ダフト・パンクによる新作『ランダム・アクセス・メモリーズ』の全曲解説公開

ダフト・パンクによる新作『ランダム・アクセス・メモリーズ』の全曲解説公開

5月22日(水)に新作『ランダム・アクセス・メモリーズ』をリリースするダフト・パンクだが、全曲解説をフランスのウェブサイトのオブセッションが以下のように伝えている。

Give Life Back to Music feat. Nile Rodgers
「今回の作品の狙いのひとつはなにか軽くてエレガントなものを提供したいということなんだ。ドラムを叩いているのは(クインシー・ジョーンズのプロジェクトによく参加していることで有名な)ジョン・ロビンソン・ジュニアで、ジョンはマイケル・ジャクソンの『オフ・ザ・ウォール』でも叩いているんだよ。ジョンの演奏の素晴らしさはニュアンスの加減にあるということで、エレクトロニック・プログラミングではどうにも出せない味なんだよね。クインシー・ジョーンズが製作した作品はどれもテクノロジーでは絶対に出せない種類の、究極の正確さがあってそれにいつもすごいなと思うんだ。『スリラー』や『バッド』はその辺が若干違ってきてるんだけどね。『バッド』ではよりきっちりしたものなっている反面、パフォーマンスの質は少し落ちてるんだよ」

The Game of Love
「ここでぼくたちはヴォコーダーで歌ってるんだ。人間の声をロボット的に加工するのが流行の今の時代に、ぼくたちはあえて、ロボットの声をどこまで人間らしく鳴らせるかどうかということに大きな刺激を感じたんだ。限りなく人間に近づく人工知能と言うか……人間ではないけれども人間になろうとしているものの感情というか」

Giorgio by Moroder feat. Giorgio Moroder
「ジョルジオ・モローダーは数年前に会ったんだけど、すっとぼくたちには神秘的で謎めいた魅力を帯びた人だったんだ。これはジョルジオの個人的な旅を音楽として辿るものなんだ。もともとのアイディアはぼくたちがインタヴューを行ったジョルジオのドキュメンタリーから始まったものなんだよね。いろんな時代のいろんなマイクを使って、ジョルジオの声を録音して、大体3時間くらいのインタヴューでジョルジオは自分のミュージシャンとしての人生を振り返ってるんだ。この曲は音楽的な自由を訴える作品なんだよ。ぼくたちはいつでもジャンルの壁や、趣味性や指向の違いや、系統の違いとか、そうした区別を取り払おうとしてきたけど、ジョルジオというのはそういうことのひとつのモデルなんだよ。小さな田舎町で育って、ホテルのラウンジ・バンドで音楽を身に着けて、ジョニー・アリデイの前座を務めるようになって、その後プログレをやり始めるんだよね。72歳になったジョルジオが『ああ、エレクトロニック・ミュージックってぼくが40年前に作ったもんなんだよ』って語ってもらうのは最高だと思う」

Within feat. Chilly Gonzales
「チリーはこの曲でピアノを弾いてるんだ。ぼくたちの友達ですごいピアニストだよ、彼の世代では最高峰の人だと思う。"Within"は今回レコーディングした曲の中でも最も早いうちに手を付けた作品のひとつなんだ。すごくミニマルで、コンパクトなリズム・セクションとベースとピアノだけ。ごく少ないもので最大のものを作り出すというのがこのタイトルの意味なんだ」

Instant Crush feat. Julian Casablancas
「この曲ではザ・ストロークスのジュリアン・カサブランカスが歌ってるんだよ。ぼくたちはジュリアンの大ファンで、ジュリアンがぼくたちにも会いたがってくれていると知ったんだ。これはたまたま出来てたデモがもとで、ジュリアンが会いに来てくれて、聴いたらすっかり気に入ってくれたんだよ! そういうたまたま叶った贈り物みたいな曲なんだ。ぼくたちは基本的にロックが好きだし、ロック・バンドという発想も好きなんだけど、でも、いろいろ力強い表現があるせいで、新しい声が出現するのがすごく難しくなってたと思うんだ。最近では、ストロークスとMGMTがさまざまな局面や感性を表現するのに成功していると思うんだけど。ジュリアンにはパンク・ロック的な側面が備わっていて、メロディーの中にものすごく強いエモーションがこもってるんだよね。このアルバムでは自分たちと同世代のアーティストに支えてもらうこともとても重要だったんだ」

