グラストンベリーの初ヘッドライナーをはさみ、いよいよ7月の北アメリカ・ツアーで終了するU2の360°ツアーだが、ごく最近のステージでバンドは、1991年の『アクトン・ベイビー』のレコーディング時にバンドがベルリンでつるんでいる姿の映像を流しては会場にノスタルジックな瞬間を生み出すと同時に、なんとなく次回のプロジェクトをほのめかしてもいるのだとか。実際問題として、この秋、バンドは『アクトン・ベイビー』とZOO TVツアー、93年の『ズーロッパ』をそれぞれ、未発表映像や未発表音源などを含めて回顧していくという。
「ラフ・ミックスやアウトテイクを聴いていると本当にぶっ飛ばされちゃう勢いがあるんだよ」とジ・エッジはローリング・ストーン誌に語っている。「本来だったら日の目を見なかったかもしれないような、すごいおもしろい別バージョンとかをみんなで探し当てたりしたんだよ。歌詞もアレンジのスタイルも違ってて、まるで別なところに焦点が絞ってある『アクトン・ベイビー』っていう感じなんだ」。
リリースとしては『アクトン・ベイビー』と『ズーロッパ』についてそれぞれの再発と、両アルバムやZOO TVツアーの映像と音源を収録するボックス・セットを企画しているところだとマネージャーのポール・マッギネスは語っている。
マッギネスは今回の再発はいろんなフォーマットで出すことになると語っていて、さらに特典内容やパッケージやデザインをそれぞれにある一定枠で上乗せしていけば、それだけのものへの対価を出す人もいるので、かなり高い予算も組めるし、作品の価値も増やせるのだと説明している。要するに、かなり手の込んだスーパー・デラックス・エディションも準備しているということだろう。
また、バンドは最近90年代の楽曲を劇場でライブ演奏して、それを収録したそうで、これは映画版『不都合な真実』の監督として知られるデイヴィス・グッゲンハイムと製作しているバンドのドキュメンタリーに収録されることになるとか。さらに90年代初頭のまったく未発表だった映像なども発掘されているとマッギネスは語っている。「あの頃はなんでもかんでも撮ってからね」とマッギネス。「まるで観たこともないような映像もたくさんあるし、それを観たらかなりびっくりすることもあるかと思うよ」。