ぼくたちのカルチャーの森へと斥候として侵入してきたんだよ。本当に下卑た行為だと思ったし、バンドの信用性も相当にあれで落としたと思うな。連中は今も友達だとぼくは思ってるし、連中の音楽には今もしっかりした誠実さがあるけど、でも、ああいう出方はね、恥ずかしくないって言ったらそりゃ嘘になるよね。本当に連中はあの行為を恥じ入るべきだと思う」

と、ずいぶんな言いようなのだが、結論はこうだ。「(ソニック・ユースの移籍によって)相当に音楽は安っぽくなったよね。ミュージック・カルチャーをなんか虚ろで醜いものにしたし、一般的に言って悪影響をもたらしたと思う」。

しかし、これにとどまってはいないのだ。ファッション誌であるGQのインタビュアーにファッションについてどう思うかと訊かれると、スティーヴは「ファッションは唾棄すべきものだ」とぶちあげ、「GQが雑誌として失敗することを願っている」とまで宣言。そして、とどめとして、こう述べている。「こうやってきれいに着飾ることだけで稼いでいる人たちがいずれ全員困窮するか、なにか実体の伴う行為を強制されるようになるといいと思う。少なくとも、エロ本の方がまだ機能性という実体を伴っている」。ここまで一貫していると、逆に天晴れだ。
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