カナダのサイトがクリス・ブラウンをネットのブラウザから削除してくれるソフトを開発している。
カナダのテレビの音楽チャンネルAUXのサイトが開発した「ブラウンアウト」というこのソフトはグーグル・クロームでしか有効に使えないが、クリス・ブラウンの文字と画像をすべて画面から消去するものになっていて、AUXのサイトで無料ダウンロード提供している。
きっかけとなったのはクリス・ブラウンが新しいタトゥーを首にいれたことが9月11日に発覚したことで、このタトゥーが若い女性の顔に複雑な陰影をつけたような図案となっていて、2009年にクリスが当時交際していたリアーナにDVをはたらいた時にネットに流出した警察で撮られたリアーナの青痣だらけの顔写真に酷似しているとネットで大騒ぎになったこと。
音楽ニュース・サイトのcbsローカルとの取材に応えてAUXのサイトのプロデューサーのサム・サザーランドは次のように説明している。「クリス・ブラウンが首にリアーナに似ているタトゥーをいれたとしたら、こちらもそれを記事にして書いていくことになるよね。でも、いずれネットがクリス・ブラウンのバカさ加減で氾濫してしまうからこのソフトを開発したんだよ」
「設計に必要だったのは、クリス・ブラウンの名前を認識するフレームを開発することで、認識するとクリス・ブラウンを無視して画面から削除するんだよ。ネットの内容はすべて観られるけど、クリス・ブラウンの名前と画像だけが観られなくなるんだね」
ちなみにAUXでは過去に同様にあらゆるブラウザからニッケルバックについての言及をすべて削除してしまうプラグイン、「ニッケルブロック」を昨年発表している。
なお、クリスは自身の代理人を通してこのタトゥーの図案がリアーナであることは否定しているが、今回の騒ぎの影響でクリスの新作『フォーチュン』への妨害行為がイギリスのHMVで頻発し、女性を殴る人なので買うのはやめろというステッカーが売り物のCDに貼られていたという。
このステッカーを貼られたCDはHMVのケンブリッジ店で最初に発見されたが、それと時を同じくしてこのステッカーが貼られたCDの画像をケンブリッジ大学学生組合の女性解放部がツイッターでアップロードしている。ただ、女性解放部はあくまでも「ケンブリッジ大学女子学生を代表し、性差の撤廃のために活動している」としているだけで、ステッカー貼付については一切触れていない。
その一方でHMVの職員は『NME』に対してこうした行為を行った人たちは「確かに自身のメッセージを有効に伝えることには成功したかもしれない」と説明しながらも、クリスの新作がリリースされていることを派手に告知することでクリスの活動を後押ししただけかもしれないと語っている。
「先週末にロンドン郊外のHMVの店舗でステッカーが発見された時にはこちらも驚きましたよ。明らかに誰かがステッカーを店内に持ち込んで限られた数のCDに貼ったわけですが、間もなくしてスタッフによって剥がされることになったわけです。ただ、その間に実行した人が画像を撮るのに成功してそれをメディアに乗っけたわけですよね」
「確かにメッセージは相当有効に伝わったことだと思いますよ。世界中で取り上げられたことだと思いますし。でも、その同じ行為によって、クリスの最新作がリリースされたと知った人も多いんですよ」
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