Lose Yourself to Dance feat. Pharrell Williams and Nile Rodgers
「この曲はぼくたちのやりたいことが最もシンプルな形になった曲なんだ。ものすごい量の作業を重ねながら同時にものすごくシンプルなアルバムを作りたかったわけで、ぶっといベースとドラムとギターとロボット二人っていうものがやりたかったんだ! プロデュースをやり過ぎた作品とは対極にあるものなんだ。ドラムを使ってダンス・ミュージックを作ってみたいというのがぼくたちの夢だったわけで、そういう意味では今回の作品にものすごい満足感を覚えてるし、本物のドラムを使っていてドラム・マシーンを使っていないことに誇りを感じるよ。今回参加してもらっているドラマーは二人いて、ひとりはジョン・ロビンソン・ジュニアでこの人はセッションに参加した曲数で世界記録を持っている人なんだ。もうひとりはオマー・ハキムで、この人は16歳でスティーヴィー・ワンダーのドラマーになった人なんだよ」

Touch feat. Paul Williams
「この曲はアルバムの要ともいってもいい曲なんだ。このアルバム全体の出発点となったもので、ポール・ウィリアムズ(ソングライターで、ロック・ミュージカル映画『ファントム・オブ・パラダイス』の作曲をてがけたことでも有名)との出会いになってるんだ。ポールにスタジオに来てもらってね。この時のセッションで、ものすごく映像喚起的で、物語的な作品が生まれたんだよ。要するに"Touch"は『ランダム・アクセス・メモリーズ』のサイケ的な要素を担った曲になってるんだよ。250トラック分の音が詰め込まれてるから、一番複雑で一番クレイジーなんだ」

Get Lucky feat. Pharrell Williams and Nile Rodgers
この曲ではファレル・ウィリアムズが歌ってるんだ。ファレルは生まれながらの完璧なパフォーマーで、そのパフォーマンスにはエレガンスさが備わってるよね。でも、ファレルがどれだけすごい歌い手であるのか、それをよく示す機会もあまりないと思ったんだ。だから、今回のぼくたちの伝説のパフォーマーの祭壇に加わってもらおうと思ったんだよ。過去の素晴らしいアーティストと較べて現在のアーティストが必ず劣っているということはないはずなんだから。ぼくたちとしては、世界から切り離されたスタジオというカプセルにいる感じにしたかったんだ。そこの時代は1978年でもいいんだけど、その音楽を現在と未来へ持って行ったらどうなるんだろう、時代が変わっても伝わるだろうかと旅してみたいというアイディアなんだ」

Beyond
「これもポール・ウィリアムズとの曲でポールに歌詞を書いてもらったんだ。宇宙的なすごい曲で、歌詞はすごく詩的で純粋なものなんだ。ポールとはこのアルバムの方向性についてすごく話し込んだし、自分たちの考えていることを一所懸命言葉にしてみるだけの甲斐があったと思ったよ」

Motherhood
「これは未来的な作品で、西暦4000とかの設定でいいのかも……」

Fragments of Time feat. Todd Edwards
「これは『ディスカバリー』以来のトッド・エドワーズとの再会だね」

Doin’ It Right feat. Panda Bear
「この天使のような声は(アニマル・コレクティヴの)パンダ・ベアーなんだ。アニマル・コレクティヴのアプローチも好きだけど、パンダ・ベアーがソロでやってることも大好きなんだよ。これはアルバムでも唯一、エレクトロニックな作品なんだけど、レコーディングも最後だったんだ。結果的にちょっと息抜きのできる曲になったね。タイトルは一番未来的で同時代的かな」

Contact feat. DJ Falcon
「これはDJファルコンと作った曲で、使われている音声はNASAの最後の有人月面着陸探査となったアポロ17号のユージーン・サーナン船長のものなんだ。サーナン船長は人類で最後に月に行った人なんだよ。この声はそれだけで宇宙的だよね。この音声そのものがこの曲のコメントになってるから……」
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